「お時間は大丈夫ですか?」「お飲み物は食後で大丈夫ですか?」など、何気なく使われる「大丈夫」という言葉ですが、果たして本当に大丈夫な使い方なのでしょうか。
 

「大丈夫」の意味・由来

「大丈夫」の違和感をがあると言われる使い方とその理由、言い換え表現を紹介

あなたの「大丈夫」は、本当に大丈夫?

まず「大丈夫」の意味を見直してみましょう。

「大丈夫」の「丈夫」の元来の意味は、立派な男子、一人前の男子のことを表すものとされます。そこに、さらにより優れているとほめたたえる意で「大」を付けたものが「大丈夫」と言われます。その「りっぱな・健康な」から、現在の「しっかりしているさま」「 確かなさま」のような意味として使われるようになったというのが、「大丈夫」の由来です。

「丈夫」と「大丈夫」の意味をさらに詳しく見ていきましょう。

■「丈夫(じょうふ)」とは

《「じょうぶ」とも。中国の周の制度で1丈(約2メートル)を男子の身長としたところから》りっぱな男。ますらお。「堂々たる丈夫」「偉丈夫」
一[形動][文][ナリ]

  1. 健康に恵まれているさま。達者。「丈夫で、病気ひとつしたことがない」「からだが丈夫な子」
  2. 物が、しっかりしていて壊れにくいさま。「丈夫なひも」「値段の割に丈夫な靴」
  3. 確かなさま。確実。「何十年でも此所(ここ)に留めませと―なる言ひ渡し」〈浮・歌三味線・一〉(「デジタル大辞泉」より)
■「大丈夫」とは

一[名]⇒だいじょうふ(大丈夫)
二[形動][文][ナリ]

  1. あぶなげがなく安心できるさま。強くてしっかりしているさま。「地震にも大丈夫なようにできている」「食べても大丈夫ですか」「病人はもう大丈夫だ」
  2. まちがいがなくて確かなさま。「時間は大丈夫ですか」「大丈夫だ、今度はうまくいくよ」

三[副]まちがいなく。確かに。「大丈夫約束は忘れないよ」(「デジタル大辞泉」より)

 

「大丈夫」の違和感があると言われる使い方とその理由

「大丈夫」の違和感をがあると言われる使い方とその理由、言い換え表現を紹介

「お飲み物は食後で大丈夫ですか」に、違和感を覚えたことはありませんか?


■問題ない「大丈夫」の使い方
次に挙げる実際の使用例は、辞書に載っている意味とも合っており、問題ない使い方です。
  • 「お時間は大丈夫ですか」
    「2.まちがいがなくて確かなさま」という意味で、問題ありません。
  • 「大丈夫?疲れてない?」
    「1.あぶなげがなく安心できるさま」の意味で使われます。
  • 「君の腕なら大丈夫」
    「2.まちがいがなくて確かなさま」の意味で使われる例です。
 
■「大丈夫」の違和感があると言われる使い方
一方で、以下の「大丈夫」の使い方は、言葉としておかしな感じをもたれてしまいます。
  • 「お飲み物は食後で大丈夫ですか」
    聞く側は、食後でいいかどうかを尋ねる際に配慮の意味も含んで使われているのでしょうが、聞かれたほうは何だか違和感をおぼえるという例でしょう。
  • 「(注射の場面で)もう少し腕を伸ばしてもらっても大丈夫ですか」
  • 「(スーパーで)お支払いは現金で大丈夫ですか」
これらの「大丈夫」は、あぶなげなく安心できる、まちがいなく確かなど、何ら問題ない、心配ないという場面で使われています。何も問題や心配など生じるはずもない場面で「お飲み物は食後で大丈夫ですか」のように使うと、反対に何か問題があるような感じでおかしな感じや不自然さを感じさせるのですね。
 

「お飲み物は食後で大丈夫ですか」のような言葉の言い換え例

違和感をもたれるおそれのある「大丈夫ですか」は、次のような言葉に言い換えたほうが自然だと感じます。

■「お食事の後でよろしいですか/よろしいでしょうか」
聞かれたほうも「はい、大丈夫です」ではなく、「はい、食後にお願いします」「食事が済んでからお願いします」などの言い方が自然で適切です。

また、「食後のお飲み物はコーヒーで大丈夫ですか」というような場合も、「お飲み物はコーヒーでよろしいですか」「コーヒーと紅茶がございますがどちらがよろしいですか」 などと聞けばいいわけです。答えるほうもコーヒーががいいのであれば「コーヒーで大丈夫です」ではなくて「コーヒーをお願いします」のほうが同じく自然ですし、誤解を与える心配もありません。


つい便利に使ってしまう「大丈夫」ですが、ときには不自然なことばに変わってしまうこともあるものです。場面に合ったよりふさわしい言葉を選びたいですね。

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