東京五輪は海外で話題になっているのか

東京五輪開催まで約2カ月となりました。新型コロナウイルス感染拡大の恐れから、東京五輪開催の是非についてのニュースが連日報道されています。

共同通信社が5月15~16日に実施した最新調査(※)では、東京五輪・パラリンピック開催について「観客数を制限して開催」が12.6%、「無観客で開催」が25.2%、「中止すべきだ」が59.7%と、約半数以上が中止すべきとの意向を示していることが分かりました。※有効回答者数:固定電話542人、携帯電話523人

それでは、日本以外の海外に住む人々は東京五輪に対してどのような意見を持っているのでしょうか。Twitterのトレンドから、東京五輪に対する海外の論調を調査してみました。
 

東京五輪関連のツイート数

「#tokyo olympics」とハッシュタグをつけて英語のツイートのみを検索したところ、2021年5月14日のツイート数は47件でした。比較して「#東京オリンピック」と日本語で検索したところ、結果は140件でした。

この結果をもって、東京五輪が世界で注目されていないと決めつけることはできませんが、日本のツイートはコロナに絡めたツイートがほとんどであるのに対し、海外のツイートはコロナに関係のない、応援や期待の意味でのツイートの方が多いという印象を受けました。ただしそのようなツイートは企業・団体からのものが多く、個人によるツイートは少なく思われます。

また、五輪とコロナに関係するツイートであっても、日本のツイートは個人の意見や所感を述べる内容が多いのに対し、海外のツイートは海外のニュースサイト(主に日本のニュースサイト)をRT(リツイート)するものが多いといった印象です。当然のことですが、開催当事国である日本とそうではない海外との意識と情報の差が垣間見られます。
 

どんな内容のツイートがされている?

さらに、東京五輪に関する過去の海外のツイートをいいね数100件以上に限定して検索し、どのような意見に注目が集まっているか調査しました。その中でも企業や団体によるツイートは除き、個人によるツイートに絞ったところ、以下のようにどうしてもコロナに関する投稿が目立ちます。

“東京の病院が窓に「医療は限界」「五輪は無理」とメッセージを掲げている。病院は東京五輪が感染拡大の源になることを恐れている”
 
“待って、五輪やる気? なんて恐ろしいことを考えるんだ”
 
“ワクチン接種率2%未満の日本で東京五輪開催への反対運動。2%はタイプミスじゃない”
 
“大阪で重症者用病床がほぼ満杯。五輪まで後70日だよ?”
 
“日本は五輪のボランティアを守ろうとしてない。ボランティアのためのワクチン対策をやる気がない”
 
“日本政府は非公式に五輪を中止せざるを得ないと判断した。次の焦点は2032年に五輪を開催することだ”
 

東京五輪開催反対の意見をより詳しく見るために「#olympics cancellation (五輪中止) と検索したところ以下のようなツイートがされていました。

 
“五輪に多額の投資をしてきたことは理解できるけど、アスリートに公平なチャンスを与えられるの? 国によっては選考が中止になった人や十分に練習できない人もいるのに”
 
 “五輪が国益を損なう可能性があるなら日本のリーダーはIOCに次の略奪先を探すように伝えるべきだ。中止は大変だけど人命のためでもある”
 
“中止を決めないなんて日本は馬鹿だ。安全になってから開催すればいいのに”
 

また、ロンドン五輪の前責任者が東京五輪開催について不可能だろうと述べたところ、Twitter上でこの意見に対するアンケートがとられ、以下のような結果がツイートされていました(2月24日時点のツイート)。

中止賛成 47.1%
中止反対 52.9%

 

東京五輪に期待するツイートも

もちろんネガティブなツイートだけではなく、東京五輪開催を楽しみにしている海外ユーザーのツイートも見受けられます。

“長年の夢が叶いました。国の代表として東京五輪に行けることになりました!”
 
“五輪代表チームには頑張ってほしい!”

このような自国の代表チームを応援するツイートや、アスリート自身のツイートもされています。ただ、海外からの観客の受け入れを断念することが決定されているためか、実際に現地での応援や日本旅行を楽しみにするというツイートは見受けられませんでした。海外の人はテレビで観戦するしかないため、一般の人はそこまで東京五輪に関心がないというのが実情ではないでしょうか。
 

東京五輪に関する政治的関心はコロナだけではない

日本では五輪関連のツイートはどうしても新型コロナに関するものが目立ちますが、海外ではコロナ以外の政治的なツイートも見受けられます。例えば以下のようなハッシュタグが五輪と併せてツイートされていました。

#SaveWomensSports!
性同一性障害の女性(男性として生まれ、女性としての性自認を有する人)による女性としての競技参加の権利を主張する運動。

#BLM
Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)と呼ばれる、アフリカ系アメリカ人に対する警察の残虐行為をきっかけにアメリカで始まった人種差別抗議運動。

#NoBeijing2022 
ウイグル自治区における人権抑圧に抗議するために、2022年の冬季北京五輪をボイコットしようとする運動。

基本的に五輪は政治的な主張を禁止していますが、このような社会の変革を目指す運動と切っては切れない関係にあるのが事実です。

 

まとめ

このようにTwitterにおける東京五輪関連の投稿を調査しましたが、ソーシャルメディアの性質上、現状に異議や不満のある人が声を上げることが多いため、どうしても東京五輪開催反対の意見が目立つということに注意しなければなりません。五輪開催に反対していない人はあえてツイートをする必要がないからです。

それを踏まえた上で、日本のツイートでは東京五輪の開催を危ぶむケースが多いのに対し、海外のツイートでは観客として日本に行くわけでもないので、当事者意識が薄いという印象でした。政治的な関心についても、コロナだけが関心事ではないことが分かりました。

そもそも当事者である日本自体がコロナによって盛り上がりに欠ける以上、海外で盛り上がらないのは致し方ないことと言えます。
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