子育て

日本のママはなぜ気にしすぎ?育児中は、さらにその度合いが倍増!?

日本のママは色々気にしすぎ? 心配性の人が多いといわれる日本人。育児中は、さらにその度合いが倍増する気がします。周りのママのこと、よそのお子さんのことが気になってしかたがない! そんなママの心理について見ていきます。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

日本のママは気にしすぎ? ママ友情報や育児本で右往左往!?

育児中、気にしすぎるママたち……

心配性の人が多いと言われる日本人、ママとなってもその傾向は健在

心配性の人が多いといわれる日本人。育児中は、さらにその度合いが倍増する気がします。

何でも調べられるネット時代でその傾向が強まっているのか、そもそも迷信を気にするあたり、やはり日本人の気にしすぎは昔からなのか……?

周りのママのこと、よそのお子さんのことが気になってしかたがない! そんなママの心理について見ていきます。
 
<目次>
 

自己観は文化が影響している

これまでテレビなどで海外の映像を見て、そこに映る人々の様子に、「なんて自由な人たちなんだろう」と思ったことはないでしょうか?

「暑いからって上半身ハダカで歩く!?」「え、大の大人がこんな大胆なことやる!?」とびっくりするような光景、ありますよね。逆に、あの開放感が海外旅行に行ったときの醍醐味でもあるのですが、なぜ同じ人間なのにこんなに違うのでしょうか?

それは自分の価値や存在をどこに見出すかというところに話がつながるのですが、日本人と欧米人では「自己」についての考え方が異なるといわれています。これを文化的自己観といい、東アジア文化と欧米文化がよく比較されます。

その概念によると、日本を含む東アジア文化では、自己を他者との結びつきや関係の中で見出しますが、欧米の人は、自己を他者とは区別される独立した存在と考えるとされています。つまり、日本人は周りとなじんでいることで「私、いい感じ」と思いますが、欧米人は、周りと違うことで「私、いい感じ」と感じやすいというわけです。心理学では、それぞれを相互協調的自己観、相互独立的自己観と呼びます。
 

自分だけ違うことに抵抗感を感じやすい国民性

振り返ってみれば、私たち日本人は、自分だけ違うと「悪目立ちしている」「浮いている」と感じてしまうこと多いですよね。みんながやっていることが何となく正しいように思え、しかもそれをやっていないと不安になってしまいます。

だから、はじめての妊娠、出産ともなると、周囲のママがやっていることを自分もやっておかないと不安になり、さらには子供同士を比べてはその違いが非常に気になってきてしまいます。

妊娠中のおすすめの食品、運動、過ごし方からはじまり、子供が生まれた以降は、母乳のこと、トイレトレのこと、さらに大きくなってきたら、子供のちょっとした言動に不安を感じネット検索……と何もかも気になってしかたがない。

「我が家は問題ないだろうか、普通にうまくやっているだろうか」を知りたくて、ネットや育児本で調べまくってしまったという方も多いと思います。相互協調的自己観を持つ私たち、だから、みんながやっていること、平均的なことが余計に気になってしまうのでしょう。以前はさほど気にしなかったという方でも、妊娠・出産・子育て期はあれこれ気になるようになったというケースも多いようです。
 

気にしすぎの日本人気質だからこそ心がけたいこと

私がふだん行っている育児相談でも、ママのお悩みが“相互協調的自己観”ゆえに発生していることは非常に多いです。

「行きたくないけど、とりあえず顔を出さなきゃ」

「A君はもう○○ができるのに、うちの子はまだ……」

「断ったら、周りのママにどう思われるか」

「ママ友付きあいって本当に疲れる」

自分と我が子が、所属している輪の中にきちんと形よくおさまっているかどうかが気になってしまうため、一歩外にはみ出してしまうことを危惧してしまうのです。

周りとの比較をやめ、自己流を貫ければ、すごく楽になるのでしょうが、そうはいかないのが日本人気質。だから私も、「比較するのはやめましょう」とは言いません。実際に断ち切るのはなかなか難しいからです。

ただ、そんな中でもできることはあります。たとえば、
  • A君と比較するのではなく、我が子の昨日と今日を比較してみる(進歩に気づきやすい)
  • 「そんなことやるとみんなに笑われちゃうよ」のような、他人の目線を交えた発言をしない
  • 何か決断をするときに、「私が○○と思うから、これにしよう」と私を主語にしてみる
気にしすぎの国民性ゆえ、他人の鏡に自分がどう映っているかで、自分の行動が左右されてしまうことが多い私たちですが、気にしすぎの性分だということを客観的に理解し、できるところから気をつけると、気持ちが少し楽になると思います。

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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