老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。今回は、60歳以降も、会社員として働くことを考えているものの、給与が以前より安くなると、将来受け取れる年金額が減ってしまうのかどうかについてです。
 

Q:給与が半分になります。給与の平均値が下がると将来の年金も減る?

「私は今までずっと会社員で、60歳以降もどこかの会社で働きたいと思います。ただ、以前よりも給与は半分ぐらいになってしまうと思います。給料の平均値が下がると、もらえる年金も減ると聞いたので、心配です」(会社員・男性)
 

A:60歳以降働けば、給与が安くても、将来受け取れる年金は増える

相談者は「給料の平均値」が下がると将来受け取れる年金も下がると誤解されているようです。60歳以降に給与が激減したとしても、長く働いた分、将来受け取れる年金額は増えますので安心してください。年金のしくみを知っておくことは非常に大切だと思います。

まずは、老齢厚生年金額の計算式とは原則以下のようになっています(生年月日が昭和21年4月2日以降の場合)。

【1】平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数
【2】平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数

受け取れる老齢厚生年金額は【1】+【2】の合計額となります。

【1】は平成15年3月までの話ですので、これから働き続けても変動はありません。【2】がどのように変動するのか、がポイントになります。
 
【2】の計算式をみてみますと、「平均標準報酬額」と「平成15年4月以降の被保険者期間の月数」が変動すると、老齢厚生年金額に影響があることがわかります。
 
※「平均標準報酬額」とは、平成15年4月以後の被保険者期間の各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で除して得た額となります。
 
仮に、60歳以降は働かなかった場合として、「平均標準報酬額」が40万円、「平成15年4月以降の被保険者期間の月数が480カ月だとします。この場合、【2】の老齢厚生年金額は、105万2352円(40万円×5.481/1000×480カ月)となります。
 
そこで、毎月20万円で65歳まで5年間働いたとすると、「平均標準報酬額」は約37万7778円【(40万円×480カ月+20万円×60カ月)÷540カ月】となり、60歳以降働かない場合の40万円と比べて、2万2222円減少してしまいます。
 
一方、「平成15年4月以降の被保険者期間の月数」は、540カ月となり、60カ月増えますので、結果として、【2】の老齢厚生年金額は、トータルで約111万8124円(37万7778円×5.481/1000×540カ月)となり、60歳以降に働かなかった場合と比べて、6万5772円増えたことがわかりますよね。

厚生年金に長く加入することで、「平均標準報酬額」が低くなっても、月数が多くなるので、年金の総額は増えるということです。
 
60歳以降も厚生年金に加入し続けた場合には、厚生年金保険料の負担もありますので、ねんきんネットなどを活用するなど、将来のライフプランに基づく将来資金計画を作成し、慎重に検討してみることをおすすめします。

※年金プチ相談コーナーに取り上げて欲しい質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

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