お金の悩みを解決!マネープランクリニック/マネープランクリニック・ラジオ番組『2020年の家計防衛』

企業業績も圧迫!新型コロナで退職金制度に変化がある?【2020年の家計防衛】

コロナ禍によって退職金制度はどうなるのかについてファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんが解説します。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

  • Comment Page Icon
本記事はAll Aboutマネーの連載『マネープランクリニック』の音声番組『2020年の家計防衛』で収録された、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんの対談をテキストで起こした内容です。※音声で聴きたい方はこちらから(第36回 『企業業績も圧迫!新型コロナで退職金制度に変化が』)

今回はコロナ後の退職金制度はどうなるのかについてファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんが解説します。(今回の収録は2020年7月に行われました)

 
コロナ後の退職金制度はどうなる

コロナ後の退職金制度はどうなる

 

怖いのは来年以降。退職金の元になる基本給が上がらないケースも?

深野康彦さん:皆さんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦です。

清水京武さん:こんにちは。マネーライターの清水です。今回は退職金をテーマに取り上げたいと思います。 コロナの影響で自営業の方は結構大変だということをいろいろなところで見聞きします。それは会社員でも同様で、減給の可能性は否定できません。そこで退職金はどうなるだろうということを考えてみたいと思います。減額等の可能性は、どうお考えですか?

深野さん:例えば今年退職金をもらえる人、今は辞めなくても役職定年とかがあって、大企業だとそこで退職金を払ってしまう場合もありますよね。今年退職する人はそんなに心配しなくてもよいのではないかな。むしろ怖いのは来年以降です。

退職金というのは、業績給ではありません。短期的なものではなくて、給料の後払い的なイメージです。会社によって違いますが、一般的には基本給等に勤続年数を元にしたような係数をかけます。38年でした、20年でした、とかいうことで退職金は決まりますよね。 来年以降もし退職金制度を改定するのであれば、退職金の元になる基本給が上がらないケースは十分考えられます。あとは先ほど、基本給に係数をかけると言いましたよね。その係数を見直してしまうケースはあり得ますね。今までと比べて係数の割合が低くなってしまって、もらえる額が少なくなるということが、来年以降ジワジワと出てくるのではないでしょうか。 いきなり何百万円も落ちるということはないと思います。ジワジワと右肩下がりで下がっていく状況ではないかなと、私は思っていますね。

清水さん:今年退職する人は大丈夫だけれどそれ以降の人は……ということなので、働いている人ほとんどに該当するテーマになってしまいますね。ボーナスも減額だったり、残業がなくなるという状況は、退職金とある程度リンクしていると考えた方がいいのですね。

深野さん:全くリンクしていないとは言い切れないと思います。退職金というイメージで考えなくてはいけないのは、給料の後払いというかたちですよね。これを聞いている人の中には50代~20代までいろいろな世代がいると思いますが、期間が長くなれば長くなるほど、不透明要因って大きくなるでしょう?

先が見通せないですよね。 そうすると、若い人ほど退職金の影響は大きいと思います。これから何が考えられるかというと、退職金は来年以降ジワジワと減っていくと思いますが、恐らく給料のシステム自体が大きく変わると思います。 テレワークやリモートワークになって、今までと違う働き方になりましたよね。新しい働き方に合わせたお給料を構築しなくてはいけません。実際に既に起こっている企業があるのですが……。

退職金を退職時にもらうという選択肢と、給料の後払いである退職金を後払いせずに今から払いますと。その代わり退職する時にはありませんと。それを選ばせる企業も、実はもう存在します。 これはある大企業ですが、それを選択している人は非常に少ないそうです。でも今後はもしかしたら、それが当たり前になるかもしれません。

確かに退職金は金額も大きいし、場合によっては頑張ってきたご褒美というイメージもありますが、先ほど言ったように給料の後払いなので、もらう時期の違いだけです。 やはり時間が長い程不透明要因が多いということは、前倒しでもらってしまったほうがよいという選択肢だって
あり得るでしょう? 今後退職金含めて給料のシステムが変わってきたら、どういう形で自分はもらえばよいのか。

例えば退職金を今までと同じシステムでもらう人よりも、上乗せ給料が数万円多かったら、その数万円でiDeCoやつみたてNISAをやっていた方がよかったというケースもあり得ます。退職金に関しては、企業によっては給料のシステムが変わると同時に、退職金の支払い方法も変わると思った方がよいです。 今までのライフプランで例えば退職金で老後を賄うとか、住宅ローンを払うということもありましたよね。そういう考え方は、もしかしたら変わってしまうかもしれません。もちろんすぐではないけれど、来年以降徐々にそういう変化が出てくると思いますよ。

清水さん:マネープランクリニックでよく見ますが、退職金は老後資金にしたり、住宅ローンを一括完済しようということで、自身のマネープランに既に組み込んでいる方も中にはいらっしゃると思います。そういう方は、これを少し見直すきっかけにしたほうがいいですね。

深野さん:よくマネープランクリニックで我々が言うのは、ボーナスはあまり当てにしないでということです。ボーナスは業績給ですからね。退職金だって、ないとは言わないけれど、あまりにも当てを大きくすると良くありません。例えば30代くらいの方なら、二十数年後でしょう?その間何があるか分からないので、先輩に比べて支給額がえらく減っている可能性だってあるじゃないですか。 だから今と同じだと思うのは、そもそも間違いです。本当にお金周り全般をどう管理するかは、これから考えていかなくてはいけないと思います。

清水さん:退職金という概念がもう崩れているというか、もしかしたらそれ自体が違うものになっていく可能性も無きにしもあらずということですね。それも含めて今回をきっかけに、マネープランを見直して一つ一つ点検することも必要になってくるといえそうです。

深野さん:マネープランクリニックをやっていると、退職金がそれなりに出る人もいますし、最近はあまり期待できないと書いている人も結構多いですよね。夫婦で働いても、どちらかはもらえそうだけれどもう一方はないとか。もちろん企業の規模までは書いていないけれど、100万円程度ですという方も多いです。 特にマネープランクリニックの人は、退職金がある前提の人は最近少ない気がします。どこにお勤めなのかによっても違うかもしれませんが、もしかしたら今私が言ったことが既に水面下で起こっているのかもしれません。

清水さん:退職金は非常に大きな金額ですが、それが本当に支払われる可能性が低いことも考えられるので、もう一度家計を見直すきかっけにしてほしいと思います。先生、今回もありがとうございました。

【関連記事をチェック】
Withコロナで変わる!家計の見直し方法【2020年の家計防衛】
iDeCoの運用、元本保証商品から投資信託の商品へスイッチングするメリット【2020年の家計防衛】
月1万円を稼ぐ!プチ投資、お小遣い投資のやり方【2020年の家計防衛】
コロナで苦しい家計、毎月の支出を3万円落とす方法とは?【2020年の家計防衛】



 
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/5/31まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます