エンディングテーマは、イギリスの人気歌手、エリー・ゴールディングの『Still Falling For You』
アラフォーで独身だと、だんだん考えなくてはいけなくなるのが、自分は「子どもを産む人生」と「産まない人生」、どちらを選ぶのかということ。
「産む人生」を望んでいた女性が、恋人ではない男性の子を身ごもったらどうするのか。恋を諦めた自分の前に、億万長者のイケメンIT社長と、昔愛した弁護士の元カレが現れたら、どちらを選びたいと思うのか。
人気シリーズ映画第3弾の『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』は、そんなアラフォー独身女性の悩める選択を描いた作品です。
デリケートでシビアな内容をコミカルに!
私は恋愛コラムニストという仕事柄、色々な映画を観ていますが、この作品に出会ったときは、思わず人に話したくなりました。エッジの効いた脚本で、デリケートかつシビアな内容がコミカルに描かれているんです。ストーリーを簡単に説明しますね。
もし自分が主人公のブリジットだったら、「絶体絶命だぁ!」と思いそうです。43歳になったブリジット(レニー・ゼルウィガー)は、もう歳も歳だし、「あまりもったいぶらないで、Hを楽しもう!」なんて思った矢先、イケメンIT社長・ジャック(パトリック・デンプシー)と出会い、一夜を共にします。さらに数週間後には、元カレの弁護士・マーク(コリン・ファース)と再会し、気持ちが高ぶり、彼とも一晩を過ごします。
どちらとも関係を続けようとは思っていなかったブリジットですが、あるとき重大な事実が発覚します。「わたし、妊娠しているわ!」。43歳、子どもを持つには最後のチャンスかも。産みたい! でも、誰の子か分からない。
一応、2人の男性にそれぞれ「あなたの子ができた」と話すと、予想外に2人とも大喜び!(苦笑)。妊娠した喜び、2人の男性に対する罪悪感など、心の中がぐちゃぐちゃのまま、お腹の子供はどんどん大きくなっていき……。
「もし自分だったら?」と真剣に悩んでしまうストーリー
絶妙なのは、主人公の年齢が43歳というところ。最後になるかもしれないの出産のチャンスをどうするのか、そう簡単には決められないですしね。しかも男性2人は、どちらも父親として申し分ないとなると、とても迷うと思います。人によっては「そんなの出生前親子鑑定をすればいい」と冷静に考えるもの。ですが、作品中で登場した、お腹に針を刺して羊水で検査するタイプの検査を、ブリジットは「赤ちゃんに何かあったら」と拒否するんです。それも彼女らしさですよね。
いつか結婚して、子どもを産んで、家庭を築きたい……という希望を持ちつつ、アラフォーになっても独身でいる女性が、産まない人生でいこう、と決めるのは、ある意味覚悟に近い思いが必要。
そんな覚悟をそうそう持てないまま月日ばかり過ぎ、諦めの境地に入った女性にとって「自分だったらどうするのだろう?」と真剣に考えてしまうほどのおもしろさがあるんです。
自立したブリジットの決断に納得
さらに魅力的なのが「善悪」が出てくる作品ではないこと。大体こういった話だと、2人の父親候補のうち1人は嫌なヤツという展開が多いのですが、欠点はありながらも、両者とも素敵な人なんです。そして彼女自身は、父親が誰であろうが「1人でも生み育てよう」という覚悟を持っているほど自立した女性。だからこそ、むしろ2人の男性もサポートしたくなるのでしょう。
「どっちが父親なのか?」については、ぜひ映画を見ていただきたいところ。単にDNAだけが理由ではなく、その人を選ぶことの説得力が感じられる内容になっています。アラフォー婚活女性は、思わず感情移入してしまう作品ですよ。
DATA
Universal Pictures|ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期
公開:2016年
監督:シャロン・マグアイア
出演:レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース、パトリック・デンプシー