マスクで口呼吸が癖に……鼻呼吸のメリット・はたらき

鼻をかむ女性

鼻は天然の加湿器としての役割をもつ

マスクの中で、うっかり口が半開きになっていた経験はありませんか? 日常に定着したマスク生活ですが、鼻や口を覆っていると、やはり息苦しさを感じることもあるものです。普段は自然と鼻呼吸をしていた人も、マスクの息苦しさや、マスクで口元が人から見えないことから、うっかり口呼吸になっていることがあるかもしれません。

鼻呼吸の場合、鼻から吸い込まれた空気は鼻の奥を通るときに温められ、加湿されて肺へと送られていきます。また鼻腔は鼻毛や粘膜により、ほこりや細菌、ウイルスといった異物が体内に侵入しにくくするはたらきも持っています。鼻呼吸は、体にとって自然な空気清浄機のような役割を果たしているのです。
 

口呼吸のデメリット・体への悪影響

では口呼吸はどうでしょうか? 鼻呼吸は異物が体内に侵入しないような防御機能が備わっていますが、口呼吸の場合はこのようなフィルター的なはたらきがありません。口から空気を吸うと、異物も一緒に体内に侵入しやすくなります。乾燥した空気はウイルスなどが存在しやすく、加湿を行わない口呼吸は感染症に対するリスクが高くなると考えられます。

また口呼吸は肺を大きく動かさずに呼吸できるため、肺を動かす横隔膜やその周辺の筋肉が衰えやすくなるのも問題です。十分な酸素量が確保できずに毎日を過ごすと、酸素不足の状態で何となく頭がボーッとしたり、集中力に欠けたりといったことが起こりやすくなります。日常的な呼吸の浅さは自分ではなかなか気づきにくく、さらに口元が開いて、だらしない表情になってしまいがちです。

体内の酸素不足は睡眠時の呼吸にも左右されます。口呼吸での睡眠は、舌が喉の後方に落ち込んで気道をふさぎ、十分に酸素が取り込めていない状態をつくり出します。朝の目覚めがスッキリしなかったり、睡眠時間のわりに日中に眠気を催してしまったりするのは、睡眠の質が低下している可能性があります。口呼吸には、考えられている以上にさまざまな体への悪影響があるのです
 

運動時の息苦しさも解消! 口呼吸を無理なく鼻呼吸に直すコツ

走り終わった後に膝をつくアスリート

激しい運動の後はより多くの酸素を取り込もうと口呼吸になってしまう

鼻と口の大きさは全く違うため、酸素がしっかり必要なときは大きく口を開けて吸った方が自然です。特に運動時には肩が上下し、口を大きく開けてハーハーと息をすることも多くなりますが、これは運動強度の高さによっては鼻呼吸でまかなえる酸素摂取量では足りず、口呼吸をしてより多くの酸素を体に取り入れようとするためです。

マスクをつけて運動をすると、口呼吸でも息苦しさを感じることがあると思います。周囲に人がいない場合はマスクを外して運動、呼吸を行うようにしましょう。息苦しさが落ち着くまでは口呼吸で酸素を取り込み、呼吸が整ってきたらゆっくりと深呼吸するように鼻から空気を取り入れて、口から吐くことを繰り返すようにしましょう。鼻呼吸によって副交感神経が刺激され、次第に息苦しさが解消されるようになります。

マスク生活が長引くほど口元への意識は薄れがちですが、マスクの中でも口元を少し上げるように意識すると、鼻の穴が左右に拡がって鼻呼吸がしやすくなります。鼻呼吸のメリット、口呼吸のデメリットを理解して、マスクの中でも笑顔を心がけてみましょう。
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