赤ちゃんの命名・名づけ/人気の名前ランキング

2020年赤ちゃんの名前ランキング!名づけで人気の漢字が表わす意味

株式会社ベネッセコーポレーションによる「たまひよ名前ランキング」が発表されました。2020年に人気の男の子と女の子それぞれの名づけベスト5位について、漢字の成り立ちや意味を解説します。

牧野 くにお

執筆者:牧野 くにお

赤ちゃんの命名・名づけガイド

2020年赤ちゃんの名前ランキング発表! 名づけに使われる漢字の意味は?

出典:ベネッセ「たまひよ名前ランキング」2020年(PR TIMES)

2020年1~9月に生まれた新生児19万7,940人を対象に行われた調査による赤ちゃんの名前人気ランキング(出典:ベネッセ「たまひよ名前ランキング」2020年 PR TIMES)


株式会社ベネッセコーポレーションの妊娠・出産・育児ブランド「たまひよ」による「たまひよ名前ランキング」が今年も発表されました。2020年に人気の男の子と女の子それぞれの名づけベスト5位について、漢字の成り立ちや意味を解説します。
 

男の子の赤ちゃんに人気の名前ランキングベスト5

赤ちゃんの名前ランキング 男の子 人気 ベネッセ「たまひよ名前ランキング」

ベネッセ「たまひよ名前ランキング」にて男の子の赤ちゃんに人気の名前ベスト5の漢字の成り立ち

■1位:蓮(れん)
シンニュウと車を合わせた「連」の字は、車をつらねて進むことです。さらにクサカンムリをつけた「蓮」の字は、根がつながったハスのことです。10年以上前は男女ともにつけられた名ですが、最近はほとんど男の子につけられます。

■2位:陽翔(はると)
「陽」は高く昇る太陽のことです。陽の左側はハシゴを描き、高いことを表わします。右側の「昜」は長いサオと太陽を描き、高くのぼることを意味します。同じような意味で、揚(高くあげる)、場(一段高い所)、湯(上へ行く熱い水)の漢字もあります。

また翔の左側「羊」は緑の草原で目立つので、よく見えるものの象徴です。洋(見通せる海面)、鮮(色のあざやかな魚)、詳(わかるように言う)、祥(祈りの結果が出る)などの字にも含まれています。「翔」は羊と羽で、堂々と派手に飛ぶの意味を表わします。ただこの字は本来トの読み方はありませんが、最近は一部の辞典で「とぶ」という訓読みを載せてはいます。

■3位:蒼(あおい)
蒼の下の「倉」の成り立ちは解明されていませんが、屋根と容器を合わせ、保管場所を表すものとも考えられます。クサカンムリをつけた「蒼」の字は、蓄えられた草の色という意味を表わすと思われます。一文字の名前の場合、ソウと読んで男の子に、またアオ、アオイと読んで男女両方につけられています。

■4位:樹(いつき)
「樹」は、木と、容器に植えた木と、手を描き、鉢で栽培された木を表わすものと思われます。タツキとも読みますが、多いのはイツキと読む名です。

■5位:湊(みなと)
湊の右側の「奏」は成り立ちがはっきりしませんが、両手で多くの物を次々と差し出すような絵が描かれ、「献上する」の意味をもつ字です。サンズイと合わせた「湊」は、多くの船が集まる港を意味します。
 

女の子の赤ちゃんに人気の名前ランキング5

赤ちゃんの名前ランキング 女の子 人気 ベネッセ「たまひよ名前ランキング」

ベネッセ「たまひよ名前ランキング」にて女の子の赤ちゃんに人気の名前ベスト5の漢字の成り立ち


■1位:陽葵(ひまり)
「陽」は男の子の名でも述べました通り、日が高く昇ることです。

「葵」の字の下側は何を描いたのかは謎です。武器か道具のようでもあり、四方に伸びる枝のようでもあります。クサカンムリをつけた葵は、葉が四方に伸びるアオイという植物のことと思われますが、ヒマワリを表した時代もあります。キ、ギ、アオイ、マモルが正しい読み方ですので、陽葵を正しく読むとハルキ、タカキという男性の名になってしまいます。葵は今回のように辞典に無い読み方で名前に使われることがよくあります。

■2位:結菜(ゆいな)
結の右側の「吉」は、容器に重いフタをしたような絵で表され、満たす、ギュっとしめるということを意味します。左側に「糸」をつけた「結」の字は糸を締めて結ぶことです。

菜の下側の「采」は、手で草花をつむ絵で表され、採(つみとる)、彩(色とりどり)の字も作られています。クサカンムリをつけた「菜」は、つむ草花のことです。ユウナ、ユナとも読む名です。

■3位:莉子(りこ)
「莉」は草とイネと刀を描き、つみ取る植物を表したと考えられます。茉莉の二文字でジャスミンという植物を表わします。名前では単独では使われませんが、リの音にあてられています。

「子」は幼児を描いた字です。古代中国では孔子、孟子など男性を尊敬する言葉に使われ、古代日本でも蘇我馬子、小野妹子など身分の高い男性に使われましたが、奈良時代より皇族、貴族の女性の名に使われ、明治時代より一般の女性の名に普及しました。今は子のつく名前は非常に少ないですが、莉子だけは大人気を保っています。

■4位:芽依(めい)
芽の下側は上下にかみ合う歯を描いています。クサカンムリをつけた「芽」は、歯のように伸びてくる植物の芽のことです。

「依」は人と衣服を描き、衣服のようにくっつくこと、たよりにすることを意味します。

■5位:紬(つむぎ)
紬の右側の「由」は細長い容器を描き、ひっぱり出すことを表わします。袖(衣服の引っぱり出した部分)、抽(ひっぱり出す)、笛(息をひっぱり出して吹く楽器)、油(細長くたれる液体)などの字も作られています。糸をつけた「紬」の字は、糸をひっぱる意味を表わします。このほか「紡」の字もツムギと読みますが、多く使われるのは紬の字です。
 

最近の名づけの傾向

最近は辞典に無い読み方の名、男女不明の名前というのが増えてきています。

もちろん昔から、そういう名づけをうっかりやってしまう、ということはありましたが、最近では「かまわない」と主張してつける人も多くなっています。

もちろんそれは禁止されていることではありませんが、辞典に無い読み方は他人にどう読まれても文句は言えず、男女不明の名は男女を間違えられても文句は言えない、という覚悟は必要になります。
 
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