フリーソフト・シェアウェア/ブラウザ

Sleipnir作者 柏木泰幸氏インタビュー(2ページ目)

カスタマイズに特化したタブブラウザ「Sleipnir」の生みの親、柏木泰幸氏。若干24歳にしてFenrir& Co.代表という起業家の顔も併せ持つフリーソフト作家に、作品そしてフリーソフトへの熱い想いを聞く!

執筆者:吉原 克

起業の契機と“フリーソフト文化”

Fenrir& Co.公式サイト
Fenrir& Co.の公式サイト
「Sleipnirユーザのみなさんからたくさんのメールをもらって、こんなにおおくの人たちが自分の開発するソフトを待っていてくれているのかと感慨を新たにしました。その期待にきちんと応えたいと強く思いました。そして、そのためには仕事の片手間での開発では無理だと判断しました。それが『起業』という選択に踏み切った最大の理由です。」
利益追求を第一ではなく、ソフトウェアを通じて幸福を提供する会社にしたいという発言の裏には、フリーソフト哲学ともいえる柏木氏のこだわりがある。
「『持ちつ持たれつ』がフリーソフトの一番の魅力ですよね。お互い幸福を感じられるというか。」
開発者は無料でソフトウェアを提供する代わりに、ユーザからのフィードバックを受けることができる。それにより不具合を修正したり、自らのソフトウェア開発能力を高めることができるわけだ。一方、ユーザは自己責任の範囲内でフリーソフトを利用することで、作業の効率化など「そのソフトがなければできないこと」を実現できる。金銭を介することなく、お互いが得をする・嬉しくなる、Win-Winの仕組みがそこにはあるのだ。

WinFD配布サイト
FDの流れを踏襲したWindows向けファイラーソフト「WinFD」は出射 厚 氏の遺志を継ぐ高橋直人氏のサイトで配布されている
「自分自身、FD(=故・出射 厚氏が開発したMS-DOS用ファイラーソフト)を使ってみて衝撃を受けました。どうしてこんな便利なものが無料なんだろう?って。当時(=MS-DOS全盛期)はコンピュータユーザの間に、ソフトウェアは開発者とユーザが互いに支えあって発展していくものだという文化が根付いていました。私はそのお互いに幸福を感じられる“フリーソフト文化”がこの先もずっと、コンピュータユーザの間で引き継がれていけば素晴らしいと考えています」
自分自身がフリーソフト作家として便利なソフトを無料で世の中に提供し続けることでフリーソフトの概念がユーザに根付き、後続のフリーソフト作家が続々、誕生してくれることを願うという柏木氏。そしてフリーソフトを通じて幸福を感じられる世の中にしたい。その想いは、Fenrir& Co. の新プロダクトであるタブブラウザGrani(グラニ)にも表れている。


次のページでは、Frnrir& Co. の新プロダクト「Grani」とそこに込められた想いに迫る!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます