トンガリロ国立公園
標高1,967mのトンガリロ山頂付近にあるエメラルド・レイク。温泉が湧き出しているために、真冬、一面の雪景色の中でも凍ることがない
ルアペフ、ナウルホエ、トンガリロという3つの活火山を中心に広がる国立公園。コースのあちらこちらから噴煙が立ち昇り、鉱泉が溶け込んで不思議な色彩を見せるエメラルド・レイクやブルー・レイク、異様な色の岩石が集まったレッド・クレーターなど、非日常の景観が広がっている。驚異的な景観から先住民マオリは聖地として崇めており、首長は代々トンガリロ山に葬られた。その文化的意義から文化遺産としても認められ、複合遺産として登録されている。
ハワイ火山国立公園
火の女神ペレが住むといわれるキラウエア火山のハレマウマウ火口。ハワイアンたちはここに踊りやレイなどを捧げて、神に祈る
マグマが噴き上げるホットスポット上に位置するハワイ諸島。諸島最大であるハワイ島は火山によってできた島で、標高は4,000m強ながら海底から測ると山頂まで10,000mを超え、世界最大規模の火山島となる。ハワイ島で現在もっとも活発に活動しているのが標高1,247mのキラウエア火山で、同じく活火山で標高4,169mを誇るマウナ・ロアの一部と合わせた地域が世界遺産に登録されている。ハワイの溶岩は遅く、コースも定まっていることから、火山の様子をかなり近距離から観察できる。
ニューカレドニアのラグーン:リーフの多様性とその生態系
遠浅なウベア島のビーチ。ニューカレドニアは森村桂の旅行記『天国にいちばん近い島』の舞台で、1984年には大林宣彦監督、原田知世主演で映画化された
全長1,500kmともいわれるニューカレドニア島(グランド・テル)とロワイヨテ諸島にまたがるニューカレドニア・バリア・リーフ。2008年、その約6割が世界遺産に登録された。ニューカレドニア島はもともとゴンドワナ大陸の一部だったが、約1億年前にオーストラリア大陸と、5,000万年前にニュージーランドと分かれており、ゴンドワナ時代から独自の進化を遂げた数々の固有種や、広大なサンゴ礁をすみかとする極めて多種類の生物が生息している。
ラパ・ヌイ国立公園
アフ・ナウナウのモアイ。頭の上に置かれているのは「プカオ」と呼ばれる石で、かつてすべてのモアイにプカオがかぶせられ、また目が入れられていた ©牧哲雄
1722年のイースターの日にオランダのロゲフェーンが「発見」したが、その際住民の生活には文明の影さえなかったという。しかし、島には最大で高さ20m、重さ200tにもなるモアイが900体以上もあった。鉄も車輪も持たない人々にどうしてこんなものが築けたのか様々な憶測を生み、世紀のミステリーとして知られることになった。現在ではモアイが16~17世紀前後に造られ、やがて島民の間で大戦争が起きて滅亡したのではないかと考えられている。
紹介記事はこちら>>イースター島 ラパ・ヌイ国立公園/チリ