新たなコミュニケーションツールの必要性
新型コロナウイルスの影響により、リモートワークの普及が進んでいます。そうした状況において、これまでのように毎日顔を合わせてコミュニケーションを取ることができなくなることに不安を抱えている人も少なくないと思われます。そこで重要になるのがコミュニケーションツールです。社員同士のコミュニケーションを改善し、さらなる効率アップを図るためにも、既存の社用メールやチャットに代わるコミュニケーションツールの導入を考えるべき時期が来ているといえます。その新しいコミュニケーションツールの選択肢として、「Slack(スラック)」の可能性を考えてみたいと思います。
Slackとは
Slackとは、2013年8月に米国でリリースされたビジネス向けのオンラインチャットツールです。グループチャット、ファイル共有、1対1のメッセージング、音声・ビデオ通話などの機能を提供しています。SlackはWebブラウザまたはアプリから利用できます。デスクトップアプリは、Windows、macOS、Linuxに対応し、モバイルアプリはiOS、Android、Windows Phoneの環境に対応しているため、PCとスマートフォンの両方で利用が可能です。
Slack導入のメリット
ここからは既存のメール・チャットとの違いからSlackのメリットを説明していきます。・過去のメッセージを簡単に把握できる
既存のメールでは、プロジェクトやチームへの途中参加者は、それに関わる過去のメールをさかのぼることはできません。Slackでは、プロジェクトやトピック、チームごとにチャンネルを作成し、そのチャンネルの中でやり取りを行います。途中からチームに入った人でも、このチャンネルに登録することにより、過去のチャットのログを追跡することが可能です。途中参加の場合だけでなく、業務の引継ぎもスムーズに行うことが可能になります。
チャンネルには社内の誰でも参加・検索ができる「パブリックチャンネル」、機密性の高い会話用の「プライベートチャンネル」があります。
・宛先に悩まない
メールでもCcを使って複数の宛先にメッセージを送ることができますが、チームの誰にそのメッセージを送るべきかをいちいち考える必要があります。必要な情報を送っていなければトラブルの元となり、そうならないように不必要な情報まで送っていれば煩わしさを与えてしまいます。
Slackはチーム全員がチャットを見ることができるので、こうした悩みから解放されます。
・後からメッセージの修正が可能
メールは送った後に修正ができず、送信を取り消すこともできません。一方でSlackはメッセージを後から修正することが可能です。誤送信の心配がなくなるので安心してメッセージを送ることができます。
・通知を細かく設定できる
チャットではメッセージが大量にやり取りされるため、返信が欲しいのに相手がメッセージを見落としてしまう心配があるかと思います。Slackでは、すぐに返信が欲しい時には通知機能を使って特定のメンバーの注意を引くことができます。
・検索機能が充実している
Slackは過去にやり取りされたチャットをチャンネル、発信者、期間を絞って検索できます。メールの検索機能は過去全体のメールからの検索であり、量も膨大になりますが、Slackではより的確な検索が可能です。
・複数デバイスで使用できる
PCのメールソフトを利用している場合、メッセージの確認にはPC起動が必須になります。SlackはPC、スマートフォン、タブレット等のどの端末からも利用可能なので、活用の幅が格段に広がります。 ・外部Webサービスと連携できる
Slackは、さまざまな外部Webサービスと連携ができます。
- Google ドライブ
- Google カレンダー
- DropBox(クラウドストレージ)
- Zoom(Web会議ツール)
- Trello(タスク管理)
Slack導入のデメリット
・チャンネル参加人数が増えすぎる可能性Slackの最大のメリットはチャンネル作成によるその参加しやすさですが、それによって参加チャンネルが増えすぎ、混乱を招く可能性があります。不必要なチャンネルからは脱退すること、業務終了前に自分宛てのメッセージを検索することなどを業務上のルールとして明確化することが必要になります。
・グループ通話の参加人数に上限がある
グループ通話の参加人数は15人が上限となっています。それ以上の人数でグループ通話する場合はZoom(無料版は100人まで可能)等の別のサービスを利用することが必要になります。
Slackの主な料金プラン
Slackには主に以下3つの料金プランがあります。フリー(0円/月額)
・直近のメッセージ1万件にアクセス
・10個のインテグレーション(外部サービスとの連携)
・1対1の音声/ビデオ通話
スタンダード(850円/月額)
フリープランに加えて以下が可能
・完全アーカイブ
・無制限のインテグレーション(外部サービスとの連携)
・最大15人の音声/ビデオ通話
・外部組織やゲストとSlack内でセキュアにコラボレーション
プラス(1600円/月額)
スタンダードプランに加えて以下が可能
・SAML(Security Assertion Markup Language)ベースのSSO(シングルサインオン)による高度なID管理やセキュアな各種管理(OneLogin、Okta、Pingなど)とアクティブディレクトリのリアルタイム同期
・すべてのメッセージのエクスポートでコンプライアンス要件を充足
・年中無休、24時間体制のサポート
この他、大企業向けのプランもあります。Slackは日本語対応しているため、国内でも多業種での導入が進んでいます。