運動と健康

1日2セットで効果!簡単な尿漏れ改善体操

【アスレティックトレーナーが解説】お腹に力を入れたときに起こる「腹圧性尿失禁」。骨盤底筋を効果的に鍛えたいなら、1日2セットで効果を実感できるワイドスクワットがおすすめです。具体的な方法と、無理なく習慣化させるコツをご紹介します。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

腹圧性尿失禁とは……お腹に力を入れると起こる尿漏れ

骨盤底筋群の鍛え方

多くの女性が悩んでいる尿漏れ。骨盤底筋を鍛えて自分で改善することが可能です

多くの女性が悩んでいる「尿漏れ」。医学的には「尿失禁」と呼ばれるもので、大きく「腹圧性尿失禁」「切迫性尿失禁」「溢流性(いつりゅうせい)尿失禁」「機能性尿失禁」の4つの種類に分けられます。この中で最も多いのが「腹圧性尿失禁」です。

簡単に言うと「お腹に力を入れたときに尿漏れしてしまう」タイプで、咳やくしゃみ、ちょっとした運動、家事で重いものを持ち上げたときなどに尿漏れしてしまうため、相談できずに悩みを抱えている女性は多いようです。
 

骨盤底筋の鍛え方……腹圧性尿失禁による尿漏れは自分で改善可能

「腹圧性尿失禁」の場合、腹圧が高まることで尿漏れが起きてしまいますが、腹圧は、天井部分を横隔膜、底の部分をハンモック状に支えている骨盤底筋によって担われています。この底の部分である骨盤底筋の筋力が衰えると、腹圧が高まった動作で尿が漏れてしまうのです。

しかし、骨盤底筋も他の筋肉と同じように自分自身で鍛えることができる筋肉です。骨盤底筋を鍛えることで尿漏れは改善できます。その周囲にある内転筋や臀筋、腹筋などと一緒に鍛えるとさらに効果的ですので、効率よい筋トレを習慣化していきましょう。
 

1日2セットで効果! 骨盤底筋を鍛える体操

骨盤底筋を鍛える方法はたくさんありますが、ここでは1日2セットでも効果が実感できるワイドスクワットをご紹介します。膝と股関節を同時に曲げて体を沈み込ませるスクワットは下肢だけではなく、体幹なども鍛えられます。

■ワイドスクワットの仕方
肩幅よりも広く両足を広げて立ちましょう。特に骨盤底筋を刺激する場合は、足幅を通常よりもやや広げたワイドスタンスのスクワットを行うのが効果的。力士の四股踏みを意識するとわかりやすいと思います。

次に、息を吐きながら、お尻の穴を引き締めるようにして腰を落とします。床と太ももが平行になるくらいまでしゃがみ込んだら、その状態を10秒程度キープしてから、元の位置に戻ります。

この流れを1回として1セット5回以上を目安に、朝・晩など1日2セット行いましょう。
 

尿漏れ改善体操を習慣化させるコツ

運動は「意志の力」だけに頼ってしまうと、「今日は疲れているから」「忙しいから」とどうしても続けるのが難しくなってきます。運動を続けるコツは「いつも必ず行う行動とセットにする」こと。トイレから出たらその後にエクササイズを行う、歯みがきをするときにエクササイズを行うといったパターンを決めてしまうと、比較的習慣化しやすくなると思います。

骨盤底筋のトレーニングを始めても、すぐに筋肉が強化されるわけではないため、最初は効果がわからいにくいかもしれません。しかし正しいエクササイズを続けていけば、感覚の違いを実感できると思います。「尿漏れは自分で改善することができる」ということを、ぜひ運動を通して実感してください。

■参考
尿が漏れる・尿失禁がある(日本泌尿器科学会)
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