「良くない呼吸」で体が緊張状態に……呼吸と健康の関係性
呼吸は誰に教えられるものでもなく自然に身についているものですが…
特に呼吸を支える主な筋肉である横隔膜は上下に動くことで呼吸をコントロールしますが、緊張やストレスなどによって横隔膜がしっかり下がらなくなると、息を十分に吐けなくなったりします。息を十分に吐けない呼吸では、どうしても息を吸う時間が長くなってしまい、自律神経の一つである交感神経が優位に働いて体がさらに「緊張状態」となってしまいます。
自律神経は交感神経(アクセル)と副交感神経(ブレーキ)によって制御されていますが、常にアクセルをオンにした状態は、刺激に対して過敏に反応するため、痛みを感じやすくなります。毎回呼吸をすることによって「痛みを感じやすい」体に近づいているとしたら……見直すものはまず呼吸ということになります。特に慢性的な痛みに悩まされている人はまずしっかりと息を吐くことから呼吸を見直してみましょう。
自然な呼吸はできている? 簡単セルフチェック法
うまく息を吐くことができているかチェックしてみよう
■セルフチェックのポイント
- 肋骨がボコッと張り出した状態になっていないか
- 頭が前方に突き出たような姿勢になっていないか
正しい呼吸法の第一歩! 息の吐き方を見直すエクササイズ
壁の取っ手などを使って広背筋をストレッチすると横隔膜が動きやすくなる
広背筋のストレッチは立位でドアノブなどを使って腕を前方に伸ばし、そこから背中を丸めるようにして広背筋を伸ばすように呼吸を繰り返します。肩後方部から脇にかけて息を吐くたびに外壁がポロポロとこぼれるようなストレッチ感が得られると思います。
またもっと手軽にできるものとしては風船をふくらませることです。ポイントとしては息を吐ききったときに風船の口を指や手、歯などでおさえないこと。吸うときは肩をすくめたりしないようにすることです。実際にやってみると簡単そうにみえて意外とむずかしく、息を吐き切れていなかった事実に驚かされます。
体調を整えるためにも呼吸に着目し、息を吐くことを意識してこうしたエクササイズも取り入れてみてくださいね。