授業の持久走で死亡者も……マスクとの因果関係不明でも不安

マスクをする女子生徒

日常生活においてもマスク着用はスタンダードになっている

新型コロナウイルスを始め、感染症対策にマスク着用が有効であることは最新の研究論文などでも明らかになっています。スポーツ活動においてもマスク着用を推奨する傾向がみられますが、スポーツ活動中にマスクを着用していた生徒が、授業中に倒れて亡くなるという痛ましい事故も報じられました(※1)。この死亡事故については、マスクとの因果関係は現時点で明らかになっていませんが、持病のない健康な子どもの死亡事故に不安を感じられた方は少なくないのではないかと思います。

日常生活でも、マスク着用時に息苦しさを感じることはあるでしょう。スポーツ庁は「学校の体育の授業におけるマスクの着用は必要ではない」と明言しています(※2)。今回はスポーツ活動時にマスクを着用するリスクと注意点について考えてみたいと思います。
 

運動時のマスク着用のリスク・デメリット

マスク着用で外遊びをする子供たち

マスクを着けての外遊びや運動。子どもは大人よりも口呼吸に頼ることが多いため、注意が必要です

運動時のマスク着用のデメリットやリスクとして、大きく以下の2つが挙げられます。

■運動で負荷がかかっても、必要な酸素を取り込みづらい
日常生活の中でも、マスク着用時はマスクを外している時に比べて息苦しさを感じる方が多いと思います。マスクはウイルスが鼻や口から入らないようにすることが本来の目的ですが、鼻や口を覆うことで外気との空気交換においても十分ではなくなる可能性があります。スポーツ活動時は体力的な負荷がかかり、呼吸数も多くなり、さらに口呼吸になる傾向が見られます。マスクをつけていると運動時に必要な酸素が体内に取り込まれにくく、さらに息苦しくなり、体に悪影響を及ぼすことが考えられます。

■暑い季節のマスクは熱中症リスクを上げる
暑い時期は特に熱中症に注意が必要です。体から熱を放散するためには汗をかき、皮膚の血管をひろげて血流を良くすることが大切ですが、呼吸によっても熱が発散されていることが知られています。ところがマスクで口を覆われていると、呼吸による熱の発散がしづらくなってしまうことがあります。

また、口の渇きを感じにくくなることで、水分・塩分補給が不十分となることも指摘されています。そのまま運動を続けてしまうと体は脱水傾向になり、熱中症を引き起こすリスクが高まります。また子どもは大人よりも口呼吸にたよる傾向があり、呼吸数も多いため、マスクで口呼吸しにくい状態でスポーツ活動を行うことは大人以上に危ない行為であるといえます。
 

スポーツ庁の見解に見るコロナ禍の運動の楽しみ方

スポーツ庁は、スポーツ活動時のマスク着用について、以下のように明記しています。
  • 基本的な感染対策(換気、手指消毒など)を怠らない
  • 生徒同士の距離をとる(2m目安)
  • マスクの着用を希望する場合は医療用マスクではなく、家庭用マスクを着用する
  • 屋内で活動する場合は、呼気が激しくなるような運動を行うことは避ける
  • 先生は基本的に話をするときはマスク着用、自身がデモなどを行う際は外してもよい

人が近くにいない状況であればマスク着用は必須ではなく、運動強度によって判断することは問題ないと考えられます。

スポーツ活動時でのマスク着用のリスクを理解し、体に負担がかからないように注意しながら、スポーツ活動を楽しんで欲しいと思います。


■参考
※1 持久走後に小5男児死亡 体育授業、マスク着用か(時事ドットコムニュース)
※2 学校の体育の授業におけるマスク着用の必要性について(スポーツ庁)

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