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2020年絶対に観るべき映画TOP10!映画ライターが選ぶ第1位とは…

誰も想像できなかった新型コロナウイルス感染症拡大により、映画界も大打撃を受けた2020年。公開延期や映画館の営業停止など、本当にいろいろなことがありました。しかし、そんな中でも歴代興収1位を塗り替えた映画が登場するなど明るい話題も! 映画界をより盛り上げるべく、2020年に観ておくべき作品を10本ピックアップしました。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

2020年の絶対に観ておきたい映画を、映画を中心に取材執筆を行っているライターの私が厳選しました。順位はつけられないのが正直なところ(全部好き!)。しかし、ランキング形式で発表したいと思います! では、10位から見ていきましょう。
 

10位:『透明人間』

『透明人間』

(C)2020 Universal Pictures

これまで何度か映画化されてきた「透明人間」ですが、本作は透明人間へのアプローチの仕方が秀逸! ヒロインを束縛しまくる恋人が透明人間になって、彼女を執拗に追いかけるというサイコスリラー仕立てになっているのです。なんと彼は自身が開発した透明スーツを着用してヒロインに近づいていく。すぐそばにいても敵が見えない状況が怖い! ヒロインがどんなに敵の存在を訴えても、誰にも信じてもらえず、狂っていると思われたり、唯一の味方が命を狙われたり。彼女はどうやってこの状況を脱するのか……。ノンストップのスリルがたまりません!

監督:リー・ワネル
出演:エリザベス・モスほか
(C)2020 Universal Pictures
 

9位:『ミッドサマー』

アリ・アスター監督は『ヘレディタリー/継承』が絶賛され、いきなり人気監督になったアメリカの鬼才。そのアスター監督の『ミッドサマー』は、一般的なホラーとは違い、真綿で首を絞められるようなジワる恐怖映画なのです。スウェーデンの山奥で行われる90年に一度の「祝祭」を訪れたヒロイン(フローレンス・ピュー)が経験する、背筋がゾっとする出来事。村人たちはみんな明るく親切ですが、目の前で人が崖から飛び降りたり、倒れるまで踊らされたり、食べモノに混入物があったり、どんどん気持ち悪くなっていくんですよ。それなのに映像や美術は美しく、このギャップがたまらない。天才監督アリ・アスターの狂気の世界をぜひ味わってください!

監督:アリ・アスター
出演:フローレンス・ピューほか
(C)2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.
 

8位:『罪の声』

『罪の声』

(C)2020 映画「罪の声」製作委員会  

35年前に日本中を震撼させた某お菓子企業を標的にした事件がありました。本作は、この事件をベースにした原作「罪の声」の映画化作品です。テーラーを営んでいた男(星野源)が、叔父が残したカセットテープを再生してみたら、そこに少年時代の自分の声が。それは有名な事件で使われた身代金受け渡しの音声テープだったのです! この事件を追う記者(小栗旬)とやがて出会うテーラーの男。二人がたどり着いた真相とは。この事件に巻き込まれた人物が人生を狂わせていく姿に涙。賞レースに乗ってくるであろう力作、必見です。

原作:塩田武士「罪の声」
監督:土井裕泰
出演:小栗旬、星野源ほか
(C)2020 映画「罪の声」製作委員会
 

7位:『ミッドナイトスワン』

『ミッドナイトスワン』

(C)2020「MIDNIGHT SWAN」FILM PARTNERS

トランスジェンダーとして生きる主人公の凪沙(草彅剛)が、姪(服部樹咲)を預かることになったことをきっかけに母性が目覚め、姪との生活に安らぎを見出していく物語。同時に女性になりたい願望が強まり、また家族に隠し続けてきた自分の性と向き合うことに。ドラマチックで壮絶なオリジナルストーリーで、草彅剛が傷つきながら生きてきた女性の優しさとむなしさを熱演。地を這うように生きてきた人間のすごみを表現しています。

監督:内田英治
出演:草彅剛、服部樹咲、水川あさみ、田口トモロヲ、真飛聖ほか
(C)2020「MIDNIGHT SWAN」FILM PARTNERS
 

6位:『窮鼠はチーズの夢を見る』

『窮鼠はチーズの夢を見る』

(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会 前へ 次へ

水城せとなの同名原作漫画の実写映画化。男性同士の熱い恋愛を描いたBL映画です。大学の先輩後輩の関係から恋愛関係に落ちていく大伴(大倉忠義)と今ケ瀬(成田凌)。ノーマルな大伴が今ケ瀬の求愛を徐々に受け入れていく様を丁寧に見せていきます。このプロセスがラブストーリーとして秀逸! また大伴先輩を演じるのは関ジャニ∞の大倉忠義。「ジャニーズがここまで赤裸々なベッドシーンに挑戦するか!」と、ファンの度肝を抜いた作品でもあります。

原作:水城せとな「窮鼠はチーズの夢を見る」
監督:行定勲
出演:大倉忠義、成田凌ほか
(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会
 

5位:『浅田家!』

『浅田家!』

(C)2020「浅田家!」製作委員会

写真家・浅田政志の写真集「浅田家」と東日本大震災のボランティアの方々を撮影した「アルバムノチカラ」をベースに、浅田政志とその家族を描いた作品。父親からもらったカメラに夢中になり、写真家になった政志(二宮和也)。身勝手で変り者で社会人としてどうなの?と思う一面があるものの、写真の才能と情熱が彼の人生を動かしていくのです。浅田家を観ながら心温かくなり、被災地でアルバムの写真を洗浄して持ち主に返すボランティアの方々の懸命な努力にはは、涙がツツツーと……。ほっこり感動できる家族映画No.1です!
 
原案:浅田政志
監督:中野量太
出演:二宮和也、妻夫木聡、平田満、風吹ジュン、黒木華ほか
(C)2020「浅田家!」製作委員会
 

4位:『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』 

『レイニー・デイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

リッチだけど世間知らずの若者たちが織り成す気持ちのすれ違いをコミカルに描いたウディ・アレン監督作。主人公(ティモシー・シャラメ)は、エリート好きでセレブぶってる母親が苦手。反発して、わざと郊外の大学に入学しているけど、恋人(エル・ファニング)とのニューヨークデートの場所は高級ホテルに有名レストランとセレブな場所ばかり。頭でっかちで口ばっかりな彼が、恋人とニューヨークですれ違ったことから、新しい恋に出会い、本当の自分を見つけるという、ひさびさのアレン節に笑いとワクワクが止まらない今年最高のラブコメです。

監督:ウディ・アレン
出演:ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスほか
Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.
 

3位:『私をくいとめて』

『私をくいとめて』

(C)2020「私をくいとめて」製作委員会

NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で一世を風靡したのん。その後、少し伸び悩んでいましたが、ここ数年で女優活動も活発になり、ついに綿矢りさ原作、大九明子監督作『私をくいとめて』で開花しました! おひとり様生活を謳歌していたアラサーのOLみつ子(のん)が、久々に落ちた恋に七転八倒するラブコメディ。みつ子が脳内の相談役A(声・中村倫也)にまくしたてるように話しかける内弁慶なキャラクターや中学生のように好きな人の言動に一喜一憂する姿など、彼女の魅力がいっぱいつまった作品です。

原作:綿矢りさ「私をくいとめて」
監督:大九明子
出演:のん、林遣都、橋本愛、臼田あさ美、片桐はいりほか
(C)2020「私をくいとめて」製作委員会
 

2位:『「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」』

『鬼滅の刃 無限列車編』

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

日本における歴代興収ランキング1位に輝いた映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」。妹以外の家族を鬼に皆殺しにされた炭治郎が絶望の中、鬼と化した妹を救うために、鬼殺隊に参加。パワースキルを上げて、鬼に闘いを挑んでいきます。炭治郎の人生の旅に立ちはだかる強力な鬼たち。彼らとの闘いを繰り返しながら成長していく物語でもあるのです。極悪な鬼たちにもドラマがあり、キャラクターの背景が丁寧に描かれているからこその感動もある、今年No.1アニメであることは間違いありません!

原作:吾峠呼世晴「鬼滅の刃」
監督:外崎春雄 
声の出演:花江夏樹、鬼頭明里、下野紘ほか
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
 

1位:『パラサイト 半地下の家族』

『パラサイト 半地下の家族』

(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

第92回アカデミー賞において、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞を受賞し、話題になった作品。街の半地下に住む貧しい一家の息子が、友達の代わりにお金持ちの女子高生の家庭教師になったことをきっかけに、妹、父、母がそのお金持ち家族に寄生していく……というのが前半の物語。しかし、ある雨の日。クビになったお手伝いさんがやってきたところから、物語は急展開。格差社会が生んだサスペンスであり、這い上がりたくても這い上がれない貧困のむなしさも感じさせる。間違いなく2020年のNo.1映画です。

監督&脚本:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ、チャン・ヘジン、チェ・ウシク、パク・ソダムほか
(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
 

日本映画が多くなったのは……

全体的に日本映画が多くなったのは、ハリウッドの大作が次々と公開延期になった影響も大きいですね。でも日本映画の良作がたくさん公開された2020年ともいえるかも。2021年もおもしろい映画を紹介していきたいと思います!
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