定年・退職のお金/老後の生活設計・ライフプラン

40代からはじめる豊かな老後を迎えるための3つの戦略

「40代で老後の準備なんてまだ早い」「老後の準備は定年前に始めれば十分」と思っていませんか? 40代で老後の準備をはじめるのは決して早くはありません。40代からはじめる準備方法を「お金」「キャリア」「生きがい」の視点からご紹介します。

小沢 美奈子

執筆者:小沢 美奈子

お金が貯められない人の貯金術や節約術ガイド

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老後の準備をはじめるのは40代がベストタイミング

「40代で老後の準備なんてまだ早い」「老後の準備は50代に入ってからで十分」と思っていませんか?

いえいえ、40代で老後の準備をはじめるのは決して早くはありません。なぜなら、人生100年時代といわれる昨今において、老後が長くなる可能性は大きく、自分らしい老後を過ごすためには、少しでも早く準備をはじめることが重要だからです。その上40代は50代に比べて若くて体力もまだありますし、老後資金の資産形成の観点からしても、準備できる期間が十分あります。つまり、老後の準備は、少し早いと思われる40代からはじめるのがベストなのです。

そこで当コラムでは、40代からはじめる老後の準備方法を、「お金」「キャリア」「生きがい」の3つの視点からご紹介します。
セカンドライフの準備は40代からはじめよう!

セカンドライフの準備は40代からはじめよう!

 

【その1:家計戦略】40代からの「老後のお金」準備ポイント

40代の皆さんが老後資金を準備する前にまず確認すべきことがあります。それは、「自分の公的年金の金額を調べること」です。

総務省が発表している家計調査報告(2019年度)によると、高齢夫婦無職世帯の家計における「収入」の約9割(91.3%)は「社会保障給付」となっています。社会保障給付の1つである「年金」が、老後の収入の柱になっていることが考えられます。まず年金額を調べてほしいとお伝えした理由は、年金額を知っておけば老後資金が具体的にイメージしやすくなるからなのです。

なお、自分の年金額は、日本年金機構が運営するサイト「ねんきんネット」で調べることが可能です。「ねんきんネット」では、自分の年金記録を確認できるほか、自分の年金保険料の支払状況に応じた将来の年金額を試算することもできます。
将来受け取る年金額は「ねんきんネット」で確認できる

将来受け取る年金額は「ねんきんネット」で確認できる



ほかにも、勤務先の退職金制度を確認しておくことも重要です。ひと昔前は、会社の退職金や企業年金制度などで老後資金が賄える時代もありましたが、今はそうではありません。40代のうちに把握しておけば、50代より準備できる期間が長くなります。ぜひ確認しておきましょう。

自分の老後の収入がある程度分かったら、次は、老後の収入を増やすための対策を講じておきましょう。おすすめなのが個人型確定拠出年金(イデコ)への加入です。イデコは、公的年金を補うための私的年金制度の1つで、自分で金融機関に申し込んではじめることができます。

加入者は毎月お金を積み立てながら運用し、積み立てられたお金を60歳以降に年金または一時金で受け取ることができます。イデコをおすすめする大きな理由が、税制優遇があること。積み立てたお金は、所得控除の対象になるほか、運用益にも税金がかからず、積み立てたお金を受け取る際も所得控除の対象にもなるのです。

もちろんイデコのメリットを最大限生かすなら、40代の少しでも早いうちにはじめておくことが有効です。イデコについては「iDeCo公式サイト」で確認してみましょう。
 

【その2:セカンドキャリア戦略】40代からはじめる準備ポイント

厚生労働省の調査資料によると、2018年の平均寿命は男性が81.25歳、女性は87.32歳となっていて、毎年伸び続けています。寿命の伸長に伴い、セカンドライフの期間も長くなっており、長いセカンドライフを支えるために働く高齢者は増えています。

とはいえ、高齢者の誰もが自分が希望する職種に就けるとは限らず、中には、自分のキャリアとは全く異なった職に就くことを余儀なくされている高齢者もいるといいます。

自分が望む職種に就くためにも、セカンドキャリアに向けた準備は早くはじめてほしいと思います。まだ体力があり柔軟性のある考え方もできる40代からはじめておきましょう。

具体的には
  • 定年後にやりたい仕事をある程度決めておく
  • 必要となる資格の取得やスキルアップをする
  • 職種によっては副業をするなどで経験値を高めておく
  • 人脈を築いておく
などが考えられます。

また内閣府の「日本経済2017-2018」には、次のようなことが述べられています。

最近の技術進歩はこれまで以上に変化のスピードが早い。就業期間が長期化するにもかかわらず、外部環境の変化が激しければスキルが陳腐化しやすいため、年齢にかかわらず定期的にスキルをアップデートすることが必要となる。事務的な仕事はAI等に代替されやすくなってきており、技能のアップデート以外にも、学び直しを行っていかないと労働市場で失業する確率が高くなる可能性もある。


1つのスキルでキャリアを形成することが難しくなっている現代では、学び直しはもちろん、現役時代のうちに複数のキャリアを持つことも、安心の老後を迎えるための防衛策になるでしょう。
 
人脈を広げておくことも大切

人脈を広げておくことも大切

 

【その3:生きがいづくり戦略】

「生きがい」をつくるといえば、趣味を持つことが考えられます。もちろん趣味も大事ですが、同じくらい大切なのが「人付き合い」をすることです。とりわけセカンドライフでは、人との交流が「生きがい」につながることは少なくありません。

できれば40代のうちから、勤務先の以外の人と交流することを意識しましょう。たとえば、地域のイベントに参加したり、異業種の人が集まる会合や勉強会グループに入会したりして、人付き合いの輪を広げていきましょう。そのような付き合いの中から、転職の話が転がり込む可能性も考えられます。

会社という枠の中に納まっているだけではなく、視野を広げて自分の可能性を広げてみてください。

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