手足の冷え、指先のかじかみ……日常的につらい冷えの悩み
なかなか改善しない「冷え」の悩み。治療が必要な病気ではないと言われても、気になるものです。運動で効果的に改善する方法は?
また、アスリートの中にも冷える季節は手や足先の感覚が鈍ってしまい、いつも通りのパフォーマンスを出すのに工夫が必要だったり、手指のケガをしてしまった際にも血行不良などでいつもよりも治りにくく感じたりといった不調に悩まされる選手もいます。
冷え性とは……診断名・病名ではなく、あくまでも自覚症状
「冷え性」とは、一般的に手や足先など体の末端部や、体全体が冷たく、つらさを感じる自覚症状のことを指します。これは西洋医学的な診断名がつくものではなく、直腸温が35℃を下回る低体温とは別に考える必要があります(※1)。つまり、冷え性そのものは病気ではありません。
とはいえ、自覚症状としてはつらいものに変わりはありません。こうした冷えによる体調不良を改善するためには、冷え性をもたらす要因を理解し、できることから対処していくことが大切です。
冷え・冷え性の改善法……血行不良改善やストレス解消など
冷えを感じる要因には、様々なものが挙げられます。気温が低くなり、体温を奪われないように筋肉が縮こまることで血行不良を起こしている場合もあれば、睡眠不足やストレスなどから自律神経のバランスが崩れ、体温調節がうまく機能していない場合もあるようです。また、冷たいものをとりすぎて体の中から冷えてしまっている方や、運動不足による筋肉の衰えによって体内から産出される熱が減少し、体が冷えやすくなっている方もいます。
自分でできる冷え性対策法としては、こうした要因を一つずつ改善していくのがよいでしょう。ストレッチによって縮こまった筋肉を伸ばし、トレーニングなどによって体全体の筋肉量をアップさせることは、運動不足を解消すると同時に、冷え性対策にもつながります。
冷え性改善ストレッチにおすすめの「ふくらはぎストレッチ」
後ろ足の膝を伸ばすと腓腹筋、曲げるとヒラメ筋がそれぞれ伸びる
- 立った状態で足を前後に軽く開く
- 後ろにある足のかかとをしっかり地面につけた状態で、体をやや前に倒す ※腰を曲げないよう注意し、体重を前側の足にかけることがポイントです
- この状態で後ろ足のふくらはぎをゆっくりと10~15秒程度伸ばす
上記の3手順を、足を入れ替えて反対側も同じように行います。後ろ側に位置する足の膝を伸ばした状態で行うと腓腹筋、膝を曲げた状態で行うとヒラメ筋のストレッチになります。できればどちらも行うようにしましょう。
冷えに悩む方、運動習慣がない方へのアドバイス
日常的に感じる冷えの悩みや冷え性は、生活習慣の見直しとともに運動によって改善が期待できるものです。今回ご紹介したふくらはぎのストレッチは、家事の合間などにも手軽に取り組むことができます。体が冷えてつらいという方は、まずこうした運動を毎日の習慣として始めてみてはいかがでしょうか。■参考サイト
※1: 低体温(健康長寿ネット)