お金の悩みを解決!マネープランクリニック/子どもが欲しいがお金のことが不安な人の悩み相談

28歳派遣社員、貯金520万円。主人42歳の年の差婚で、そろそろ子どもが欲しい(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、年の差婚をしてそろそろ子どもが欲しいと考えている20代の派遣社員の方です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 子どもが生まれても、現在の収入がキープできれば大丈夫

これから出産、子育て、教育、住宅購入と、人生のイベントが次々と訪れますから、花粉症さんがいろいろ不安に思われるのは当たり前のことです。一つひとつ一緒に考えていきましょう。
 
まず、現在の収入がキープできるものとして、ご主人が60歳になるまでの18年間で、どれだけ貯蓄できるか試算してみます。
 
毎月10万円の貯蓄にボーナスで20万円と書かれていますので、これをベースにします。年間で140万円貯蓄でき、18年間で2520万円。現在ある500万円、養老保険の満期金200万円を加えると、合計で3220万円です。
 
花粉症さんが3年程度、出産・子育てで休職し、3年後、現在と同じ収入レベルで復職するとします。年間140万円、3年で約500万円の貯蓄は難しくなります。先の3220万円から差し引き2720万円となります。
 
この間、子どもの教育費が出ていきます。すべて国公立だとすれば、学校外の費用を考慮しても1200万円みておけば安心でしょう。そうすると、残りは約1500万円となり、これがご主人60歳時点での金融資産ということになります。
 
このあとのご主人の働き方や退職金の有無で老後資金は変わってきます。また、年の差がありますから、花粉症さんが働ける期間は長くあります。こうしたことを考えると、今は、花粉症さんが転職や収入アップを気にしすぎず、まずは、お子さんのことを考えてもいいのではないでしょうか?
 

アドバイス2 住宅購入は8年後を目標に。貯蓄ペース次第で

マイホーム購入については、出産、育児が落ち着き、花粉症さんが復職されてからがいいでしょう。たとえば、8年後を目標にすると、その時点でご主人は50歳。8年間のうち3年間は貯蓄をお休みするとしても、5年分で700万円、現在の500万円を加えて1200万円貯まっていることになります。
 
このうち、500万円を頭金とし、1500万円の住宅ローンを15年返済(ご主人65歳まで)で借りるとします。全期間固定金利1.5%とし、毎月返済のみで試算すると、毎月返済額は約9万2000円。現在の家賃とほぼ同じです。
 
この時点で貯蓄は700万円になりますが、その後、10年で1400万円貯蓄でき、教育費で1200万円を差し引くと、残りは900万円。これが住宅購入した場合の、60歳時点での老後資金となります。
 
住宅購入に関しては、目標を決め、それまでにどれだけ頭金づくりができるかにかかっています。現状の収入、支出の状況が変わらないとして試算したものですが、今から、家計を見直し、どれだけ貯蓄に回せるかで、購入できる物件価格も変わってきます。
 
現状では、ギリギリというところです。残る老後資金も少し心もとないのではないでしょうか。また、お子さんが2人、となると住宅購入は、かなり慎重に考えるべきでしょう。
 
住宅購入とは別に、今後予想されるのは、車の購入です。お子さんが生まれると車を購入されるご家庭が少なくありません。でもその際は、マイカーローンなどは使わず、キャッシュで買える範囲としてください。住宅ローンとマイカーローンの併用は、くれぐれも避けてください。
 
もうひとつ、花粉症さんの奨学金の返済は、休職中はご主人の収入からの返済となります。その時点での奨学金の残額、世帯の貯蓄額がどこまで増やせているか次第ですが、一括で繰り上げ返済してしまってもいいかもしれません。
 

アドバイス3 家計・貯蓄などマネープランを夫婦で情報共有を

冒頭にも書きましたが、これから人生の大きなイベントがやってきます。そうしたお二人の家計管理が、実は、一番気がかりです。
 
共働き世帯で財布は別々、という世帯は少なくありません。花粉症さんも今は、このやり方で不都合を感じておられないかもしれませんが、今後、子どもが生まれたら、出産費用はどうするのか、子育て費用はどうするのか、その都度、どちらの財布から出すのか、相談して決めていくのでしょうか? 住宅購入の頭金も同じです。
 
ご主人の貯蓄や保険について、あまり把握できていないようですが、これからは、二人で家庭全体のマネープランを考えることが大事です。結果的に支出負担を分けるとしても、家計全体でいくら支出していて、無駄な支出はないのか、足りないものはないのか、目標をクリアするには、どのくらい貯蓄すればいいのか。いろいろと夫婦で相談することはあります。
 
今、目に見えるところでも、二人の通信費はやや高めです。格安スマホや契約の見直しで1万円の削減も無理ではありません。小遣いについては、それぞれの収入の残りとなっていますが、これも必要な金額を決め、残りはきちんと貯蓄することが大事です。
 
また、保険については、お子さんが生まれたら、現在の保障では不足します。ご主人は、死亡保障2000万円の割安な定期保険と医療保険への加入を。花粉症さんも家計を支えていますから、死亡保障1000万円の定期保険への加入をしてください。保険期間は20年。これが最低限の保障となります。
 
帰省費用など年間で出ていくお金についても、予算を決めて毎月の貯蓄とは別にプールしておく必要もあるのでしょう。
 
こうした家計管理や貯蓄計画は、夫婦そろって考えなければ、うまくいきません。ぜひ、これを機にじっくり話し合ってみてください。
 

相談者「花粉症」さんから寄せられた感想

先生からいただいたアドバイスを何度も何度も読みました。このままだと子どもも育てられないのではないかと一人焦っていましたが、今の収入がキープできれば大丈夫と言っていただき、安心することができました。お金については主人と考え方や情報を共有しなければと思っていたので、今回を良い機会として、話し合いの時間を作りたいと思います。本当に、ありがとうございました。


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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子



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