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現在、法人化を果たしてFenrir& Co.を設立した柏木氏は、一企業家の顔を持つことになった今でも、「心はいつもフリーソフト作家でありたい」という。コンピュータの面白さに目覚めた学生時代のきっかけから、フリーソフト作家としての活動を始めた経緯、そしてフリーソフトに懸ける思いについて聞いた。
CONTENTS
■コンピュータとの出会い、そしてフリーソフト作家へ
■起業の契機と“フリーソフト文化”
■タブブラウザ「Grani」に託すFenrir& Co.の“願い”
コンピュータとの出会い、そしてフリーソフト作家へ
法人化以前に個人で開設したソフトウェア配布サイトは今も健在。Sleipnirのほかにも画像処理ソフトPictBearなど秀逸なソフトが多数、公開されている |
ブラウザの開発に着手したのも、日頃よく使うソフトウェアの開発の一環だったという柏木氏。
「もともと他のフリーソフトのブラウザを使っていたんですが、自分の好みに合わせられませんでした。だったら使用者が自分好みにカスタマイズできるブラウザを創ろうと。ブラウザの開発自体は表面(ユーザインターフェース部分)だけでしたので、技術的にもさほど難しくありませんでした。これがSleipnirの原型です。それをオンラインで公開したら好評だったんです。」
Sleipnirを公開した時点では、大学を卒業して会社員として働いていた。仕事とフリーソフト開発の両立には、時間的にも労力的にも苦労があったというが、その状況でソフト開発のモチベーションの支えとなったのがユーザからの励ましのメールだったという。
「一度、空き巣に遭ってバージョンアップ開発中のSleipnirのプログラムデータがPCごと無くなったということがありました。愕然としました。到底、ソフトの再開発は無理だろうというくらい落ち込みましたが、そのときに立ち直る力をくれたのもSleipnirユーザのみなさんからのメールでした。『(盗まれたPCの)型番を教えてくれたら探すよ』なんて言ってくれる人もいてとても嬉しかったです。」
ショックから立ち直った柏木氏はSleipnirを一から開発しなおすことを決意。またそれが、Fenrir & Co. を設立するうえでの契機となった。
次のページでは会社設立の真意とフリーソフトに懸ける想いに肉迫!