老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、老齢厚生年金を繰上げ受給するデメリットについてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
 

Q:老齢厚生年金を繰上げ受給するデメリットって?

「老齢厚生年金のみを繰上げ受給するデメリットとは、どんなことがあるのでしょうか? 62歳ぐらいから受給を開始したいと思っています」(59歳・会社員男性)
 
老齢厚生年金を繰り上げ受給するときの注意点

老齢厚生年金を繰上げ受給するときの注意点

 

A:年金が生涯にわたり減額されます。老齢基礎年金も同時に繰り上げるので、万一のリスクの保障がなくなる可能性も

老後の生活の柱となる老齢基礎年金、老齢厚生年金は、受給要件を満たすことで65歳から受給できますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受給できます。

繰上げ受給をすると65歳になる前に老齢年金を受け取れるものの、繰上げ支給の請求をした時点(月単位)に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わりません。現在の減額率は、1カ月早めるごとに年金が0.5%ずつ減額され、最大60歳まで(60カ月)早めると30%減額されます。2022年(令和4年)4月1日以降は、同時期以降に60歳に到達する人を対象として減額幅が0.4%(60歳まで繰り上げると最大24%減)に緩和されます。

65歳未満で一定の年収以下等の要件を満たした配偶者がいる場合は、老齢厚生年金に「配偶者加給年金額」が加算されますが、この加給年金額も65歳になるまでは加算されないので注意してください。

また、老齢厚生年金の繰上げを請求すると、老齢基礎年金も同時に繰り上げることになります。片方の年金だけ繰上げ受給することはできません。

したがって、老齢基礎年金を繰上げ受給した場合の注意も必要です。大きなデメリットは以下のようなものがあります。

【1】60歳以降に加入できるはずの国民年金の任意加入ができない

【2】取り消しや変更することができない

【3】事後重症(障害認定日には基準に該当しない障害状態の場合、その後障害の状態が重くなり、障害年金を請求する方法)などによる障害基礎年金を請求することができなくなる

【4】寡婦年金は支給されない、既に寡婦年金を受給されている人は寡婦年金の権利を失う

【5】65歳になるまで、遺族厚生年金(遺族共済年金)と繰上げ受給した老齢基礎年金は併給できない

このように、万が一の場合の公的な保障を失うこともありますので、注意しましょう。

現在のような長寿社会において、公的年金は、生涯にわたり受給できる大切な収入源となります。繰上げ受給を申請する前に、慎重に考えましょう。

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監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

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