お金の悩みを解決!マネープランクリニック/マネープランクリニック・ラジオ番組『2020年の家計防衛』

iDeCoの運用、元本保証商品から投資信託の商品へスイッチングするメリット【2020年の家計防衛】

今回はiDeCoを行っている人が、投資商品にスイッチングするメリットについてファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんが解説します(今回の収録は2020年6月に行われました)。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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1万円全部やるのが怖ければ半分の5000円だけ投資信託に回すこともできる

本記事はAll Aboutマネーの連載『マネープランクリニック』の音声番組『2020年の家計防衛』で収録された、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんの対談をテキストで起こした内容です。

今回はiDeCoをおこなっている人が、投資商品にスイッチングするメリットについてファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんが解説します。(今回の収録は2020年6月に行われました)


深野康彦さん:皆さんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦です。

清水京武さん:こんにちは。マネーライターの清水です。先生、今回もよろしくお願いいたします。今回のテーマですが、iDeCoというものは運用するというイメージがありますが、実は運用商品だけではなく元本保証の商品も用意されていて、どちらか選べます。今回は元本保証商品から投資信託の商品へかえるメリットについて考えてみたいと思います。先生は、そのあたりどうお考えでしょうか?

深野さん:少し復習になりますが、iDeCoの運用の仕方をお話ししますね。iDeCoの場合運用商品は、自分が契約した金融機関から提示する金融商品を、どのようにでも組み合わせて選べるようになっています。運用商品には元本保証である預貯金だったり、生命保険等の保険商品だったり、あとは元本が保証されていない投資信託があります。 これらを組み合わせて、厳密に言えばどれか一つでもいいし複数の商品でもいいですし、それを決めて運用していきます。ただしこの決めた商品は、いつでも変更することができます。

最初の契約時に決めた商品でずっといかなくてはいけないわけではない、ということを覚えておいてください。 せっかく老後のためにお金の準備をするのだから、どうしても皆さん減らしたくないという意識が強いですよね。特に今回のコロナショックで株価が前代未聞の暴落をしました。5月から6月にかけて株価は戻っていますが、まだまだ予断を許さない状況です。

この状況を見ると、やはり株は怖いというイメージがあると思いますし、となるとどうしても元本保証商品を選んでしまうことは、ある面では致し方ないのかもしれません。ただし、例えば株価を見てみましょう。よくここでもリーマンショックを引き合いに出していますよね。

リーマンショックで大きく株価が下がったけれど、大多数の国では数年かけてリーマンショック前の高値までリカバリーしています。さらにそれより上がってもいます。と考えると、株価は長い時間軸で見れば、下がることも上がることもあるのです。ただし世界の経済が成長していくという前提であれば、株価はやはり上がっていく確率が高いということは理解しておいたほうがいいですね。 もう一つiDeCoの特徴は、節税効果が高いことです。掛金は全額所得控除になって節税になります。それ以外でもう一つ、運用益が非課税になります。

通常我々は預貯金の利息、株式の売却益については約20%の税金を取られていますが、これらの税金が一切かかりません。つまり運用益が大きくなればなるほど、節税効果が大きくなります。預貯金と株式で運用する投資信託で考えると、預貯金の金利なんて0.1%もないような世界ですよね?

清水さん:ありませんね……。

深野さん:ちょっと試算をしてみました。仮に預貯金が0.1%の金利だとします。株式投資した場合の期待リターンは、年平均約5%といわれています。5%は少し高いので、慎重に見積もって3%としましょう。例えば毎月1万円を30年間iDeCoで積み立てた場合、1万円×12カ月=12万円で30年間なので、元本は360万円ですね。 預金の金利0.1%でどうなるかというと、364万4300円です。30年間かけても4万4300円しか増えないんですよ。

節税になるとは言っても2割ですから、約8800円しか節税効果はありません。 これに対して投資信託(慎重に見積もって3%)だと、30年後に537万1500円です。元本は360万円なので、大まかに177万円利息が付いています。その2割だと35万4000円くらいの節税となっています。やはり運用益の違いプラス長期運用で節税効果がより大きくなるわけです。

もちろん投資に「絶対」はありませんが、投資する期間が長くなればなるほど、元本割れのリスクは抑えられます。iDeCoの場合は老後資金なので長い期間、しかも毎月コツコツ積み立てて、投資対象を分散する、元本割れを抑えるようなかたちになっています。

確かに短期的に見ると怖いかもしれませんが、投資信託のようなものをうまく使ったほうがより節税効果も高くなり、より老後資金を大きく準備できる可能性も高くなります。とはいえ預貯金も金利が上がるのでは?と言われるかもしれませんね。先ほど預貯金は0.1%の金利でも甘めに見たと話しましたが、実は預金金利が1%を下回って30年近くたちます。さらにコロナで今このような状況なので、当面金利を上げることはできませんよね。

今0.0いくつの金利が1%になるまで何十年かかるか……ということです。もちろん急騰することもあり得なくはないですが。そう考えると、預貯金でお金の元本はためられますが、利息収入を稼ぐのは難しいですね。難しいといわざるを得ません。 老後資金を、時間を味方に付けて準備するのであれば、元本保証の商品から投資信託のようなものに乗り換えてコツコツやっていったほうが、お金をより大きく増やせる可能性が高まり節税効果も高まりますから、そちらのほうがよいのではと言いたいです。

清水さん:そうですね。実際にiDeCoをやっている方でも、中身は元本保証商品だけだという方も少なからずいらっしゃるようです。こういうメリットを考えてみると、いきなり全部は無理かもしれませんが、部分的にでも投資信託に切り替えてみることは十分メリットがあるということですね。

深野さん:その通りです。iDeCoをやっている方のうち6~7割は元本保証商品のみのようですね。例えば掛金が1万円だとして、1万円全部やるのが怖ければ半分の5000円だけ投資信託に回すこともできると思います。全部は難しくても、いくらかは投資信託も混ぜたほうがよいと思いますね。

清水さん:こういう時期だからこそ、逆にアクティブにというか、投資に目を向けてみる良い機会でもあると思います。先生、今回もありがとうございました!

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