コロナで復活カップルが増える?
コロナで復活カップルが増える?
自粛生活も緩和されてきているが、いつまた元に戻るかわからないのが現状。そんな不安が続いているが、自粛期間中に、「元恋人」に連絡をとった人たちが意外と多いようだ。
誰に会いたいか
6月半ばまで在宅勤務が続く予定のミヤさん(36歳)は、今回の自粛生活でいろいろ考えたという。
「私はひとり暮らし。5月のはじめころからかなあ、猛然と寂しくなりましたね。友だちは結婚していたり親と住んでいたりするので、私だけ完全にひとりぼっちだといじけたりもしていました」
今年の初めに3年つきあっていた彼と別れたばかり。これから真剣に婚活すると意気込んでいたときの自粛生活で、知らず知らずのうちに気持ちが沈んでいったという。
「誰もいないから気持ちが暗くなっていることにさえ気づかない。ある日、リモート会議をしたら同僚に顔色が悪いと心配されて。その日は珍しく化粧もしていたんですが、それでも隠せないくらい表情が暗かったんだと思います」
同僚や上司相手には「ひとりが寂しい」とは言えなかったが、会議後、このままではまずいと感じたそうだ。
今、誰に会いたいか。ミヤさんは自分に素直になって考えた。すると心に浮かんだのは、別れたばかりの彼ではなく、30歳のころから2年ほどつきあっていた3歳年下のトシオさんだった。頼りなくて情けないところもたくさんあったが、とにかく心優しい人だった。ミヤさんに好きな人ができてしまったため無理やり別れるような状態になった。
「その後、3年つきあった彼に、二股をかけられていたことがわかって今年初めに別れたんです。そのとき、トシオだったらこんなことはしないはず、と一瞬、思いました。心のどこかでずっとトシオのことが気になっていたのかもしれない」
5月半ばにトシオさんの夢まで見たので、これはもう連絡をとったほうがいいと感じ、久しぶりにLINEをしてみた。
「元気でいるかどうか気になって、と短めに。すると彼、すぐに返事をくれました。実はそこからすっかり話が盛り上がって、6月中に会おうということになっています。つい数日前、彼は電話で『今でもミヤちゃんのこと思ってる』と言ってくれて。ふたまた彼はかっこよくてお金も持っていたけど、私が一緒にいて本当に楽しいと思ったのはトシオだった。もう一度会えてやり直せたら、トシオと一緒にやっていきたい。自分ではそう思っています」
回り道をしたけれど、大事な人に再会できる幸せというのもあるようだ。
元夫と元サヤ、かも?
3年前に離婚した元夫が、このコロナ禍でいち早く連絡をくれたと語るのは、サトミさん(40歳)だ。30歳のときに6年つきあっていた同い年の彼と結婚したものの、お互いにさまざまなことがすれ違い、37歳のときに離婚した。「ふたりとも仕事が第一だったんですよね。でも夫は本当は子どもがほしかったんだと思う。ただ、私はほしくなかった。週末は家でふたりでのんびりしたい夫と、どこかに出かけたい私ですれ違って。つきあっているときも週末、必ず会っていたわけではなかったので同居したら私が息苦しくなっっちゃったんです」
話し合いの末、一緒にいる意味がないという点で一致、円満に離婚したという。
コロナが騒動になったとき、「あの仕事人間の彼が、在宅勤務になってどうしているんだろう」とサトミさんはすぐに思った。
「連絡をくれた彼が、『サトミみたいな仕事人間が、在宅勤務になってどうしているのかと思って』と言ったので大笑いしました。まったく同じことを考えていた」
ふたりとも週に1、2回の出社だとわかり、久しぶりに会った。天気のいい日にコーヒー片手に公園でおしゃべりをしたのだという。
「学生時代みたいですよね。それからは時間を合わせてときどき会うようになりました。積もる話がありすぎて」
やっぱり一緒にいていちばん楽しいのは元夫だとサトミさんは再確認した。恋人としてなのか友だちとしてなのかはわからないが、彼との縁は切りたくなかった。
「彼のほうも、またつきあってみようかと言い出しています。再スタートというのもいいなと思うんですよね。結婚して、お互いに『相手をわかったつもり』になっているところが多々あったはずだから、それを全部さらにして、ゼロからつきあってみる。またすれ違いが生じるかもしれませんが、とにかく大事な人であることはわかったから」
大事な人とは縁をつないでいきたい。コロナ禍で、さまざまな関係が分断されていく中、サトミさんは彼の存在の重要性を改めて感じているという。
【関連記事】
・夫を嫌いになりたくない…セカンドパートナーとつきあう女性の言い分
・コロナ禍、夫を「つくづく他人だなあ」と思う瞬間
・「もう、夫はいらない…」。離婚というゴールに向けて罵り合う虚しさ
・コロナでレスに……コロナを巡る夫婦の温度差
・妻からの「いきなり離婚」……離婚理由が分からない男たち