モバイル向けの「Microsoft Officeアプリ」とは
マイクロソフトが提供しているモバイル向けの「Microsoft Officeアプリ」。どんなアプリなのでしょうか?
今回紹介する「Microsoft Officeアプリ」(以下、「Officeアプリ」)は、このOfficeをスマートフォンやタブレットで利用するアプリです。iOS版とAndroid版が用意されていて、Officeを利用しているユーザーであれば、AppStoreやGoogle Playで無料でインストールできます。
▼Microsoft Officeアプリ。画面はiPhoneです。 なお、利用するためには、Officeに登録してあるMicrosoftアカウントが必要です。同じMicrosoftアカウントを使うことで、パソコンやスマートフォン、タブレットなど端末が異なっても、常に同じファイルを扱えるようになります。
Officeアプリの特徴は、1つのアプリでWord、Excel、PowerPointなどのファイルを表示・編集できることです。iOSやAndroidには、WordやExcelの専用アプリも用意されていますが、これらのアプリがインストールされていなくても大丈夫です。
これはストレージ容量の小さい端末を使っている人には朗報でしょう。もし、WordやExceなどの専用アプリをインストールしているなら、Officeアプリを入れた後、アンインストールしても問題ありません。
では、このOfficeアプリ、どれくらい“使える”のでしょうか? スマホやタブレットは画面が小さいし、タッチ操作なので、パソコンのようには使えないのでは……。多くの人はそう思うでしょう。
しかし、必ずしもそうではありません。確かに、ずっとパソコンの前に座っている筆者のような人にとっては、WindowsやMacのWordやExcelの方が圧倒的に使いやすいのは確かです。しかし、利用する場所や使い方、目的によっては、パソコン用のOfficeにはできないことを可能にする高い実力を持っているのです。
たとえばOfficeアプリなら、片手でファイルを閲覧できます。電車で取引先に向かっているとき、先方に提出するPowerPointの資料を片手でチェックする……なんてことが簡単にできるのです。
もちろん、できることはまだまだあります。以降では、筆者のiPhoneの画面で、その一端をご紹介します。なお、筆者はMicrosoft 365(旧Office 365)を利用しています。
編集したOfficeファイルが一目瞭然
Officeアプリを起動した直後に表示されるのが「ホーム画面」です。ここには、最近、パソコンなどのOfficeで編集してOneDriveに保存したOfficeファイルが一覧表示されます。ファイルをタップすれば、ファイルが読み込まれて編集できます。右上の[フィルター]アイコンをタップすると、表示するファイルを絞り込むこともできます。初期設定ではすべてのファイルが表示されますが、WordファイルやExcelファイルだけにすることも可能です。
また、複数のOneDriveのアカウントを持っている場合は、OndDriveを切り替えて、その中身を表示することも可能です。
▼Officeアプリのホーム画面では、最近編集してOneDriveに保存したOfficeファイルが一覧表示されます。 ▼ファイルをタップすると、編集できる状態になります。 ▼右上の[フィルター]をタップすると、特定のファイルだけを絞り込めます。 ▼OneDriveを指定して、その中のフォルダやファイルを確認することも可能です。
新しいOfficeファイルも作れる
Officeアプリは、WordやExcelの新しいファイルを作ることもできます。たとえば、Wordの新規ファイルを作成するなら、次のように操作します。▼中央真下にある[+]をタップします。 ▼[Word]をタップします。 ▼作成方法が表示されるので、ここでは[白紙の文書]をタップします。 ▼白紙のWord文書が作成されて、文章を入力できる状態になります。 ExcelやPowerPointでも同様です。なお、白紙の文書だけでなく、テンプレートから作ったり、カメラで紙の資料をスキャンして、文字を抽出して作ったりする方法も用意されています。
さらにWordの場合は、しゃべった音声をそのままテキスト化して文書を作成する「ディクテーション」という機能も用意されています。
「メモ」と「レンズ」
[+]をタップすると表示されるメニューには、「メモ」と「レンズ」というアイコンも用意されています。「メモ」は、文字通りメモをとるツールです。キーボードを使って文字を入力してもかまいませんし、カメラのアイコンをタップしてカメラに切り替え、撮影した画像をメモとして残すこともできます。なお、ここで記録したメモは、同じMicrosoftアカウントで利用しているWindows 10の「付箋アプリ」と連携しています。つまり、スマホのOfficeアプリでどんどメモをとれば、それをWindows 10の「付箋アプリ」で確認したり、資料作成の素材として活用したりできます。
「レンズ」は、紙の文書や手書きのメモなどを撮影して、そこからWord文書やPDFを作成できるツールです。たとえば、会議や授業で板書したホワイトボードを撮影すれば、そこに書かれている文字を認識してメモとして残すことができます。斜めから撮影しても自動的に補正できるなど、非常に多機能なツールとなっています。
▼[+]をタップすると「メモ」と「レンズ」というアイコンが表示されます。 ▼[メモ]をタップすると、メモを入力できます。[カメラ]のアイコンをタップしてカメラに切り替え、撮影した画像をメモとして残すこともできます。 ▼[レンズ]をタップすると、紙文書やホワイトボードなどを撮影できます。赤い枠で囲まれた範囲が撮影されます。 ▼斜めに撮影しても自動的に補正されます。
画像からExcelの表、PDFからWord文書に変換する機能も
ホーム画面の[操作]をタップすると、Officeアプリでできることがズラリと表示されます。たとえば[画像から表へ]は、紙の資料や手書きで書かれた表を撮影し、Excelの表に変換する機能です。その他にも、PDFをWord文書に変換したり、PDFに署名したり……等々、いろいろなことができるのが分かると思います。
▼ホーム画面で[操作]をタップしました。Officeアプリでできることが表示されます。
読み取り精度は……
今回の記事を作成するにあたっては、画像の表をExcelの表に変換する機能などを、いろいろと試してみました。結果から書くと、読み取り精度はまだまだ問題が多いなぁというのが、正直な感想です。たとえば、次は手書きの表を撮影して、Excelの表に変換した結果です。うーん、これくらいは認識してもらいたかった、というのが正直なところ。
▼[画像から表へ]を選択したあと、手書きの表を撮影します。 ▼このように認識されました。残念ながら、十分認識されたとはいえないですね…… とはいえ、Officeアプリには、パソコン用のOffceを補完する便利な機能がたくさん用意されています。特に屋外でどんどんメモをとったり、Officeファイルを確認したりするのにはとても便利です。
まずはインストールしてみて、いろいろな機能を試してみることをおすすめします。
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