40歳以上の女性4割が経験する「尿漏れ」の悩み
人には相談しにくい尿漏れの悩み。実に4割もの女性が尿漏れを経験しています
日本泌尿器科学会のウェブサイトによると、40歳以上の女性の4割以上が尿失禁(尿漏れ)を経験しているようです。20~30代の女性でも妊娠・出産をきっかけに尿漏れを起こすことがあるため、年代を問わず尿漏れの悩みを抱えている女性は少なくないでしょう。腹圧の高まる咳やくしゃみなどはもちろん、走ったりジャンプしたりといった動作で尿漏れしてしまうこともあるため、子どもと一緒に運動をすることにためらいのあるお母さんもいらっしゃるようです。
お腹に力を入れたときに起こる尿漏れを「腹圧性尿失禁」といいます。腹圧性尿失禁は、出産経験や加齢などによって骨盤の底をハンモックのように支えている「骨盤底筋群」の筋力が低下することが原因で起こると考えられています。
骨盤底筋とは……40代以降でも筋肉を鍛えることは可能!
骨盤の底をハンモックのように支えている「骨盤底筋群」
「骨盤底筋」と聞いてもイメージしにくいかもしれませんが、クッションやタオルの上に座ったとき、それらが接触しているとわかる部分が「骨盤底筋群」です。「自転車に乗ったときサドルに当たる部分」と考えるとわかりやすいかもしれません。
衰えてしまった骨盤底筋も、トレーニングによって鍛えることができます。骨盤底筋を強化すれば、尿漏れなどの排泄トラブルの軽減にも役立ちます。筋肉は年齢を問わず、使わなければ衰えていきますし、刺激を与えて使うと鍛えることができます。思い立ったら今日からさっそく骨盤底筋を意識したトレーニングを始めてみましょう。
骨盤底筋を鍛える呼吸法で無理なくできるトレーニング
骨盤底筋を鍛える筋力トレーニングや体操は多々ありますが、まずは呼吸を意識し、骨盤底筋を意識するトレーニングから始めてみましょう。日常生活の中でも無理なくできるので、さっそく今日から取り入れてみてください。■呼吸によって骨盤底筋を意識するトレーニング法
まず骨盤底筋の正しい位置を理解しましょう。体の内部に存在する腹圧は横隔膜と骨盤底筋によってコントロールされるため、呼吸によっても骨盤底筋をしめたり、ゆるめたりすることができます。
大きく息を吸い込むと横隔膜の位置は下がり、同じように骨盤底筋も収縮して下がります。反対に大きく息を吐くと横隔膜の位置は上がり、骨盤底筋はゆるんで上がります。このように意識してゆっくりと呼吸を繰り返してみましょう。10回程度を目安とし、朝と晩、もしくはすき間時間に行ってみましょう。慣れてきたら息を吐くときにお尻を引き締めるようにすると、骨盤底筋を鍛えることができます。
尿漏れの不安で行動範囲を狭める前に、できることから改善を
日常会話で尿漏れに関する話題が出ることはあまりないかもしれませんが、データからも尿漏れなどの排泄トラブルを抱えている女性は少なくないことがわかります。加齢に伴う筋力低下はその一因ですので、ターゲットとなる筋肉である「骨盤底筋」を意識して鍛えると、改善が期待できます。尿漏れが不安で行動範囲が狭くなってしまうと、さらに筋力低下につながる悪循環に陥ってしまうこともあります。自宅でできる骨盤底筋のトレーニングを行い、アクティブに日常生活を過ごしてほしいと思います。