金価格が上昇する材料には事欠かない

本記事はAll Aboutマネーの連載『マネープランクリニック』の音声番組『2020年の家計防衛』で収録された、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんの対談をテキストで起こした内容です。※音声で聴きたい方はこちらから(第27回 金相場が急騰。金を今買うべき?金投資の始め方)

現在金価格が上昇し、金投資を始めてみたい人も増えているのではないでしょうか。金を買う時の注意点についてファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんが解説します。(今回の収録は2020年6月に行われました)


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深野康彦さん:みなさんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦です。

清水京武さん:こんにちは。マネーライターの清水です。今回のテーマは、「初心者が純金を買うには?金投資の始め方」です。今何かと話題になっている金投資ですが、現在の金は6,500円前後ですかね。

深野さん:そうですね、それが日本円の価格です。金は通常米ドルベースの価格です。金独特の重さとして、1TOZ(トロイオンス)というものがあります。細かく言うと、31.1035gが今1800ドル前後くらいです。それを1gあたりに直したのが、先ほど清水さんがおっしゃった6,500円くらいということです。ほぼ史上最高値に近いですね。

清水さん:ここ10年ほどずっと4,000円台で推移していることを考えると1.5倍強になっているということで、脚光を浴びていますね。金投資についてベーシックなところから教えていただきたいです。コロナ禍で話題になっている金ですが、こういうことは過去にもあったのでしょうか?

深野さん:今回のケースは価格の変動という意味で、2008年のリーマンショックに非常に似ているんです。あの後も株、債券、金などが一時期すべて売られました。現金化の動きですね。そのあといち早く価格が戻って史上最高値まで上昇したのが、実は金だったんです。 ですから今回も一時的にすべての資産が売られて、そこから戻りが最初良かったのはやはり金です。リーマンショックと同じようなことをイメージしている人が多いと思います。 それともう一つ、実は今金価格が上昇する材料には事欠かないんです。

一つは今回の新型コロナウイルスです。どのあたりで終息するのか。日本も緊急事態宣言が解除されて、世界も経済封鎖が徐々に解除されていますが、第2波、第3波が来るのではないかという懸念もあります。 もう一つ金価格にとって一番怖いことがあって、米ドルの金利が今下がっています。金というのは持っているだけでは収益を生みませんから、金利が上がるということは金にとって大敵です。

特にこの場合は米ドルの金利と思ってください。米ドルの金利が未曽有の低金利政策を取っていて、さらに量的緩和というかたちで市場に資金をジャブジャブ出しています。 それこそ米ドルの金利と共に、米ドルの価値も下げるような政策をやっているわけです。しかもそれを当面続けると言っているわけですから、金にとって最も大敵な米ドルの金利が上がる、あるいは米ドルの価値が上昇していく。そういう政策をしていないことを考えると、当面金価格は堅調な可能性は強いですよね。

清水さん:そういう金投資にとって追い風の状況の中で、実際に投資をするにはどのような買い方があるのか教えていただきたいです。
 

金に投資する方法は二つ

深野さん:金に投資する方法は、今大まかに言って二つあると思います。一つは金の地金、金そのものを買うという考え方です。もう一つは、いわゆる金価格に連動するETFを買うという方法です。特に金を買うというと金そのもの、地金を買うケースが多いと思いますが、実は金そのものを買う方法にも三つあるんです。 一つは金の延べ棒、地金と呼ばれているものです。小さいものだと5g程度から大きいもので1kgとかです。そのグラムに応じた地金をそのまま買っていきます。先ほど清水さんが、今金は6500円程度だと話していましたよね。

単純に言うと、今1kgは650万円もするわけです。とても高価なものですよね。 それ以外にもう一つ、金貨を買うという方法があります。メープルリーフ金貨、カンガルー金貨、ウィーン金貨等、金価格に連動した金貨(コイン)を買う方法です。コインは大きさ的には4種類あって、一番小さいものが10分の1オンスです。

グラムで言うとだいたい3g前後です。 一番大きいものは1オンスで、30gちょっとです。その金貨を1枚ずつ買っていく方法です。一番小さい10分の1オンスでも、今の価格だとだいたい2万円くらいしてしまいます。やはり、今金に手を出すのはなかなか難しいですね。 そこでもう一つ、一番手ごろな金額でできるのが純金積み立てです。これは定期預金と同じように、毎月一定額で金を少しずつ買っていくという方法です。毎月数千円程度から始めることができて、積み立て貯蓄感覚で毎月お金を払って、その金額で買える範囲内の金を買って積み立てていくという考え方ですね。この三つの方法があります。

最初に金価格が上がっていると話していましたが、実は金というものはこういう有事ではなくて、平時に買うものなんです。常日頃からコツコツ買っていくなら、純金積み立てが一番なじみやすいと思います。

清水さん:そうですね。こういった有事に脚光を浴びますが、平時からコツコツと買っていくには、自分の買える範囲で買うという意味でも純金積み立ては非常にやりやすい、最初の投資としては良い投資法なんですね。

深野さん:ただし、金の価格は特に現物の場合、一日に一つの値段しか付きません。売るにも買うにも楽ですが、最近だと金価格は一日にすごく動くケースもあります。やはり上がったところで売って、下がったところで買いたいじゃないですか。機動的に売買するなら、ETFのほうがよいでしょうね。 資産をコツコツと平時から貯めて有事に備えるのであれば純金積み立てがよいでしょうし、価格が大きく動く局面を考えるとETFと、投資のスタイルで使い分けることもできると思います。

清水さん:分かりました。資産形成の中で金を組み入れるというのは、ひとつ有効な方法になりつつありますので、関心のある方はぜひ検討してみるとよいと思います。

深野さん:ただし金は持っているだけで利息を生まないじゃないですか。資産形成という側面であれば、資産の保全のために金を持つことは大切なことですが、一方では持ちすぎないということも大切です。だいたい資産の10~15%程度までをめどにコツコツ平時から買っていくというのが一番オーソドックスで始めやすい投資スタイルだと思います。

清水さん:分かりました。皆さんも無理のない範囲で金について考えてみてはいかがでしょうか。先生、今回もありがとうございました!

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