今年もいよいよ中学入試の季節がやって参りました。早い学校ですと年が明ける前の12月から入試が始まるところもあります。特に今年はコロナ禍のなか、入試自体がどうなるのかも不安ですよね。しかしそうはいっても、オリンピックのように延期されるということはなく、必ず入試はやってきます。そしてこの時期にしか学べない学習もあります。それが「時事問題」です。
時事問題 2021年度入試 中学受験

2019年10月~2020年10月までに起こった時事問題のうち、2021年中学入試で狙われやすいテーマを予想!

入試で出題される時事問題の範囲は、昨年の10月頃から今年の10月頃までに話題となったトピックです。毎年その内容が変わるため、事前に学習することは不可能なのです。
 
残念ながら今年は年初から新型コロナウイルスの話題で持ちきりで、社会も経済も文化もすべて新型コロナで塗りつぶされてしまいました。そのため「新型コロナウイルス」以外のトピックがかすんでしまっていることは否めません。その中から敢えて3つのテーマに絞って、出題される可能性の高いものを探ってみたいと思います。
 

2021年入試の時事問題予想テーマ1
安倍晋三首相が辞任、菅義偉氏が第99代内閣総理大臣に

安倍晋三前首相は通算在任日数3188日、第2次政権発足以降の連続在任日数2822日で、いずれも憲政史上最長を記録しました。これだけ長い期間総理の座に就いていたわけですから、当然その間に様々な歴史上の出来事が起こりました。そうしたことを中心に、問題が出題される可能性は大いにあります。
 
まず2014年4月には消費税の税率が5%から8%に引き上げられました。同年7月に「集団的自衛権」の行使容認が閣議決定されました。集団的自衛権とは「自国と緊密な関係にある国(同盟国など)が第三国から攻撃された場合、自国が直接攻撃を受けていなくても、攻撃を受けた国と共に反撃できる権利を言います。日本は憲法9条から、長らく「集団的自衛権は行使できない」という立場を取っていましたが、これを方針転換したのが安倍晋三首相で、これは安全保障法制の歴史的大転換点といわれます。憲法9条の条文も是非確認しておきましょう。
 
2015年6月には公職選挙法を改正し、選挙権年齢を18歳に引き下げました。この「公職選挙法」という用語は、入試頻出用語ですので、しっかり頭に入れておきましょう。2019年5月には元号が「令和」となりました。そして同年10月に消費税が8%から10%に引き上げられ、同時に生活必需品などに「軽減税率」も適用されることになりました。ザッと挙げただけでもこれだけの出来事があったのです。普通の総理大臣ではなかなか考えられない多さですね。

なお、菅義偉新総理の下の名前は漢字も読み仮名も難しいです。総理大臣の名前は必ず漢字で書けるようにしておいてくださいね。
 

予想テーマ2. 梅雨前線による大雨で九州地方を豪雨が襲う

時事問題 2021年度入試 中学受験

日本各地で頻度の増える豪雨被害

停滞する梅雨前線の影響により、2020年7月3日に九州地方が豪雨に見舞われ球磨川のいたるところで河川が氾濫しました。また同6日から7日にかけて再び九州地方を豪雨が襲い、日田市の筑後川中流域で河川の氾濫が起こりました。気象庁はこれら連続した二つの豪雨を「令和2年7月豪雨」と命名しました。
 
近年、日本各地で「数十年に一度」といわれるような豪雨被害が毎年のように頻発しています。気象庁が水害や豪雨として発表した数は、1950年から2000年までの50年間と2000年から2020年までの20年間ではほぼ同数となっており、頻度が増していることがわかります。台風の大型化なども含め、地球温暖化などの地球規模の気候変動が進行していることが原因といわれています。
 
積乱雲が次々に発生して列をなし大雨をもたらす「線状降水帯」や、湿った空気が次々と流れ込むことで積乱雲が連鎖的に発生し同じ場所に激しい雨を降らせる「バックビルディング現象」といった新しい気象用語も、ぜひ覚えておきたいものです。
 
また、今年氾濫した球磨川は日本三急流(最上川・富士川・球磨川)のひとつ、筑後川は三大暴れ川(坂東太郎=利根川・筑紫次郎=筑後川・四国三郎=吉野川)のひとつとなっています。また日田市は人工美林の産地として有名な場所です。なお天然の三大美林は津軽ひば・秋田すぎ・木曽ひのき、人工の三大美林は天竜すぎ・吉野すぎ・尾鷲ひのきです。併せて暗記しておきましょう。
 

予想テーマ3. 2020年はあの出来事から〇〇周年

毎年「周年問題」は必ず狙われますので、必ずチェックしていきましょう。特に今年は「新型コロナウイルス」以外の目を引くトピックが少ないため、時事問題系は「周年問題」に集中する可能性があり要注意ですよ!
 
■「日本書紀」成立1300周年
まず2020年は、「日本書紀」成立1300周年です。日本書紀とは、奈良時代に成立した日本の歴史書で、現存する最古の正史といわれています。同じく奈良時代に編纂されたとされる「古事記」と共に日本の歴史を語るうえで重要な史料の一つであり、両者を合わせて「記紀」と呼ぶこともあります。漢字の「紀」に注意して覚えてください。
 
■1600年、関ヶ原の戦い(420年前)
2020年から420年前の1600年には関ヶ原の戦いが起こりました。この戦いは「豊臣秀吉の死後に石田三成と徳川家康との間に起った政治権力をめぐる争いで、「天下分け目の戦い」とも呼ばれました。関ケ原は岐阜県に位置しますが、地図などで場所も確認しておきましょう。
 
■1840年、アヘン戦争(180年前)
2020年から180年前の1840年には、イギリスと清との間でアヘン戦争が勃発しました。イギリスは当時、清と植民地であったインドとの間で三角貿易をおこなっていて、インドで栽培したアヘン(麻薬)を清に売って儲けていました。国内で麻薬が蔓延する状況を打破するために清が、アヘンの全面禁輸をおこなったことでイギリスとの間で戦争(アヘン戦争)が起こりました。戦争はイギリスの勝利に終わり、1842年に南京条約が締結されイギリスへの香港の割譲など不平等な条約が結ばれました。

香港は今年「民主化運動」で話題となっていましたね。世界地図で場所を確認しておきましょう。清の敗戦を受け、それまで「異国船打払令」など外国船に対して強硬な姿勢を取っていた江戸幕府は、方針転換して天保の薪水給与(外国船を見たら薪と水を与えなさい)が出されるに至った経緯は、あまりにも有名な話ですよね。

■大老井伊直弼没後160年
2020年は大老井伊直弼没後160年となります。井伊直弼の人生は波乱万丈で、彦根藩主だった1853年にペリーが来航し、江戸城に召集されてこれ以降幕政に携わることになります。1854年の日米和親条約の締結に関与、アメリカ総領事ハリスの来航ののちに大老職に就き、日米修好通商条約に調印します。これが天皇の許可なく締結されたものだったことから国内から批判を受け、それを弾圧するかたちで吉田松陰や橋本左内らを捕縛します(安政の大獄)。こうした政策が尊王攘夷派など反対勢力から強い反感を買い、1860年3月に、水戸藩士らに襲撃されて命を落としました。これを桜田門外の変といいます。江戸城桜田門の近くには現在警視庁の庁舎が建っています。
 
■1890年、第1回帝国議会(130年前)
2020年からちょうど130年前の1890年は、第1回帝国議会が開かれた年でもありました。この当時はまだ衆議院と貴族院の二院制で、今の参議院は日本国憲法下での1946年からです。国会議事堂の、向かって右側が貴族院、左側が衆議院の議場となっており、貴族院の議場は天皇が座る玉座が置かれていました。そのため現在では、参議院の議場の最奥のカーテンの向こうに玉座がある構造になっています。ちなみに国会議事堂は当時日本で一番高い建物でした。1890年当時の選挙権は「直接国税15円以上納める25歳以上の男子のみ」と定められており、選挙権を持つ人は総人口の約1.1%でした。1925年には普通選挙法が出され、25歳以上の男子全員に選挙権が与えられましたが、女性は1946年に日本国憲法が定められるまで選挙権が与えられませんでした。現在は満18歳以上の男女全てに選挙権が与えられています。
 
■1910年、韓国併合(110年前)
110年前の1910年には日本が韓国を併合した「韓国併合」が起こりました。これに至る経緯は入試でもよく出題されるので、まとめておきましょう。日露戦争の終結により日本は有利な条件でポーツマス条約を結ぶことができました。その中でロシアに韓国に対する日本の優越権を認めさせ、韓国統監府を設置して伊藤博文が初代統監に就任します。1909年にロシア帝国のハルビン駅構内で伊藤博文が韓国人青年、安重根に暗殺され、怒った日本は一気に韓国を併合しました。以後1945年の第二次世界大戦終戦まで、韓国は日本の植民地となりました。よく1919年に起った「三・一独立運動」と「五・四運動」を混同する人がいますが、「三・一独立運動」の方は「独立」という言葉がつくので、植民地化の朝鮮半島で起こった運動だというふうに覚えるようにしましょう。
 

2020年はこのほか「国際連盟成立から100年」「ロンドン海軍軍縮会議から90年」「日独伊三国軍事同盟から80年」「朝鮮戦争勃発から70年」「池田隼人内閣の所得倍増計画から60年」「東西ドイツ統一から30年」など、近現代史上節目となる重要なできごとが数多く起こっています。派生事項なども含めてしっかりと復習しておいてくださいね。
 
時事問題は「えっ?こんなことも聞かれるの?」という意外な問題も出題されたりします。通常は教科書に掲載されていることしか入試には出せないのですが、ニュースなどで広く認知されたことは「一般常識」として出題しても差し支えないからです。上記以外にも今年話題になったことで気になるトピックがあったら、是非ご家族で確認しておいてください。自分で予想問題を作ってみるのも面白いかもしれませんよ。頑張りましょう!

【過去の時事問題予想】 【関連記事】

■All Aboutで「毎月の家計」について、アンケートを実施中です!
回答いただいた内容をAll About記事企画の参考にさせていただきます
※毎月5名の方にAmazonギフト券1000円分をプレゼント

「毎月の家計についてのアンケート」に回答する


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。