偏見を持たれやすい個人事情を面接官に説明する時のコツ

過去の転職理由を説明する時のコツは

過去の転職理由を説明する時のコツは

転職歴が多い人が新たな転職活動をする際、面接官から過去の転職理由を聞かれることほどストレスに感じることはないだろう。

転職には、キャリアアップを望んで転職した場合もあれば、仕事や会社の雰囲気が合わなかった、もしくは業績不振で仕事がなくなり、会社に留まれる状況がなくなった場合もある。さらに、運が悪く上司や同僚からパワハラやセクハラの被害にあってしまったケースなど、人それぞれの事情があるものだ。

ただし、それらの出来事が理由で退職するに至った経緯を、どのようなトーンで、どこまで詳しく面接官に伝えればいいのかといえば、そこは悩みどころである。言い訳をしているように聞こえないためにするにはどうしたらいいのか、愚痴を言ったり、批判をしているように聞こえないようにするにはどうしたらいいのか、説明の難易度は高いと感じるだろう。

相手に丁寧に伝えようとして話が長くなりすぎたりはしないだろうかなど、心配は尽きないものだ。ここで、偏見を持たれやすい個人事情を面接官に説明する時のコツについて簡単に整理しておこう。
 

転職回数の多さが持つポジティブな側面とは

まずは転職回数について。転職回数が多いことを一番気にしているのは、実は面接官以上に自分自身であることが多い。言い換えれば、面接官はあまり気にしていないこともあるにもかかわらず、つい自らが転職の多さを申し開きしてしまうのである。

何回以上の転職回数なら多いとみなされるのか、これは人によってとらえ方は違う。中途採用者の数が多い会社には、転職回数の多い社員も多いことが多く、新卒からの生え抜き社員はむしろ少ない場合もある。

つまり、転職回数が多いことを自覚している人に、最初に意識してほしいことは、転職回数をコンプレックスに思わないことであり、相手から指摘をされていない時から、自らマイナス材料であるかのように、転職理由の申し開きを始めないことが大切である。

自己アピールをするよりも、転職回数が多いことの申し開きに注力してしまっている方を見かけることがあるが、これは少し自分が注意すればすぐに直せる自らの習慣である。

次に、面接官から転職回数の多さを指摘され、その理由の説明をする必要が生じた場合、どのような心持ちで自分の経歴を話せばいいのだろうか。

転職回数の多さを指摘する面接官の中には、防衛的な態度や警戒心が表情や言葉尻に出ている場合もある。逆に、事務的に聞いているだけの場合もある。どちらにしても、転職回数が多いことは悪いことであるという思い込みを払しょくして、本人が説明することが大切だ。

例えば転職回数が5回ある人は、5つの転職理由をその会社を辞めた経緯を含めて詳しく話をするのかといえば、必ずしもそうする必要はない。5回のうち3回は、自分が担当していたプロジェクト終了により、ちょうど仕事の区切りが良かったため、新たなプロジェクトに挑戦できる会社の仕事に挑戦したと説明するのがいいだろう。

残りの2回は、業績不振により、担当部署が人員削減をすることになり、自分は他部署に異動することになったが(例えば営業から経理へ)、自分が専門とするキャリアの継続を希望するため(例えば営業の仕事を続けたい)、新しい会社で営業の仕事に挑戦したと説明できればいい。

この結果、5回の転職理由を2分類し、2回の説明で簡潔に話は済むし、どちらの場合も前向きに新たな挑戦をしているという印象を残すことができるはずだ。

さらに、転職回数が多いことにはポジティブな面もあることを忘れないでほしい。それは転職が実現するだけの業務の専門性や実績があるということであり、いろいろな会社を知っていることでもある。異なる環境の変化への対応ができること、即戦力であることをアピールすることを忘れないことが大切だ。

会社が本来欲しいのは、勤続年数が長い人ではなく(会社に貢献することなく、ただその場にいるだけの人もいるかもしれない)、会社に貢献してくれる即戦力である。
 

勤続年数が短くても、有事や逆境への強さをアピールできることがある

次に勤続年数の短さについて。仕事が中途半端な形で終わることは、会社にとっても社員にとってもいいことは何一つない。

新規事業が軌道に乗らず、計画通りに進まなかったことで、計画途中で業務から撤収することがあるが、その影響は社員個人のキャリアにも影を落とす。勤続年数が短い人、もしくは会社は変わっていなくても、特定の部署で勤続年数が少ない場合、仕事の実績やスキル開発のアピールは弱くなるものだ。

つまり、勤続年数が本来アピールとなるのは、会社に貢献していることが大前提であり、業績もよいから仕事を継続できたという運の良さも伴うケースである。

勤続年数が短い事情は人それぞれ異なるが、上述したような会社都合の要素が強い場合は、自己判断で会社を辞めたり、仕事を継続しなかったのではなかったことについて、こちらも簡潔に説明するべきだろう。

もちろん、自分は悪くないと申し開きを強めることではないから、そこは誤解しないでほしい。あくまでも客観的に、何が起きたのか、そして自分はその環境下でどういう行動をとったか、ようは次善策としてどうしたかを説明すればよいのである。

キャリアのすべてが順調だという人は少ないし、仮に運よく順調だとしても、むしろ何もトラブルに巻き込まれていない人は、かえって有事や逆境に弱いのではないか、会社に貢献できたのは好況下だったからだったのではないかと、むしろ自身の貢献度をディスカウントして見られることもあるかもしれない。一概にキャリアが順調だったことをアピールすればいいかというと、そうでもないのである。

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