カラーコーディネート

牛乳パッケージの「白と青」の配色にはワケがある!?

牛乳にもさまざまな商品がありますが、パッケージは白と青の配色のものが多いですよね。人間は目で料理を味わうというように、牛乳を飲むときも、気づかないうちに色の影響を受けていることがあります。牛乳のパッケージの青にも、意外な効果が潜んでいます。

松本 英恵

執筆者:松本 英恵

カラーコーディネートガイド

<目次>

牛乳パッケージの配色の秘密

牛乳パッケージの配色

牛乳パッケージの配色

スーパーで買物する際に、あなたはどのくらい時間をかけていますか? ある調査によると、最も多い滞在時間は10分。来店者の90%は20分以内に買物を済ませて退店することがわかりました。

事前に買うものを決めている場合は、目当ての商品がある売り場に直行し、速やかに会計を済ませて退店する……という流れになります。このような買物の仕方であれば、10分くらいで買物を済ませることができそうです。

しかし、お店の規模にもよりますが、スーパーには1万点を超える商品が陳列されています。店内をまわり、陳列された商品を視野に入れて、買うかどうかの判断をしていると、20分くらいかかりそうです。
 

スーパーに必ずある「4白」とは?

スーパー業界で、「4白」と呼ばれる商品があるのをご存知でしょうか? 「4白」とは、「牛乳」「パン」「卵」「豆腐」のこと。これらの商品は、家庭でよく使うもので、日持ちしないため、スーパーにとっては、お客様に来ていただくためにはとても大事な商品です。スーパーをよく利用する人は、この「4白」の品揃えが豊富で、在庫切れしていないスーパーを選んでいるのではないでしょうか。

乳製品売り場に行くと、ヨーグルト、チーズ、マーガリンなど、さまざまな商品があります。最も大きな面積を占めているのが、牛乳です。牛乳のパッケージの形状は、どのメーカーも同じ。牛乳売り場を観察していると、大半の人は、デザインを確かめたり、品名や説明書きなどはほとんど見ないで、瞬時に目当ての牛乳を買物カゴに入れています。

牛乳のように、購入に至るまでの意思決定時間が短い商品を「最寄品」と呼びます。最寄品の多くはパッケージの色が購入の決め手となっています。
 

牛乳の売り上げトップ3はあのブランド

日本の大手乳業メーカーといえば、明治乳業、森永乳業、雪印メグミルクの3社です。

「明治おいしい牛乳」のパッケージのメインカラーは白、白い背景に商品名が縦書きでレイアウトされています。パッケージ上部に明るい青があしらわれており、「明治おいしい低脂肪乳」は濃い青、「明治おいしいミルク カルシウム」は水色というように、明るさの異なる青で種類の違いがわかるようになっています。

「森永のおいしい牛乳」のパッケージのメインカラーは濃い青。濃い青の背景に牛乳瓶がデザインされており、横書きされた商品名が右肩上がりにレイアウトされています。「森永のおいしい低脂肪牛乳」は水色、「森永のおいしい無脂肪牛乳」は緑というように、メインカラーの色を変えて種類の違いを示しています。

明治と森永は商品名がほぼ同じで、パッケージの配色も似ています。牛乳の銘柄にこだわりのない方もいらっしゃいますが、どちらか一方の銘柄を買うと決めている人は、売り場でほとんど迷うことなく、目当ての牛乳を手に取っているはずです。

「雪印メグミルク牛乳」のパッケージは赤。赤を背景に、雪の結晶のようにも見える白がデザインされ、その中に縦書きの商品名がレイアウトされています。牛乳のパッケージは、白と青の配色が多いので、赤いパッケージは目立ちます。「雪印メグミルク牛乳」を買うと決めている人は、間違えて別の銘柄を購入することはまずないでしょう。
 

パッケージの青は牛乳を美味しく見せる効果も?

スーパーで購入した牛乳を自宅で飲むときは、冷蔵庫から取り出して、グラスに注ぎますよね。パッケージの青を見た後に、グラスに目を移すと、白い牛乳がわずかにクリーム色を帯びて見えることがあります。これは心理補色、継時対比と呼ばれる現象で、青の補色である黄色が残像として現れるために起きます。真っ白い牛乳はさっぱり、クリーム色を帯びた牛乳はコクがあるように感じられるのではないでしょうか。

牛乳の美味しさを表現する際に、「あっさりしているけれど、コクがある」「コクがあるのに、後味はさっぱりしている」というように、対照的な言葉が用いられることがあります。料理は目で味わうというように、牛乳を飲むときも、気づかないうちに色の影響を受けていることがあります。牛乳のパッケージの青にも意外な効果が潜んでいるのです。


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