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映画『彼女が好きなものは』前田旺志郎インタビュー「セクシュアルマイノリティについて深く考えた」(3ページ目)

映画『彼女が好きなものは』は、浅原ナオトの小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(角川文庫刊)の映画化。本作で、ゲイであることを隠して生きる高校生の純(神尾楓珠)とBL好きであることを隠しているクラスメイトの紗枝(山田杏奈)の友人、亮平を演じている前田旺志郎さんにインタビューをしました! 

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

 

お芝居のゾーンに入る瞬間が幸せ

―前田さんのキャリアについて伺います。子役から始まって、「まえだまえだ」でお兄さんの前田航基さんとコンビを組んで芸人活動をされていたけど、いまは俳優業がメインですよね。
 
前田
はい、いまはお芝居の仕事に専念しようと思っています。きっかけは、いつの間にか、お芝居の魅力にハマっていって、演じることが楽しくてたまらなくなったからですね。
 
いま大学生なので、学業とお芝居の両方に取り組んでいますが、どちらも楽しいので充実しています。
 
―前田さんにとって、演じることの楽しさとは? 
 
前田
アドレナリンが出る瞬間というか、本番のカメラがまわり、集中して芝居をしている中で、予想もしていなかった感情が芽生えてくる瞬間があるんですよ。
 
撮影のとき、演じている僕らのまわりには、カメラマンさん、照明さんなど、技術のスタッフさんが常にいるじゃないですか。日常のシーンでも、現場は日常とはかけ離れているのですが、ときどき、カメラなど周囲の状況が自分から全部消えて、役として地に足がついて、感情からセリフが自然と出てくる瞬間があるんです。
 
ある種のゾーンに入った瞬間というか、その瞬間に出合うと本当にうれしくて、自分はなんて幸せなんだと思うんです。
彼女が好きなものは

映画よりも大人っぽい印象の前田さん

―お芝居の神様が降臨するのでしょうか?
 
前田
降りてくるというより、自分の中で感情がウワーっとせり上がってきて、頭で考えていることを制圧してしまう感じです。それがずっと続けばいいのですが、まだまだそこまでの実力はないので。ただ、ギャンブルじゃないですけど、中毒性があって「次は来るかも、次は来るかも」と思いながら演じてしまう自分がいます。そういう邪念があるうちは来ないと思いますけど(笑)。
 

100歳になってもお芝居を楽しむことが目標!

彼女が好きなものは

お芝居について熱く語る前田さん

―将来、こういう俳優になりたいという青写真はありますか?
 
前田
今と同じくらいお芝居が楽しめたら、それでいいなと。求められないと続けられないので、続けられたら、それだけで幸せです。
 
でもお芝居を楽しく続けていくためには、今のレベルのお芝居を続けていても飽きが来たり、楽しくなくなる瞬間が来たりすると思うんです。だから、年齢を重ねるごとに実力もステップアップしていき、80歳、100歳になっても、そのときの年齢にあった芝居の実力をつけて、楽しさを維持して、今と同じ「お芝居が楽しい!」という状態を死ぬまで続けていくのが、僕の目標です。
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