教育機関へのパソコンの導入は以前から徐々に進んでいましたが、「GIGAスクール構想」とコロナ禍の影響で2020年に一気に導入が進みました。中でも、MM総研が2021年2月に発表した「GIGAスクール構想実現に向けたICT環境整備調査」の結果でGoogleのChromebookがOS別のシェア1位(43.8%)になるなど、各調査結果からもChromebookのシェアが大幅に伸びたことが分かります。

このChromebookとは何か、なぜシェアを獲得できたのか、どのようなユーザーに向いた製品なのか解説します。
 

Chromebookとは

Chromebook

見た目は普通のノートパソコンのChromebook

ChromebookとはGoogleのChrome OSが導入されたノートパソコンで、主にWebブラウザのChromeブラウザを利用するパソコンです。Windowsなどの一般的なパソコンと違い、ソフトのインストールはせずに、Webブラウザ上で利用できるサービスを使うのが基本です。

パソコンのChromeブラウザと同じようにアップデートも自動的に行われ、Googleアカウントでユーザー情報を管理し、OS自体も機能もシンプルなのが特徴です。
 

Chromeブラウザだけで何ができるか

ChromebookはChromeブラウザを使うのが基本で、他のことは何もできなさそうですが、メールはGmailなどのWebベースのもの、各種文書作成はGoogleドキュメント、写真の管理はGoogleフォトなどを利用すれば、パソコンで利用する主要なことは可能です。

もちろん、GoogleのサービスだけでなくMicrosoft 365を使えばWordやExcelも使えますし、Outlook.comのメールも使えます。iPhoneのユーザーならiCloudで写真の管理なども可能です。
当然ながらWebブラウザで使う「All About」のような一般的な各種サイトや、Yahoo!などの様々なサービスもそのまま使えます。

このように多くのサービスはWebブラウザでアクセスできるため、Chromeブラウザしか使えなくてもあまり困りません。

・Androidと同じようにも使える
基本的にはChromeブラウザで利用しますが、AndroidのGoogle Playストアも利用可能で、一部のアプリのインストールも可能です。この機能を活用すれば、一般的なパソコンのようにも使えますが、対応アプリは一部に限られるので、Androidで使っているアプリをそのまま使えるとは限りません。
 

Chromebookが教育市場でシェアを獲得した理由

Chromebook

タブレットとしても使えるChromebook

このようなChromebookの特徴は欧米市場の教育市場で受け入れられており、以前から高いシェアを獲得していました。日本で急激にシェアを伸ばしたのは、この基本的な特徴以外にもいくつかの要因があります。

1. Google Workspace for Educationでのアカウント管理
Googleは教育市場向けにアカウントやメール、各種文書作成のオフィススイート機能なども使えるサービスを基本的に無償で提供しています。

他のOSを使う場合でも、このサービスを利用して教師や生徒のアカウントや文書を管理している場合があり、データもクラウド上にあるためログインするだけですぐに利用可能です。通常はコストと手間のかかる初期設定、別途サーバーを設置しての設定等も不要で、Chromebookを導入すれば簡単に活用可能です。

2. 価格が安い
Chromebookは機能がシンプルなこともあり、パソコンとしての性能が比較的低くても問題なく利用できます。多くの機種はタッチパネル対応で、ペン入力や手書きなども必要とされる教育市場向けに向いています。価格も4万円前後の製品が多く、政府のGIGAスクール構想の1台あたり4.5万円の補助にピッタリはまっています。

3. Chromebook自体の管理が簡単
Chromebookはパソコンなので定期的なアップデートがあり、セキュリティ等の管理も必要です。Chromebookのアップデートは、WindowsパソコンなどでChromeブラウザを使うのと同じように使っている間に自動的にデータがダウンロードされ、次回起動時に自動的にアップデートされます。

アップデート時間も短く、アップデートされたことに気づかない方も多いようです。アップデートしてもWebブラウザベースでサービスを利用するので、ソフトが動かなくなるようなこともありません。普通に使っていれば自動的に最新版にアップデートされるので、各端末を個別に管理するような手間がほとんどありません。

アカウント管理も前述したようにGoogle Workspace for Educationで一括管理できるので、各学校に専門の管理者を配置したり、ややこしい設定を長時間かけて学習する必要もありません。もし端末が故障しても、新しい機種でGoogleアカウントにログインするだけなので、急なトラブルでも予備機種があれば学習を継続できます。

このように様々な特徴や利点がGIGAスクール構想と、コロナ禍の影響で急いでパソコンの導入が必要になった状況にうまくはまったのがChromebookがシェアを大きく伸ばした理由です。
 

個人の利用などにはどうなのか

Chromebookは低コストに大量に端末を導入したく、管理の手間を省き、Webブラウザベースで利用できれば十分な用途には問題ありません。教育市場以外でも、専用のアプリケーションソフトを使わない企業での利用でも、シンプルな管理機能などが適している場合もあります。

それでは個人の利用にはどうでしょうか。

家庭で使う場合、OSが変わると、普段Windowsを使っている方がMacを利用する場合のように、操作の違いに戸惑う事もあります。

ChromebookはChromeブラウザの設定くらいしか項目がなく、普段他のOSを使っている方でも、最低限のパソコンの操作知識があれば違和感なく利用できます。子供用に学校と同じ環境で使わせたい、家庭でも調べ物などでスマートフォンよりも大きな画面で使いたいような場合にも十分活用できます。

より快適に利用できるパフォーマンスが高い高性能なChromebookも販売されています。一般的なノートパソコンと同様に、より薄く軽量で、画面の品質も高く、動作も高速なChromebookは高価になりますが、その分使い勝手も向上します。高価と言っても10万円前後程度なので、ハイエンドのプレミアムパソコンよりはかなりお得です。

とはいえ、一般の家庭等でパソコンを使うには一般的なアプリなどを使う事も多いので、1台目のパソコンとしてはあまり向いていません。家族が限定的に使う用途で、簡単に管理したい場合の2台目、3台目として購入する場合には、Googleのファミリーリンクで管理も可能で、価格もお手頃なのでおすすめです。

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