「中卒」だと幸せになれない? 学歴社会は終わったというが……
「中卒」でも成功できるのは限られた偉才の人の話?
例えば、大企業の新卒採用では、偏差値の低い学生は説明会にすら参加できないという現実もあります。また、医師のような手に職系の仕事であっても、キャリア形成に学歴が有利に働くことも多いようです。このように学歴があることで“職業選択の幅”が広がり、また、やりたいことへの“近道ができる”という強いメリットがあるといえるでしょう。
しかし、学歴だけが全てではないということも事実です。学歴があっても仕事ができない人はいますし、一方で学歴がなくても成功を収めている人はいます。なぜ、このような差が生まれるのでしょうか?
そこで、ビジネス・スポーツ・芸術など様々な分野で成功を収めている人の特徴をお伝えするとともに、教育の観点から学歴に捉われず成功を収める子に導くために必要な3つの力についてお伝えしていきます。
1. あきらめずにやり続ける力「継続力」
まず、成功を収めている人の特徴として挙げられるのが、あきらめずにやり続ける力「継続力」があるということです。「高学歴」といえばコツコツと勉強する姿を思い浮かべるかもしれませんが、学歴があっても継続力があるとはいい切れません。例えば、素質としては最難関の大学に合格できるものがあったとしても、継続力がないがために、それなりの努力しかできなかったという人もいるはずです(それでも世間的にみれば偏差値の高い大学に進学しているのかもしれません)。そのような人の中には、社会に出て高い壁が目の前に立ちはだかったときに、それを乗り越えようと失敗してもあきらめずに何度も挑戦をするということができない人もいるでしょう。
一方で、学生時代に勉強はあまりしてこなかったが、その他の分野でひとつのことをやり続けた経験をもっている人は、社会でも活躍できる人材であることが多いと思います。例えば、スポーツ。本格的に取り組むほど、体力的にも精神的にも苦しいことや辛いことが多いもの。そのようなタフな環境を乗り越えてきた経験は、必ず社会でも活きるはずです。
みなさんのお子さんにもぜひ、何かひとつのことに継続して取り組む経験をさせてあげてほしいと思います。それが本人の“好き”なことかつ“得意”なことであるのがベストではあると思いますが、それを見つけるのはなかなか難しいでしょう。まずは、「本人がやりたい」ということに取り組ませてあげましょう。ただし、継続することが大切です。もし、本人が「もうやりたくない」と言ってきたり、周囲からみて「得意ではなさそう」と思ったりしても、目標を掲げて達成できるまでは最後までやりきるということも大事だと思います。
2. 先人の習得を短い時間で「まねる力」
次に、成功を収めている人の特徴として挙げられるのが「まねる力」があることです。
「まねる」という言葉を聞くとネガティブな印象を受けるかもしれませんが、何でもまねるということは悪いことではありません(もちろん法を犯してはいけません)。例えば、料理が全くできない人でもレシピさえあれば、一定レベルのものは作れますよね。また、赤ちゃんも親のまねをすることで色々なことを覚えていきます。
それと同じように様々な分野において、まねることにより先人が長い時間をかけて身に付けてきたものを短時間で習得することができます。時間は有限です。まねることで短時間にスキルを身に付けられれば、さらに新たなことにチャレンジできます。
まず、子どもたちに対して「まねることは悪くない」という意識をもってもらうことが大切です。もちろんカンニングのようなズルをすることとは異なることもしっかり理解させましょう。
ただし、まねることは実は簡単ではなく、スキルや努力が必要です。試しに目を閉じて両腕を肩の高さが同じになるように上げてみてください。肩の高さとずれてしまう人も多いのではないでしょうか。これでは、例えばプロ野球選手のスイングなどの複雑な動きをまねしようとしても、そう簡単にはできるようになりません。
自分を客観視することもポイントです。例えば、動画や写真などを使って、まねる対象と自分は何が異なるのかということを分析することもひとつの方法です。また、まねる対象がなぜそうするのかという理由を考えることも大事なポイントです。その理由が分かると、ただまねをするだけでなくそこから応用がきくようになってきます。
3. アウトプットとセットで「学び続ける力」
知識で終わらせるのではなく、アウトプットすることが大切
そして、ただの“知識”として終わらせるのではなく、“行動”に移せていることもポイントではないでしょうか。子どもたちにも、勉強に限らず様々な経験を通して、多くの学びを得てほしいと思います。そして、それをただの知識で留めるだけでなく、アウトプットする場を設けてあげることも、親のみなさんには意識していただきたいです。
「分かる」と「できる」は違います。どんなことでも「できる」ようになるまで、親自身もあきらめずに、子どものことをサポートしていただければと思います。