子供が大好きと言ってくる心理とは
子供に大好きと言われるのは嬉しいけれど、あまりに連呼されると逆に心配に……
そんな我が子の大好きアピールが何だか気になってしまうということはありませんか?
この記事では、子供が「大好き」と言いたがる背景にあるもの、そしてそんな子供の心理が気になってしまう母親の心理について見ていきます。
子供の大好き発信、昔よりも増えた気がする!?
先日、こんなご相談を受けました。たしかに、自分たちが子供の頃と比べ、子供たちが「大好き♡」と言ったり、書いたりする頻度は格段に上がっている気がします。ただ私は、この変化は、単純に時代によるものではないかなと考えています。昭和の時代よりも、大人も含め、好き好きを言うようになったから(欧米化?)、それが子供にも普通に受け入れられているのではないかと。子供が友達に手紙を書くとき、“○○ちゃん大好き“とよく書きます。そして友達からも「大好き」と書かれた手紙をよくもらってきます。さらには私にも手紙で大好き、そして面と向かって“ママ大好き~”。自分が小学生だったときは、友達への手紙で大好きと書いたことはない気がしますし、あとは母親にも大好き大好きと連呼した記憶もありません。だから余計に気になって……。何かしら理由があるのでしょうか?
私は長いことヨーロッパに住んでいるので日々感じていますが、欧米人は「I love」「I like」発言が本当に大好きです。そしてもれなく子供たちはその影響を受けて育っていきます。ここ数十年で世界が様変わりし、その最中で私たちが受けてきた刺激が、子供たちにも伝わっているのではというのが私の推測です。
ですので、この大好き連呼に関しては、自分たちの時代と比べて大きく変わってきた結果と捉えて、気にされなくていいと思います。
心理職として目が行ったのは子供の連呼よりもママの気持ち
このご相談を受けて、私がむしろ目を向けたのは、「大好き」と言いたがる子供がなぜか気になってしまう……という親の心理の方です。「こんなに大好き大好きばかり言うのって、なにか心理的な○○があるからなのかな」と心配してしまったりする部分も少なからずあるのではないかと。たとえば、
「愛情不足だからなのではないか」
「心に葛藤を抱えているからなのではないか」
「寂しい思いの裏返しなのではないか」
など、何かしらの心の欲求が「大好きに表れているのでは?」と気になってしまうことがあるのではと感じたのです。
親は心配することが業となっている
「子供は遊ぶのが仕事」といわれますが、「親は心配するのが仕事」ということ、多分にあると思います。子育ての悩みは一難去ってまた一難、次々とやってくる気がしますが、自ら拾いにいっている悩みもあるのでしょうね。もちろん、私自身も含めてのことです。そう考えると、親って本当に大変な仕事だと思います。いうなれば“心配業”。心配することが業となっているのですから、身もすり減りますし、ストレスもたまります。
もちろん、我が子可愛さゆえの心配ですし、心配したって仕方がないと頭ではわかっているときも多々あるのですが、だからといって、ロボットじゃないので、スイッチ1つで自分の気持ちをコントロールできるわけではありません。矛盾や葛藤だって溢れかえっています。
今回は、子供の大好き発言の裏にある親の杞憂を例として取り上げましたが、こんな“わかっているけどやめられない心配”や“余計に勘ぐってしまって生まれる心配”、みなさんもご経験ないでしょうか?
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