ココナッツでダイエット
ココナッツとは、ヤシ科ココヤシ属・単子葉植物の「ココヤシ」という高木にできる「椰子の実」。主な産地はインドネシアやフィリピンなどで、日本で出回っているココナッツ製品のすべては海外産です。
実は、ココナッツは捨てる部分がないすばらしい食材なんです。また、それぞれの部位によって含まれる栄養素と効果も異なります。
今回は、ココナッツの魅力や日本で手軽に入手できるココナッツ商品をご紹介します。
ココナッツのダイエットや美容にいい効果
◆便通改善・美肌
ココナッツフレークやココナッツチャンク、ココナッツパウダーには食物繊維が多く含まれています。腸内環境を整え、便通改善や美肌に効果的です。
◆食べ過ぎ予防・ダイエット
脂肪分を含んでおり満腹感の持続性が高いので、食べ過ぎ予防につながります。ココナッツに含まれる中鎖脂肪酸はエネルギーになりやすく、体に溜まりにくいダイエットにうれしいオイル。ココナッツフレークやココナッツパウダーに含まれる食物繊維は、血糖値の急上昇を抑えてくれ、ダブルのダイエット効果が期待できます。
◆疲労回復・むくみ改善
ココナッツウォーター1カップあたりの糖質は約9g。ほのかに甘さがあり、量も適度で、吸収効率の高い糖質を摂取できます。代謝を高めるマグネシウムやリラックス効果のあるカルシウムを含むので、スポーツの後や疲れの回復にスピーディーに働きます。さらに、水分代謝を促すカリウムが含まれているため、むくみ予防にも最適です。
以上のことから、ココナッツウォーターで水分補給やむくみ改善をし、少量のココナッツオイルで満足感を出し、ココナッツフレークやココナッツチャンク、ココナッツパウダーの食物繊維で腸内環境や血糖値の調整、ココナッツシュガーやナタ・デ・ココなどのスイーツ等をダイエット中のおやつや間食に取り入れるなど、ダイエット中に上手く使い分けながら食生活に取り入れるのが良いでしょう。
オイル・ミルク・パウダー……それぞれの魅力は?
◆ココナッツオイル
ココナッツの種子内部の胚乳から抽出し、精製したものがココナッツオイルです。エネルギーになるスピードが早く、体に溜まりにくい「中鎖脂肪酸」が最大の特徴。脂質自体がゆるやかに吸収され腹持ちもいいので、食後早いタイミングから満腹感をキープでき、空腹や食べたいという衝動を抑えてくれます。ココナッツオイルは大さじ1杯で120kcalほどのカロリーです。
ココナッツオイル自体は甘い香りで、冷えると固ります。ダイエットコーヒーなどで話題のMCTオイルは、ココナッツオイルから中鎖脂肪酸のみを抽出したもので無味無臭。MCTオイルは冷えても液体のままなので、ココナッツオイルと比べて使いやすいこともメリットのひとつです。
◆ココナッツウォーター
若いココナッツの中に含まれている透明な液体で、カリウムやミネラルを豊富に含むため、スポーツドリンクとしても販売されます。ココナッツウォーターは100mlで20.1 kcalほどのカロリー。
◆ココナッツミルク
天然の甘さもコクもある低糖質なミルク。成熟したココナッツの種子の固形胚乳を細かく粉砕し、水と一緒に弱火で煮込んで作られるものです。ジュースやスイーツ、カレーなど料理に最適で、タイカレーのように小麦や牛乳の代わりに料理に使うと上手に糖質を抑えることができます。飲料タイプのココナッツミルクと、タイ料理などに使用される調理用の缶入りココナッツミルクがあります。ともに低糖質ではありますが、調理用のココナッツミルクはとくに脂質やカロリーが高いので、ダイエット中の脂質の摂りすぎに注意しましょう。410g(1缶)で615kcal、100gで150kcalほどです。
ちなみに、フィリピン発祥のデザート「ナタ・デ・ココ」はココナッツ果汁(脱脂したココナッツミルク、ココナッツウォーター)を発酵させてゲル化したものなので、腸を整える働きがあります。
◆ココナッツチャンク、ココナッツパウダー
成熟したココナッツの種子の固形胚乳を削って砕いたものが「チャンク」。細かく粉砕し、乾燥させたものが「パウダー」。ココナッツは低糖質なので、ヨーグルトに加えたりココナッツクッキーにまぶしたりとスイーツにもぴったりです。そのまま食べられるココナッツチャンクは、砂糖不使用を選べばダイエット中のおやつにおすすめです。
ただし、乾燥しただけのもの、ローストしたもの、油で揚げたもの、塩や砂糖などを添加したものもあるので、選ぶ際は余計なものが入っていないかチェックしましょう。
◆ココナッツシュガー
ココナッツの花の蜜を煮詰めて作った天然甘味料がココナッツシュガーです。GI値が35と上白糖や黒糖、メープルシロップなどと比べて低く、血糖値の急上昇がゆるやかな低GI商品です。糖質制限中でも安心して使える「天然の甘さ」のひとつ。
ココナッツは太る? 脂肪やカロリーの摂りすぎはダイエットに厳禁
摂り過ぎに注意したいのがココナッツに含まれる脂肪。エネルギーになりやすく脂肪燃焼に役立つ働きは認められてて、低糖質ではありますが、脂質の摂り過ぎでカロリー過多になれば太る原因になります。
1日あたりの摂取量の目安は、ココナッツウォーターはコップ1杯、ココナッツミルクなら100ml、ココナッツオイルやパウダーは大さじ1程度に留めておきましょう。
ココナッツのデメリット。熱に弱い、低温で固まるなど注意点も
ココナッツウォーターは熱に弱いカリウムを含むので、ホットにせず常温でいただくのがベスト。ココナッツオイルやミルクに含まれる中鎖脂肪酸は、25℃以下になると固まる性質があるため、常温保存がマストです。冬場など室内が低温になって固まってしまった場合は、ビンごと軽く湯煎すれば液体状に戻ってすぐに使えます。
ここからは、おすすめのココナッツ商品をご紹介します。
ブラウンシュガーファースト「有機エキストラバージンココナッツオイル」
収穫したばかりの新鮮なココナッツのフレッシュな胚乳のみを贅沢に使い、遠心分離(非加熱)でオイルを抽出。風味の高いエキストラバージンは香りが違います。そのままドレッシングにかけるのはもちろん、ジュースやトーストにプラスすると腹持ちも抜群。普段の炒め物にも活用するのもいいですよ。ただし、オイルは鮮度が命なので、開封後は早めに食べ切って。DATA
ブラウンシュガーファースト┃有機エキストラバージンココナッツオイル
原材料:有機ココナッツ
内容量:165g
SOMA FACTORY「オーガニックココナッツミルク」
まったりとした甘さとコクのあるココナッツミルクは、カレーやトマトソースと相性抜群。小麦の代わりにトロミとして使うと糖質オフになります。フルーツやヨーグルトと合わせて、濃厚な飲み心地のスムージーにしてもおいしいですよ。腹持ちもアップします。DATA
SOMA FACTORY┃オーガニックココナッツミルク
原材料:有機ココナッツ
内容量:165g
アリサン「有機ココナッツチップス」
ココナッツ好きにおすすめなのは、有機完熟のココナッツを大きめにスライスしたココナッツチップス。サクサクとした食感でそのまま食べられるので、小腹が空いたときのおやつにぴったりです。ドライフルーツやナッツと混ぜてシリアルに入れれば、食べ応えもアップします。そのままシンプルに塩コショウで食べても◎。レトルトカレーにトッピングして、本格的な味わいを楽しむのもおすすめです。
DATA
アリサン┃有機ココナッツチップス
原材料:有機ココナッツ
内容量:100g
余すところなく食べられる優秀な食材・ココナッツ。オイルやミルクなどさまざまな商品が発売されていますが、それぞれの魅力を理解して、自分に合ったものから取り入れていきましょう。