2位『英国王のスピーチ』
アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞(コリン・ファース)などを受賞した作品。吃音に悩んでいた英国のジョージ6世が第二次世界大戦でのスピーチを成功させるまでを描く。ジョージ6世に即位する前のアルバート王子は、吃音がコンプレックス。言語聴覚士と共に、二人三脚でスピーチのレッスンを繰り返しますが、なかなか上達せず……。そんな中、アルバートの兄デビッドがエドワード8世に即位しますが、女性関係のスキャンダルで退位することに。よって、アルバートが英国王になり、世界大戦が始まるとき、英国王としての演説を行うのですが……。
挫折やコンプレックスを克服するために努力を重ねる国王の姿は胸に迫ります。吃音のせいでスピーチが苦手であることは共感できますし、しかも国王として国民に聞かせるスピーチなんて、仕事のプレゼンとかとは比べ物にならない、想像するだけで震える超特大プレッシャーですからね。
コンプレックスの克服は、やはり努力の積み重ねが大事ですが、メンタルの影響も大きい。アルバートは努力を重ねた上に「国民のために今、自分が立ち上がるときだ!」という使命感もありました。国王が努力でコンプレックスを克服する姿は感動的です。
1位:『ドリーム』
NASAの研究所で働く3人の黒人女性が差別を実力で押しのけて、自分が望むキャリアを築く姿を描いた実話ベースの大ヒット作です。NASAの研究所で計算担当として働いていた黒人のキャサリンとドロシー。研究所のトイレは白人専用で、黒人は外トイレに行かなくてはならないなど、差別的な扱いを受けていました。また同僚のメアリーはエンジニアを目指しますが、黒人女性のエンジニアはいません。
それでも目の前の仕事をしっかりこなしてきた3人。やがて差別に声をあげて改善を要求し、実力も認められて、キャリアの転機を得ることになるのです。
1960年代、黒人女性は、どんなに有能でも出世はおろか、職場でも差別による我慢を強いられていました。キャサリンたちは理系女子の走りで、すごく才能があったけれど、いいように使われていたのです。
でも心ある人はキャサリンたちを見て「彼女たちはこんなもんじゃない」と分かるんですよね。腐らずに懸命に仕事に邁進し、思い切って声をあげたことで、事態を好転させた3人。本当に観る者に勇気とやる気を与えてくれる映画で、観終わった後の爽快感はハンパありません!