自律神経が乱れやすい春……新生活を健康にスタートするコツは?
期待と不安の入り交じる新年度は体調を崩しやすい時期とも重なっている
「春眠暁を覚えず」という言葉は、暖かな春の心地よい朝寝坊をうたったものですが、春先の強い眠気は自律神経の乱れも原因かもしれません。起床時に活動モードである交感神経ではなく、リラックスモードの副交感神経が優位になってしまうと、いつまで経っても眠気がすっきりせず、起きられない状態になってしまいます。また眠気だけではなく、気圧の変化による片頭痛や気持ちの落ち込み、さらには花粉症などのアレルギーによる体調への影響などを考慮すると、新年度の時期は特に体調面での不調をきたしやすい時期でもあると言えるでしょう。
新生活シーズンを健康に気持ちよく過ごすためには、日常のちょっとした心がけが重要です。
体調管理に最重要な睡眠リズム! まずは「早起き」を習慣に
体調を崩しやすい時期にまず意識したいのは、生活リズムを整えることです。特に睡眠はコンディションに大きな影響をもたらすため、「疲れたら早めに休む」というのは多くの人が理解していることでしょう。ところが早めに休もうと布団に入ってもなかなか寝つけないといったことはありませんか? 普段12時に就寝している人がいきなり夜の10時に布団に入ってもすぐに眠ることはむずかしいものです。一方で早起きに着目して、起床時間を少し前倒しすると夜は早く眠りにつきやすくなります。人は起きた時間によって眠気を催す時間が決まってくるからです。早めに起きると早く眠くなり、結果として十分な睡眠時間や睡眠の質向上にもつながります。早起きのポイントとしては少しずつ時間をずらしていくこと。いきなり1時間、2時間といった大きな変化ではなく、30分程度の変化を基本とし、体がなれるまで数週間程度はそのリズムを守って過ごすようにしてみましょう。「早起き・早寝」の実践は、乱れがちな生活リズムを整えることにもつながります。
運動習慣の第一歩! 起床時におすすめの簡単エクササイズ
早起きを実践すると最初のうちはどうしても眠気があってスッキリ起きられないかもしれません。そんな時に目を覚ましてくれるのが起床時に行う簡単なエクササイズです。特に布団から出られないときはその場で大きく伸びをしたり、つま先の上げ下げを行ってふくらはぎを積極的に動かすようにしてみましょう。手を軽く握ってグーパーを繰り返したり、肩の力を入れたり抜いたりするシュラッグ動作を行ったりと、動きそのものは小さくても体の末端や、肩や背中など大きな筋肉を動かすようにすると交感神経が刺激され、全身の血流が促されます。さらに体を起こしたらゆっくり深呼吸を繰り返して呼吸筋である横隔膜を大きく動かし、その場で伸びをしたり、体を軽くひねったりしてみましょう。毎朝の習慣として簡単なエクササイズを続けるようにすると、目覚めとともに交感神経のスイッチが入り、活動モードへとシフトします。朝のスタートダッシュにもつながる「早起き早寝」と運動習慣を取り入れて、気持ちも新たに一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
■参考書籍
- 「働くあなたの快眠地図」角谷リョウ著/フォレスト出版