晩婚化・晩産化の時代だが、不妊リスクは依然として加齢によって高くなる
現代は晩婚化・晩産化の時代
最新の人口動態統計によると、第一子出生時の平均年齢は母親30.7歳、父親32.8歳です。平均出産年齢の推移をみると、一時期は男女ともに急速に上昇していた年齢が、ここ数年間はほぼ横ばいで推移しています。妊娠可能年齢にはある程度「リミット」があるのだということが周知されたからだという見方や、女性のキャリア志向熱が冷めてきたからだという見方もありますが、「妊娠可能年齢の上限がこれ以上上げられなくなった」結果という可能性も考えられます。令和元年 人口動態統計 <出生順位別にみた年次別の平均年齢>
女性は30歳を過ぎる頃から妊娠しづらくなる
女性の「妊娠する力」が年齢とともに低下することは、比較的周知されてきていると思われます。女性の妊孕性(にんようせい)に対して最も影響力を持つのは「卵子の数と質」です。これらは30歳を過ぎると徐々に妊娠に対して不利な状態になっていき、37歳を境にさらにその傾向は顕著になり、40歳を過ぎるとかなり厳しい状態になります。また、加齢とともに染色体異常のリスクは高くなるため、妊娠が成立しても出産までに至らないケースが増えていきます(詳しくは「「卵子の老化」は何歳から始まる?妊娠率や体への影響」で解説)。
男性の妊孕性も年齢の影響を受ける
男性側の加齢も不妊リスクになる
- 男性の年齢が高いほどパートナーが妊娠するまでにかかる期間が長くなる
- 男性の年齢が高いほどパートナーの流産率が上がる
- 男性の年齢が高いほど出生児の先天異常のリスクが上がる
リミットを考慮したライフプランを
男女ともに、年齢とともに妊娠しにくくなるということは明らかであり、生殖補助医療などによってある程度その「リミット」を引き延ばすことはできても、なくすことはできません。「締め切り効果」という言葉もあるように、リミットがあるからこそ、それを考慮したライフプランを早い段階から考えることで、より自分らしい人生を歩めるのではないでしょうか?【参考情報】 【関連記事】