運動と健康

テレワーク肩こりが増加?自分でできる見直しポイント・改善法

【アスレティックトレーナーが解説】新型コロナウイルス感染拡大により、普及しているテレワーク。その反面、体を動かす機会が減り、仕事に最適化されていない環境でデスクに向かう姿勢などが原因で、肩こりが悪化してしまった人も多いようです。いわゆる「テレワーク肩こり」の予防法・改善法をご紹介します。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

「テレワーク肩こり」とは……在宅勤務の広がりと共に増える肩こりの悩み

テレワーク肩こりの増加

テレワーク肩こりの原因は運動不足と姿勢? 上手に改善するコツは

新型コロナウイルス感染拡大により、国を挙げてテレワークが推奨されるようになりました。通勤で多くの人との接触を避け、時間的な余裕もうまれたテレワークですが、その一方で新たな健康面での問題も浮き彫りになってきました。その一つが肩こりです。

第一三共ヘルスケア株式会社が2020年8月に行ったインターネット調査によると、テレワーク導入後、約3人に2人が体の不調を感じると回答し、そのトップに肩こりが挙げられていました(41.6%)※1。テレワークでは、自宅のリビングやダイニングでパソコンを使って作業していることが多いため、いつの間にか肩こりがひどくなってしまったり、肩が上がりにくくなってしまったりといった悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
 

テレワーク肩こりの原因は「運動不足」と「姿勢」

テレワークによる体への影響はいくつか挙げられますが、最も顕著なものとしては日常的な活動量そのものが減ってしまうことです。通勤をはじめ、さまざまなところに出かけることで自然と歩数が増えるものですが、その機会が大幅に減ってしまったことが、運動不足につながり、筋肉がこわばって肩こりなどの要因になることが考えられます。
 
またもう一つ大きな要因としては、適切ではない姿勢で長時間作業をすることが挙げられます。テレワークの場合、自宅のリビングやダイニングでパソコンを使って作業をする人が多いと思いますが、ダイニングテーブルは本来食事をするためのものであり、オフィスデスクに比べるとその高さがやや低めにつくられていることがその特徴として挙げられます。このようなダイニングテーブルで作業をすると、ノートパソコンの画面やキーボードはオフィスデスクに比べて低い位置となり、どうしても姿勢が前のめりになって背中が丸まりやすくなります。このような姿勢で長時間作業をしていると必然的に肩や腰への負担が大きくなってしまうのです。
 

テレワーク肩こり改善法! 自分でできる姿勢チェックと直し方・ストレッチ

テレワークでの姿勢を改善するためには、背中が丸まらない姿勢となるようにデスクや椅子を調節することがポイントです。座る姿勢としては背骨が本来のS字カーブを保てるように、骨盤を立てることが大切ですが、これを再現するためにクッションや座布団などを椅子の背もたれに挟み込むようにすると、自然と骨盤がニュートラルな位置となり、姿勢改善に役立ちます。また足の長さがあわないときは足元に踏み台などを置くようにすると、膝関節と股関節の屈曲によって骨盤が後ろに傾くことを防ぐことができます。いつもついつい足を組んでしまう……という人にもオススメです。
 
また目線が下になってしまう対策としてはノートパソコンの画面の位置を高くすることが挙げられます。目線が上がると頭が前のめりにならず、背中から肩への負担が軽減されます。外部モニターやノートパソコン専用の置き台などを使用し、外付けのキーボードなどを使って環境を整えると、肩こりの改善にも役立ちます。
 
椅子やデスク周りをなかなか改善できないという場合は、長時間の作業を避け、1時間に一度は立って体を動かすようにしましょう。腕を組んで大きく背伸びをするだけでも、頭の位置が後方よりにシフトしますし、腕を上げられない場合は手を下ろした状態であごを上げて、首の前面や胸の筋肉をストレッチするのもいいでしょう。
 

テレワーク肩こりはこまめな休憩・運動で上手に予防を

オフィスとは違った環境で行うテレワークは、気づかないうちに姿勢が乱れて肩こりを覚えることも少なくありません。デスクの位置や椅子の高さ、姿勢などに気をつけながら、こまめに休憩をとって体を動かすことは肩こり解消に効果が期待できるものです。テレワークそのものが活動量不足になりやすいこともあるので、積極的に体を動かしてリフレッシュする時間をとることも心がけてみてくださいね。
 
■参考
※1 テレワークによる体の不調「テレワーク不調」に関する調査(第一三共ヘルスケア株式会社・PR TIMES)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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