親が経営するマンション、相続にどう対処すべきでしょうか?
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、腰痛を抱えて働くことがままならず、将来に不安を抱える45歳の女性。マンション経営をしているが、それも利益は低く、相続した場合にどうすべきか悩んでいるとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。■相談者
ふこふこうさぎさん(仮名)
女性/パート・アルバイト/45歳
関西/実家で親と同居
■家族構成
両親(70代)
■相談内容
フリーペーパーの配布の仕事をしています。委託制で収入は上下します。現在母が仕事の半分を手伝ってくれているので、母が75歳になる3年後からは収入が半分になります。アルバイトもしましたが、単純作業しかしてこなかったのでキャリアがありません。
資格を取るとしても営業は自分でしなければいけないため自分には不向き。障害者手帳2級だが入院歴がなく、状態が安定しているため障害者年金は今のところ不可。ヘルニアを患い、月1万5000円の治療費を趣味の費用から捻出。腰痛の状態は悪く、バス通勤(20分乗るだけで腰が痛くなる)が不可能なのと、立ち仕事が1時間以上あると腰が痛む状態のため、アルバイトも今のところ見込めない。
腰痛のヘルニアが悪化しており仕事を続ける予定ではおりますが、仕事が続けられる場合とやめざるを得ない場合もありまして、本当に困っていたところで相談に乗っていただけて大変うれしいです。やめざるを得ない場合は、障害者年金を受け取れればいいのですが、その見通しも立たず、もらえたとしても国民年金なので6万円くらいだろうと言われています。
親がマンション経営(自宅兼用)をしているが固定資産税が年70万円、10年おきの屋根の防水、壁の塗り替えに計700万円かかる。6軒借家だが経費を差し引くと収入が60万円程度。将来はこのマンションを兄弟3人で引き継ぐことになる。
家計簿を見ると毎年約100万円貯金できていると思っていたが、資産総額を計算してみて自分が想像していたよりも400万円少なかった。今後は収入が減る一方なので、将来のマネープランが不安。投資は投資信託を以前購入して、300万円以上損失を出したため今後する気はない。
■家計収支データ
■家計収支データ補足
(1)住宅と相続について
築35年ほど。祖母が亡くなり、母がマンションを相続。貸し出せる部屋は6軒で、最近内装をリフォーム(2部屋、700万円)して、現在は全室入居済み。今後も、3部屋のリフォームが必要とのこと。母が亡くなった場合(マンションは母親名義)、家賃は3分割すると1人の年収20万円。さらに、修理、塗装などの経費も3分割のため、固定資産税(毎年約70万円)も負担すれば収入はほぼなくなると予測。ちなみに、祖母が亡くなったときの資産価値は土地が7000万円、建物は5000万円。母親は450万円の相続税を支払っている。
(2)加入保険について
・本人/個人年金保険(65歳から5年確定、年金額74万円)=毎月の保険料1万円
※もし収入が少なくなったら払い済みを検討。55歳まで支払えば元本割れはしない。
(3)治療費を含む、趣味娯楽費について
ヘルニアの悪化により、最近は治療費に月2万円以上かかる。あとはオークションでたまに自己啓発のため本を買ったり、必要品を買ったりする程度(月5000円くらい)。ここ数年で一番高かった買い物は液晶テレビ(約7万円)。ヘルニアが悪化してからは腰痛予防のため外食も控えているので月の外食費は5000円程度。旅行は年に1回家族で温泉に1泊する程度。
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 「細く長く」働くことを目標に
アドバイス2 マンションより現金での相続を希望すべき
アドバイス3 相続と60歳以降の働き方がカギ
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