歩くと痛む「ウオノメ」……皮膚科受診も多い、よくある病変

ウオノメによる足の痛みイメージ

痛みがひどくなると歩くのも辛くなるウオノメ。適切な治療法は?


「足の裏にできもの(イボ)ができてしまって、歩くと痛い」という訴えで、皮膚科を受診されるウオノメの患者さんは多いです。ウオノメは、イボなどの皮膚のできものとは別のもので、削れば一度は厚みが減って痛みもなくなります。しかし、根本的な解決ができていなければ、しばらくするとまた同じ部分が厚くなり、痛みが再発してしまいます。
 

ウオノメとは何か……正式には「鶏眼」・原因とできやすい部位

ウオノメは「魚の目」とも表記されますが、医学用語で正確には「鶏眼(けいがん)」、英語ではcornと呼ばれます。

皮膚に荷重がかかることが原因で、その部分が分厚くなってしまう「角質の肥厚」で、冒頭でお話した通り、できものではありません。通常、足の裏や足の指の、体重がかかりやすかったり靴や指で圧迫されたりする部分にできます。タコと違い、真ん中に特に角質が厚くなった芯があり、圧迫されたときに痛みを感じます。
 

ウオノメはうつる? 感染しないがウイルス性のイボとの見分けは大切

ウオノメは角質が盛り上がっているだけのものなので、うつることはありません。人によっては一度に複数できることもありますが、うつっているわけではなく、体重のかかりやすいところに複数できてしまっただけです。
 
ただし、ウオノメだと思っていても、黒い点やがさがさが真ん中にあるものなどはウイルス性のイボのことがあります。ウイルス性のイボの場合はうつります。
 

魚の目が悪化するとどうなるか……痛み・傷の拡大・膿など

ウオノメが悪化すると痛みが増し、時にはウオノメの下の部分がえぐれて傷になったり、膿がたまることがあります。ウオノメの厚くなった皮膚にその下の皮膚が圧迫されて傷害されてしまうことが原因です。
 
その場合にはウオノメの部分を削り落として、下の傷になった部分を治療しなければなりません。痛みが強いウオノメの場合は皮膚科を受診しましょう。
 

ウオノメの芯は取った方がよい? 自分で除去する方法も

ウオノメに痛みがない場合は、無理に除去する必要はありません。痛みが強い場合は、ウオノメの部分を削り取ることになります。
 
皮膚科で処置できますが、できてしまったウオノメを自分で削っている方もいらっしゃいます。柄がついていて刃を換える方式の「コーンカッター」(うおのめは英語でCorn、コーンと呼ばれているため)などは、ネットなどでも購入できます。上手に削れている方もいますので、もし慣れていらっしゃるなら自分で削ることも可能です。ただ場所によっては自分では削りにくく、削りすぎて出血して傷になってしまう恐れもあるので、基本的には皮膚科を受診して削る処置を受けるようにした方が無難です。
 

市販のウオノメ治療薬・スピール膏の効果・注意点・選び方のポイント

ウオノメの治療薬としては「スピール膏」と呼ばれる濃度の高いサリチル酸があります。スピール膏は保険適応で処方薬でもありますが、スピール膏が付着したテープが市販されています。サリチル酸には角質を溶かす作用がありますので、濃度の高いものをテープとして貼り付けることで、効果を上げることができます。『スピール膏〇〇』や『イボコロリ』といった名称で販売されているテープ類がこれに該当します。
 
これを根気よくウオノメのところに貼り続けると、次第に白くふやけて、ウオノメが剥がれて落ちることがあります。ときには一ヶ月以上かかることもありますので、根気よく貼り続けることが大事です。剥がれなければ3日間ほど貼りっぱなしでも大丈夫なのですが、足の場合はシャワーでふやけてしまいやすいので、毎日貼り直すことが多いでしょう。
 

ウオノメで皮膚科受診する目安は痛みの強さ(※糖尿病の場合は要注意)

痛みが強く、歩くのに支障を来す場合には、皮膚科を受診した方がよいです。ウオノメの下が膿んでしまっていたり、感染していたりすることもあります。
 
特に糖尿病のある方は痛みを感じにくく、気づいたときにはウオノメから感染が起き、重症化していることがあります。私が過去に診たケースでも、糖尿病のある方のウオノメから感染が起こり、そこから大型の傷になってしまい、外来通院では治らずに入院しての治療になってしまった方がいました。たかがウオノメとあなどらず、痛みが強い場合や傷になっている場合は必ずクリニックを受診しましょう。
 

皮膚科のウオノメ治療法も「削り取り」・イボの場合は液体窒素治療

皮膚科でのウオノメの治療法も、物理的に削って角質の厚みを取る方法が一般的です。保険適応で月2回まで削ることができます。処置自体は3割負担ですと1000円もかかりません。

皮膚科のクリニックではカミソリ、メス、コーンカッター(長い柄に刃をセットして、浅く広くウオノメを削る)、キュレット(小型のウオノメを削る器具)など、複数の削る器具を用意していることが一般的ですので、自宅で削るよりもきれいに削り取ることができます。
 
先述の通り、患者さん本人がウオノメだと思っていても、診察するとウイルス性のイボだったというケースは多々あります。特にお子さんの場合はウオノメは通常できにくいので、ウオノメだと思って受診された場合のほとんどがイボです。イボの場合は削るだけでは治らず、液体窒素などでの治療が必要になります。
 

ウオノメの再発予防に靴なども見直しを

ウオノメはできものだと思われていますが、実際には角質が厚くなって真ん中が芯になったものです。痛みが強い場合は削って痛みをとりましょう。削ってしばらく出なくなることもありますが、多くの場合は2~3ヶ月もすれば同じように荷重がかかっていると再発します。靴を歩きやすいものや圧迫されにくいものにする、などの工夫も役に立つことがあります。
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