アドバイス1 通信費だけ見直して、今は収支プラスマイナスゼロになるように
ご病気の後遺症があるとのことですから、今は無理しないで、リハビリに専念されたほうがいいでしょう。経済的なご心配はわかりますが、ご主人の収入の範囲でなんとかやりくりできれば、大丈夫ですから、まずは体をいたわってください。現在、毎月の収入が18万円で、支出が18万8000円。8000円が赤字ですが、これは通信費を削減することで解決します。お2人で2万円の通信費は高すぎます。格安のスマホなどに乗り換えれば、2人分で1万円程度に収められるはずです。とにかく、今は、毎月の収支がトントンになるようにしてください。そこだけは、頑張って手続きしてください。
来年からは住居費が安くなりますが、購入後は、修繕積立金や管理費がかかってきます。それほど住居費が浮くわけではないと思いますが、少しでも貯蓄に回せるようになれば、生活はラクになると思います。
アドバイス2 体調次第でリハビリも兼ねて、なんとか月5万円働いて貯蓄を
来年の住居の引っ越しが終わってからでいいと思いますが、ナムナムさんの体調次第で、月5万円ぐらいを目標に働くことも検討してください。そのためにも今は、リハビリを頑張って、1年後には働く、という気持ちを持ってほしいと思います。働くのは収入を得る以上に、リハビリの意味もあります。社会とつながっていることが、心身両面のリハビリになるからです。無理は禁物ですが、働き方については、就労支援を受けられるよう、ハローワークや地域の社会福祉協議会などに、ご相談してみるといいでしょう。いきなり月5万円ではなくとも、そのときの体調でできる範囲の仕事で、少しずつ自信を取り戻していきましょう。こうして、マネープランクリニックに相談できるくらいなのですから、自信もってください。大丈夫ですよ。
仮に1年後から、月5万円程度の収入が得られれば、年間60万円貯蓄でき、5年で300万円になります。年金受給開始の65歳まで働ければ、780万円になります。このなかから、65歳までに住宅ローンの残りを繰り上げ返済で完済してしまえば、住宅費をさらに抑えることができます。繰り上げ返済は、どのくらい貯蓄できるかで変わってきますので、無理そうなら、そのままでも構いません。
ご主人が65歳まで働ければ、収支は現状維持、ナムナムさんが働いた分が貯蓄。ということになります。ご主人が65歳から月10万円の年金に、ナムナムさんの収入で、毎月の収支はトントン。ナムナムさんが65歳(ご主人71歳)からは2人の年金で14万円。これで収支トントン。そういう生活になります。現在1000万円の金融資産がありますから、毎月不足する分をそこから補うことになりますが、できるだけ取り崩しを遅らせられるように、考えていってほしいと思います。
アドバイス3 保険の見直しと、公的年金の加給年金特別加算の確認を
最後に、保険と投資についてですが、ご主人の死亡保障は現在のものでいいでしょう。ただ、医療保険が未加入なので、割安な医療保険、共済などで入院日額5000円程度を確保するといいでしょう。ナムナムさんご自身の保険は、現在の医療保険のままで大丈夫です。投資については、これ以上しなくてもいいです。それよりは、現預金を増やすことのほうが大事です。また、年金については、ご主人が65歳の年金受給開始時に、妻であるナムナムさん分の加給年金が支払われる可能性があります。ナムナムさんが65歳時点で、振替加算になりますが、現在想定している年金額より増える可能性もありますので、年金事務所で必ず確認するようにしてください。
ご病気で辛い思いをされたことと思います。これからもご夫婦で助け合い、体に無理のない生活をお過ごしください。
相談者「ナムナム」さんから寄せられた感想
アドバイスありがとうございました。とにかく何を始めればいいのかがわかって少し不安が減りました。私も通信費は高いと思っていたので見直そうと思います。あとは私の仕事を頑張って見つけようと思います。★「お金の悩みを解決!!マネープランクリニック」の過去記事はコチラへ
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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など
取材・文/伊藤加奈子
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