「“普通”に洗っただけなのに……」失敗した原因は?

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近年よく耳にする家事のお悩みのひとつに、

××(ファストファッションブランド)で買った服を洗濯したら、縮んだ/ヨレヨレになった/色が変わってしまった

というものがあります。

「××が安いからこうなったのでは?」と考えられているようなのですが、どう洗濯したのか訊くと、「普通に洗濯した」。

おそらく。洗濯失敗の原因はその「普通」にあります。

 

普通の洗濯用洗剤は「弱アルカリ性」です

ところで、

いわゆる「普通の」洗濯用洗剤の液性は「弱アルカリ性」であることはご存知ですか?

「洗浄力」「汚れ落ち」「白くなる」「臭わない」

などの能力を謳う(よくある)商品群で、液体、濃縮液体、粉末など種類豊富にあります。おそらく「弱アルカリ性」洗剤は洗濯をしているなら家に必ずあるはずです。
アタック

“普通”の洗剤の代表格「アタック高活性バイオEX」(花王)の液性表示は弱アルカリ性

この「普通の」洗剤の主目的は、洗濯物(衣類やタオル)からできるだけ汚れを引き剥がすことにあります。汚れは皮脂や垢、分泌物、泥、食べこぼしなど脂やたんぱく質といった厄介な性質のものを主とし、それらの落とし残しを餌にして増えてしまう細菌の繁殖を抑える(いわゆる部屋干し臭の予防の)ため「除菌」効果も声高に叫ばれているのが昨今だったりします。

 

「よそ行き」「おしゃれ着」ってどんな服?

しかし、この「普通の」洗剤、何でもかんでも洗ってしまえるわけではありません。Tシャツ、パンツ、体育着、体育用ジャージ、タオル……だいたい「綿」「ポリエステル」といった素材でできていて、ヘビーに使う、汚れが付きやすい衣類の洗濯をするにはこれでいいです。

でも下着の上に着るプルオーバー、ブラウス、シャツ、ニット……といった類の服では、「色が褪せたり」「形が変わってしまったり」「シワくちゃになってしまったり」することが少なからず生じます。主に大人の服(通勤やお出かけに着用するような下着以外の服で、家庭で洗えるもの)はこの「弱アルカリ性洗剤」で洗濯する想定ではないからです。

ではそういう服は何で洗えばいいのでしょう? それは「おしゃれ着用洗剤」ともいわれる「中性」の洗濯用洗剤です。

とはいえ「おしゃれ着」ってそもそも何?という場合は、以下のように自分が希望する服すべてと考えるといいでしょう。

・シワだらけにしたくない
・色落ち、変色を避けたい
・伸びたり縮んだり変形させたくない
・(値段が)高かった


なかでもとても高価だったり、ウールやカシミアなど「水」を使った洗濯をしないほうが無難な材質、できるかぎり洗濯を失敗したくないおしゃれ着については洗濯のプロであるクリーニング店に持ち込むのが無難でしょう。失敗の確率が格段に低くなるからです(それでも100%ではないのが洗濯というものですが)。

たとえ「Tシャツ」「ジャージ」であっても、自分にとって「おしゃれ着」であれば「おしゃれ着洗い」をすべきだといえるでしょう。

 

やってはいけない洗い方

洗剤の選び方ともう一つ、洗濯を失敗しないために無視できないのは「洗濯機の使い方」になります。

「洗濯機なんて、服を入れてスイッチを押せば済むもの」

だと思っていると間違えます。洗濯物の種類に合わせて洗い方を変えなければシワ、色落ち、変形などは避けられないからです。

特に普通の(下着等の)洗濯、おしゃれ着のそれとともにやってはいけない洗い方があるので注意してください。

それは、

・洗濯物をめいっぱい洗濯槽に詰め込んで洗う(洗濯槽を汚れ物入れとして使う)
・洗剤を多め多めに入れる
・柔軟剤も多め多めに入れる


どうも、洗濯を失敗しがちな方ほど「良かれ」と思って洗剤、柔軟剤共にたくさん入れてしまう傾向があるようなのですが、これをしてしまうと、

・汚れが適切に落ちない
・洗剤や柔軟剤のすすぎ残りが多量


になり、干した洗濯物が、

・臭くなる
・カビる


原因になります。

またもう一点、

・脱水がゆるい=シワになりにくい

という側面があり、おしゃれ着洗いに適している一方、

・脱水がゆるい=乾きにくい=臭くなりやすい

というメカニズムは覚えておいたほうがいいでしょう。「乾きにくい」というのは、濡れた洗濯物のなかで細菌が繁殖してしまいやすいということ。手洗いした下着がゾウキン臭くなってしまった、というようなお悩みも「あるある」ですが、干す前に乾いたバスタオルに挟んでネットに入れ、脱水に1分ほどかけるだけでもだいぶ水分が抜けるので、頭の片隅に入れておいてください。

 

正しい洗濯情報は更新されている

「洗濯」に限らずですが、家事というのは家のなかで行われていることだけに、他人のしているやり方を改めて学ぶ機会というのがあまりありません。

・柔軟剤を入れる、入れない
・何と何を一緒に洗う、洗わない

という判断なども、個々の育ってきた環境での家事のやり方、親などのこだわりが反映されていることが多く、やや微妙なニュアンスでの「多様性」があるものです。しかもそれはどこかのタイミングで固着化し、新しい洗剤や洗濯機の機能などを無にしてしまう傾向があります。

衣類の繊維なども昔は存在しなかった素材が今では当たり前に着られていたり、それらに合わせた洗剤の内容も刻々と変化(進化)しています。

時代に応じて洗濯の「正解」も更新されています。

「普通」という思い込みを外して情報収集することで、生活の不快は減らすことができるのです。

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