Q.借金返済と子育て、両立することは可能でしょうか

借金返済以降、二人目出産や住宅購入が可能か診ていただきたいです

借金返済以降、2人目出産や住宅購入が可能か診ていただきたいです

 
◆相談内容
「第2子を1年以内に希望していますが、今後教育費が足りるか心配です。以前行っていた自営業の関係で、2つの銀行に借金がありましたが1つは先月完済。残りの返済額は200万円で4年後に完済予定です。今月より5万円貯金を始め、借金完済後は月12万円ずつ貯金する予定です。この貯金の中から保育園代などの教育費を出し、残りは老後資金にと考えています。現在夫は会社員。私はパートでしたが、1年前の出産後、現在は1年半の育児休暇延長中。育児給付金は50%の8万円です。半年後に職場復帰した後は、夫の扶養に入り月8万円の収入になる予定です。また銀行のローン完済の4年後に、夫の実家の土地に1500万円程度の家を建てたいと思っています。教育費や老後資金が足りないようであれば、第2子は諦めようかと悩んでおります。アドバイスをいただけますでしょうか」
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◆相談者/けほさん(39歳女性・パート・既婚)
家族構成/夫44歳会社員、子ども1歳
住まい/東北

◆現在の家計収支の状況
手取り月収/40万円(夫32万円、妻8万円)

毎月の支出/約35万円
・主な支出内訳
住居費/7万円
車両費/2万円
食費・外食費/5万円
水道光熱費/4万円
通信費/2万円
小遣い/夫2万円
ローン返済/7万円
雑費/2万円
保険料/3万7000円(うち学資保険7500円)
夫:県民共済終身保険月1万4560円、死亡保険金400万円、入院1日6000円
妻:かんぽ生命の60歳払込済養老保険で月1万4550円
60歳満期保険金300万円、死亡保険金300万円、入院1日4500円、1回の入院につき2万2500円、入院中の手術9万円、外来手術2万2500円、放射線治療4万5000円

使途不明金の調整予備費/年60万円

毎月の貯蓄額/5万円
資産現預金/5万円

◆お子さんの希望進学条件

「小学校から高校まで公立、女の子なのでおそらく大学ではなく、短大か専門学校に進学すると思います」

◆教育費の貯蓄方法
「3カ月ほど前に学資保険に入りました。月7480円、小学校入学時5万円、中学校入学時10万円、高校入学時15万円、17歳で100万円もらえるタイプです」
 

A1.返済と子育ての両立を立派にされています。希望の条件で今後の家計を見てみましょう

夫婦共働きで収入がしっかりあり、生活費に無駄も見られません。また、借金をしっかり返済しながら子育てされているのは本当に立派だと思います。1点だけ指摘するならば、小さなお子様とご自宅で過ごす時間が長いことが原因と思われますが、水道光熱費はあと1万円節約できるのではないでしょうか。しかし、それ以上に毎月のローン返済7万円の負担が重く、しばらくは余裕のない状況が続くと思われます。

ではまず、1年後に第2子が生まれた場合、希望の条件だと家計がどう推移するか、キャッシュフローを見ていきましょう。

キャッシュフロー表
  5年後 10年後 15年後 20年後 25年後
49歳 54歳 59歳 64歳 69歳
44歳 49歳 54歳 59歳 64歳
第1子 6歳 11歳 16歳 21歳 26歳
第2子 4歳 9歳 14歳 19歳 24歳
収入合計 520 564 613 336 180
支出合計 675 504 560 546 446
総貯蓄額 -282 -17 213 -679 -1873
 
希望条件での25年間のキャッシュフロー目安

希望条件での25年間のキャッシュフロー目安


※金額の単位は万円
※夫の給与は年1%、生活費は年2%上昇する計算
※保育料は、月2万円+雑費1万円、2人目半額、3歳からは無償化だが雑費等を計上
※教育費は「平成28年度子供の学習費調査」(文部科学省)より平均的な額を算出
※車検や自動車税、固定資産税、自動車保険、火災・地震保険料、家電の買替、帰省や旅行等の把握しきれていないお金は使途不明金として年間60万円を計上
※1500万円の住宅ローンの借入れは、頭金200万円、20年返済、固定金利2%、毎月の返済額7万5882円、総返済額1821万1685円で計算
 

A2. 特別支出や保育料、教育費を考えると厳しい結果。収入を上げる選択が必要です

まず、必ず把握しておかないといけないことがあります。月の収入と支出を比較すると確かに「月5万円」の貯蓄が可能になっています。ただし年間にかかる支出というのは毎月の基本生活費、住居費や生命保険料だけではありません。車検代や自動車税、自動車保険、火災・地震保険料、家電の買替、帰省や旅行、冠婚葬祭費など、生活費とは別に発生する特別費があります。

家計によって50万円~100万円ほどかかりますが、毎月の生活費35万円のほかに特別費がいくら発生しているのか、書き出してみてください。今回のキャッシュフローでは年60万円の特別支出を使途不明金として計上しています。60万円より少ない、ということであれば支出の合計額がその分減り、キャッシュフロー表の貯蓄残高が増える計算になります。

また半年後に育休から復帰する場合、お子様を保育園に預けることとなり、更に保育料が家計に重くのしかかります。9月から幼児教育無償化がスタートしますが、3歳以上のお子様に限りますので3歳になるまでは保育料を負担する必要があります。保育園に預けるのなら、扶養の範囲内ではなく、正社員並みに働き収入を得なければ、家計が来年にもマイナスとなってしまいます。ローン返済と保育料で貯蓄がほとんどできませんので、マイホームの夢はあと数年先になると思われます。

もし、第2子もマイホームもお二人の人生において重要であるならば、収入を増やすしかありません。来年、第2子を出産するまでは会社の産休育休制度を活用し、復帰後は正社員として働くことで、貯蓄ができるようになりマイホームの夢も近づきます。
 
妻が年200万円の手取り収入を得た場合

妻が年200万円の手取り収入を得た場合


扶養に入るというのは、生涯賃金も将来もらえる年金額もぐっと減ることになり、一生お金に困ることになりかねません。年間200万円(手取り月給16万6000円)の収入を確保することで、キャッシュフロー上では一気に黒字化しますので、復帰後は扶養に入らず正社員として働くことができれば家計は安定していきます。

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A3. タイミングはポジティブ。借金返済後の優先順位をご夫婦で話し合いましょう

厳しい試算になりましたが、おそらく今は、借金返済と子育てを立派にこなしてきた中で、先のことを考える余裕が少し出てきた、とてもポジティブなタイミングだと思います。

ただし今のタイミングで希望条件をすべて、同時に実現させようと考えてしまうと、どこから手を付ければいいか分からなくなってしまう恐れがあります。そこで提案したいのが人生の優先順位を決めることです。

もしも「扶養の範囲内で働き、子ども2人との時間を最優先にしたい」ということであれば、住居費や保育料の負担を減らすために、親との同居も検討する必要があります。家計が苦しい状況が続けば子育てにも影響しますので、子どもとの時間を大切にしながら家計を安定させるにはどうしたらいいのか、これを最優先に考えることが欠かせません。

また「マイホームを最優先にしたい」のであれば、毎月いくらまでなら余裕をもって返済できるのか、収入と支出のバランスを見て、毎月の返済額を決める。そこから借りられる住宅ローンの総額を見極めることが大切です。月の返済額から見た現実的な住宅購入費用が、希望の額に達しなかった場合は、親から援助を受ける、収入を増やす、希望額を下げる、などの方法をとる必要があります。

「子ども2人とマイホームを絶対に両方手に入れたい」のであれば、やはり収入アップは必須です。本来ならば、第1子、第2子と生まれ、お子様の成長と共に奥様の仕事と収入を徐々に増やしていくのがセオリーですが、ローン返済や年齢のことを考えるとあまりのんびりはできません。子育てをしつつ、扶養には入らずしっかり仕事をするためには、夫婦で協力して育児や家事を行っていく必要があります。また、ご両親の手も借りることができたらありがたいですね。

お二人が望む未来とはどのようなものか? お二人が描く未来のために、家族一体となってどこまで協力し合えるかを話し合ってみましょう。返済と子育てをしっかりなされている、けほさん家計だからこそ、ご家族での大切なこと、優先順位を見つけられるはずです。

※診断結果はあくまでも現在の家計状況からの概算です。将来を保証するものではありません。

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解説・キャッシュフロー表作成 二宮清子

家計管理や節約を軸に、生活に寄り添った提案を行うファイナンシャル・プランナー。赤字家計を脱出した自分の体験から、ユーザー目線でのアイデアを発信している

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