ドーピングとは? スポーツの世界のアンチ・ドーピング活動
スポーツの世界で禁止されているドーピングとは? サプリや栄養剤にも注意が必要です
「ドーピングの禁止」は、正式種目に参加するトップアスリートにだけ求められるものと思っている人が多いかもしれませんが、実はスポーツを行う人すべてにドーピング行為を行わないことが求められており、これを「アンチ・ドーピング活動」といいます。ドーピングが禁止されている理由と、うっかりドーピング行為になってしまうケースと注意点について、わかりやすく解説します。
ドーピングが禁止されている3つの主な理由
ドーピングをしてはいけない理由として、以下の3点が挙げられます。- フェアなスポーツ精神に反し、スポーツの価値を損ねる
- 選手の健康を害する
- 社会的に悪影響をもたらす
薬やさまざまな方法を使って不自然に競技力を上げている選手がいると、公正な競技結果は生まれません。これはアマチュアの大会や学生を対象にした試合などでも同様です。ドーピング行為が起こると、勝負を決するスポーツの価値そのものを損ねることになってしまいます。
さらにはドーピングによって使用した人自身の健康を損なうリスクがあること、また薬などへの抵抗感が減ることによって、将来的に麻薬や覚醒剤に対する抵抗感も減るのではないかといったことも問題として挙げられています。
そしてこれは故意的かどうかに関わらないという点も理解しておきましょう。知らずにうっかり摂取してしまったもので、ドーピングととらえられてしまうことがあるのです。
うっかりドーピングの危険も!? 医薬品・食品の成分表示の違いに注意
ドリンク剤を多飲するとカフェインの摂りすぎになることも
例えば多くの栄養剤に含まれているカフェインは、使用禁止物質ではないものの、薬物監視リストとして現在も注意喚起されている成分の一つです。過度に摂取すると不眠や頭痛、下痢、不安感やイライラ等、さまざまな副作用をもたらすことが考えられます。
栄養剤やサプリは必要性を見極めて! 大切なのは基本の食生活
特に成長期にある子どもたちは、スポーツに励む場合でも、安易に栄養剤などをとることはなるべく避けるようにし、バランスの良い食事を心がけることで疲労回復をはかるようにしましょう。ドーピング検査の有無に限らず、必要な栄養素は食事からとることが基本です。また、現在とっている栄養剤やサプリメントの補助食品があれば、それが自分にとって本当に必要なものかを見直すことも大切です。ドーピングはスポーツの不公平さをもたらし、競技をする人だけでなく、観戦する人、応援する人など多くの人を裏切る行為でもあります。体にも、社会的にも悪影響を及ぼすことを考えると、ドーピングにつながるような行動を避け、運動やスポーツの価値を高められるように一人ひとりが心がけていきましょう。
■参考
- アンチ・ドーピングとは(JADA 公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構)