真っ黒な上履きを「白く」する方法
学校生活に欠かせない上履きは、毎日履くうちに多種多様な汚れが蓄積されていきます。春から子どもが上履きデビューするという方から、学期末になって「真っ黒」な状態でやっと持って帰ってきた靴にも効く洗濯術をご紹介します。<目次>
上履きの黒ずみの犯人は、土・水・油分を主とした混合汚れ
上履きは「上靴」ともいわれる通り、室内履きにもかかわらず土など外の汚れも多く、毎日の学校生活の汚れが溜まり「黒ずみ」が落ちにくい悩ましい洗い物です。黒ずみの犯人は土、水、油分を主とした混合汚れ。汚れ具合は人それぞれですが、以下のように多種多様です。■砂やホコリなどの乾いた汚れ
学校の靴箱周辺や校舎間の渡り廊下に溜まった砂やホコリの他、雨の日なら泥や粉じんも混ざり合った汚れが上履きに付着します。
■様々な学校活動による「油分+水分+色素+α」の混合汚れ
上履きの汚れは、図工の絵の具や糊、書道の墨汁、給食汚れ、そしてトイレの飛び散りなど様々な学校活動により、水分・油分・色素などの複雑な混合汚れに変身していきます。
■汗や皮脂とそれが生む足の臭い!
足から発する汗や皮脂はソックスを超えじんわり広がり、上履きの内側の臭いは子どもの足でもあなどれません。
■内側に入り込む砂やホコリなどの混合汚れ
ときどき上履きの中から出てくる砂や小石は、体育や外遊びをした元気の勲章。上履きの中にも固形物が混じりこんでいます。
ひどい汚れに効く、上履き洗いグッズ
上履き洗いに必要な道具は、石けんと古歯ブラシで十分(写真真ん中下のカゴ内)。研磨剤が入っている練り歯磨きやクリームクレンザーも使えます。今回は汚れが酷いため、カゴの外側にある以下のものを使用しました。<上履き洗いの道具>
- 土などの汚れを落とすブラシ
- 洗濯用粉石けん、固形石けんでもOK
- 酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)
- 古歯ブラシ、靴洗い用ブラシなど
ブラッシングが終わった後、筆者が上履き洗いで長年やっている方法は「つけ置き」による時間ワザからのスタートです。
オキシに負けない「つけ置き洗い」
汚れ落としの3つの基本は、「洗剤の力」「ブラシなど道具の力」、そして「時間」です。このうち時間は、つけ置き洗いが効果的。洗剤を汚れ物につけ置く間、染み込んだ洗剤の界面活性作用が繊維の中から汚れを浮かす作業をしてくれ、その後の洗いの時短につながります。■つけ置き液の作り方
色々試したつけ置き液ですが、「粉末の酸素系漂白剤+洗濯洗剤や石けん」をぬるま湯に溶かした洗剤液に落ち着きました。洗剤がよく働く水温40℃前後のぬるま湯の中に上履きを30分~2時間ほどつけ置きます。
今回は粉石けん+粉末の酸素系漂白剤。水温が高いほうが泡立ちも効き目もよくなるため、50℃超えのお湯を入れてかき混ぜました。その後、高温に弱い化学繊維使用の靴のため、水で少し水温を下げてから上履きを投入しました。
ここで我が家の場合、洗剤(石けん)を混ぜているのは、息子の上履きは汚れが酷いから! 汚れを覆った油汚れを緩めてからでないと、その下にある色素を漂白する力が発揮されにくいため、普通の洗剤に漂白剤を加えて強化しています。
染み込んだ色素を落とす漂白剤に「酸素系」を使うのは、「塩素系」では底部のゴムや生地を傷めてしまうため。また「粉末」を使うのは、液体にはほぼ無い界面活性作用があるからです。
ブラッシングは“一方向”に! 石けん液の中でゴシゴシ洗い
アワアワの洗剤液に2時間つけ置きました。その後は生地の目に沿って一方向に掻き出すようにゴシゴシ洗いをします。写真のブラシはフサフサの繊維+とげとげブラシの「レック 激落ちくん W素材の 泡立ち シューズブラシ W-476」。
落ちにくい汚れほど、“一方向に”ブラッシングをしましょう。ブラシを往復すると、行きでブラシに付着した上履きの汚れが、帰り道で戻ってしまうという悲しいループが起こります。上履きの向きを持ち替えて方向を変えながら、一方向のブラッシングをぐるり一周します。ブラシは時々、つけ置き水などで簡単に汚れを落としながら使ってくださいね。
上履きの内側も、汚れを掻き出す感じで“一方向”にブラッシング。昔ながらのタワシでは奥まで届きにくく汚れが落ちにくいため、隙間用ブラシが付いたタイプが便利です。今回使ったブラシ(道具の写真右から2つ目)はこの上履きにはコシが強すぎるものの頑固な汚れや靴の奥、裏側の凹凸に活躍。青い柄のブラシ(写真右から3つ目)は、ふさふさの繊維+トゲトゲブラシのコンビが生地を傷めすぎず上手く汚れを掻き出してくれました。
終わったら、ぬるま湯で石鹸を汚れごと洗い流します 。汚れや洗剤が残っていると臭いや肌荒れの元になるため、内側がヌルヌルしない程度まで洗い流します。
洗濯機の脱水機能+タオル巻きで目指せ速乾!
室内干し派はもちろん、晴れの日の外干しでも、靴を濡れたまま干してしまうと一日がかり。そこで洗濯機の「脱水」を使ってひと手間をかけることで大幅に時短しましょう!さらに時短をしたい方は、靴を「タオル巻き」にして、タオルドライを同時進行させて脱水効果を高めましょう。洗濯機や洗濯物が傷むのを避けるための洗濯ネットですが、今回は靴に近いぴったりサイズを使うことにより、タオルが密着して吸水するのを助けます。 ■タオル巻きのやり方
靴から水滴が落ちない程度まで水を切った後、バスタオルで巻いていきます。 タオルの端っこを靴の奥の内側まで押し込むように入れ、逆も同じようにして両側から巻いて洗濯ネットに入れてから脱水機にかけます。
外干しなら風のある日向へ、室内干しならエアコンの風を利用
上履きを干す場所は、外干しなら風のある日向、室内干しならエアコンの風を利用しましょう。外干しでも室内でも、まずは靴の内側、奥まで日光や風が届くのが理想です。 脱水せずに外干しする場合は、つま先部分が乾きにくいので、かかとより高くするか水平にして、水分がつま先の方へ流れていかないようにします。水滴が落ちなくなるまでかかとを下に向けて干しましょう。ある程度の年になったら上履きは自分で洗い、親は卒業を
乾いた上履きは、真っ白とまではいきませんが予想以上に改善しました! 靴を自分で洗えない年齢なら、まずは毎週持って帰る習慣をつけましょう。自分で洗える年頃になったら、自立を兼ねて毎週練習をしていくのが理想です。お恥ずかしながらわが家は小学校時代から子どもに上履き洗いを任せるも、筆者がほぼ仕上げ洗いしたことが要因で初動に失敗。中学から正式に特訓しようとするも、「持って帰らない問題」が勃発中。一方、ある友人は、きれいに洗えなくても練習と割り切り、親は見守る方針に。汚れが限界になったら早めでも買い替えられるよう安い上履きを使いながら、小学校低学年から子どもに任せきることで早くに上履き洗いが上達したそうです。上履きは、靴の裏側、また爪先や甲の部分がゴムで覆われていたり、布が通気性のよい綿や汚れが染み込みにくく乾きやすい化学繊維だったりと扱いやすくできています。中には防汚コートされた商品もあります。こまめに持ち帰り、汚れ落としが楽な状態で子どもの上履き洗いの上達を見守れるのが理想ですが、そうはいかないご家庭も多いでしょう。そんな時は、ご紹介した洗濯方法でぜひ乗り切ってくださいね!
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