知恵をいろいろ出せば、限られた年金収入でも生活していくことは十分に可能
2020年以降、株や不動産で資産を増やしている人も一部いますが、多くの人は新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい生活を送っているのではないでしょうか。若い世代であれば収入を増やせる可能性はたくさんありますが、もう若くなければ今ある資産や年金の範囲で生活することを考えた方が無難です。知恵をいろいろ出せば、限られた年金収入でも生活していくことは十分に可能です。生活費を抑える工夫について考えてみました。単身世帯の老後の平均的な生活費は月々14万円
最初に老後の生活費はどのくらいかかるのか、現在の支出実態を確認してみました。下記は総務省の『家計調査 家計収支編2020年』から、無職世帯の月々の生活費の支出内訳を表したもので、1つ目のグラフは無職の単身世帯です。65歳以上に限定していないので、若い無職者も含まれているかもしれませんが、多くは65歳以上の年金生活者と推測しています。無職単身世帯の月々の生活費は平均14万4752円となっています。支出の中で特に多くの割合を占めているのは「食料」で3万6069円、次が「その他の消費支出」2万8773円、そして「教育娯楽」1万3337円となっています。食料の中で目立つのは「調理食品」5765円、「野菜・海藻」5071円、「外食」3911円等で、「酒類」は意外と少なく1487円にとどまっています。その他の消費支出には「交際費」1万4316円や、理美容サービス等の「諸雑費」1万3370円等が含まれています。
二人以上世帯の老後の平均的な生活費は月々26万円
2つ目のグラフは同じく『家計調査 家計収支編2020年』から、65歳以上無職世帯のうち二人以上世帯の生活費の支出内訳です。65歳以上の無職なので、多くは年金生活者と考えられます。二人以上世帯の月々の生活費は平均26万3662円となっています。支出の中で特に多くの割合を占めているのは「食料」で6万9746円、次が「その他の消費支出」4万5445円、そして「非消費支出」3万3148円となっています。食料の中で目立つのは「野菜・海藻」1万277円、「調理食品」9927円、「魚介類」7435円等で、「外食」は4495円で単身世帯とあまり差がありません。その他の消費支出には「諸雑費」2万293円、「交際費」1万7483円等が含まれていて、交際費も単身世帯とあまり差がありません。非消費支出には「健康保険料」1万731円、「介護保険料」7176円、「個人住民税」3574円等が含まれています。
二人以上で住めば住居費は大幅に下がる
単身世帯も二人以上世帯も贅沢をしているような支出ではありません。しかし、新型コロナウイルス感染症のような外的要因で厳しい生活を強いられることもあるため、日頃から削れるところは削っておきたいものです。削れる支出として主に住居費に着目してみました。単身世帯では、14万4752円の支出のうち住居(家賃地代や設備修繕・維持等)に1万2666円支出しています。二人以上世帯では26万3662円のうち1万4813円です。二人以上世帯には3人や4人の世帯も含まれていますが、仮に二人以上世帯の人数を2人とすると、1人当たりの住居費用は7407円になり、単身世帯の1人当たりと比べて40%以上も下がります。65歳以上の世帯ではすでに子育てが終わり、大きな家を持て余している人もいます。複数で一緒に住めば1人当たりの住居費は下がるので、一緒に住める親戚や友人等がいないか探してみるとよいでしょう。
支出削減は聖域なくきちんと計画を立てておきたい
年金10万円で暮らすには、1人当たり10万円と考えれば単身世帯で4万円強の削減、二人以上世帯であれば1人当たり3万円強の削減が必要です。決して無理な目標ではありませんが、きちんと計画を立てて、聖域なく全ての項目で実行していく必要はあります。例えば、先ほどの住居と同じように一緒に住むことで削れる費用に外食費があります。単身世帯(3911円)と二人以上世帯(4495円)で支出額の差はわずかです。そのため、特に単身世帯は外食を減らせる余力があります。一人だとついつい外食してしまうでしょうから、一緒に内食できる同居人がいれば外食を減らしやすくなるでしょう。
仲間がいれば家での食事も楽しい!
お金に余裕があれば心にも余裕が生まれます。反対に生活費が足りないと心の余裕もなくなります。どちらがよいかと言えば前者です。他人任せにしないで自ら努力をし続けていきましょう。
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