老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、老齢基礎年金を繰上げ受給するデメリットについてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
 

Q:老齢基礎年金を繰上げ受給するデメリットって?

「老齢基礎年金のみを繰上げ受給するデメリットとは、どんなことがあるのでしょうか?」(匿名希望)
 
老齢基礎年金を繰上げ受給した場合のデメリット

老齢基礎年金を繰上げ受給した場合のデメリット

 

A:繰上げ請求した時点に応じて年金が生涯にわたり減額され、障害状態や配偶者死亡時の公的な保障を失うことになります

老齢基礎年金は、原則として65歳から受け取ることができますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に繰上げ受給することができます。ただし、繰上げ受給の請求をした時点(月単位)に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わりません。

現在の減額率は、1カ月早めるごとに年金が0.5%ずつ減額され、最大60歳まで(60カ月)早めると30%減額されます。2022年(令和4年)4月1日以降は、この日以降、60歳に到達する人を対象として、減額幅が0.4%(60歳まで繰り上げると最大24%減)に緩和されます。

さらに、老齢基礎年金を繰上げ受給をすると、次のようなデメリットがあるので注意が必要です。

【1】未納期間を埋めるため、国民年金に任意加入中の人は繰上げ請求できません。また、繰上げ請求後に任意加入することはできず、保険料を追納することもできなくなります。

【2】繰上げ受給を請求して認められたら、取り消したり、変更することはできません。

【3】事後重症(障害認定日には基準に該当しない障害状態の場合、その後障害の状態が重くなり、障害年金を請求する方法)などによる障害基礎年金を請求することができなくなります。

【4】寡婦年金(国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間と免除期間が10年以上ある夫が亡くなったときに、要件を満たす妻に対して、60歳から65歳になるまでの間支給される年金)は支給されません。また、既に寡婦年金を受給している人は、寡婦年金をもらえなくなります。

【5】65歳になるまで、遺族厚生年金(遺族共済年金)と繰上げ受給した老齢基礎年金は併給できません。

以上のように、公的年金には、障害状態や配偶者の死亡時などの万が一の時の保障の役割がありますので、繰上げ受給をすると生活の支えを失うこともあるかもしれません。

また、老齢厚生年金をもらえる人は、老齢基礎年金と同時に、繰上げ受給をすることになりますので、注意をしてください。どちらか片方だけ、繰上げ受給するということはできません。

現在のような長寿社会において、公的年金は生涯にわたり受給できる大切な収入源です。いったん繰上げ受給をすると取り消しできませんから、慎重に考えましょう。
 
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監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

 

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