突発的な支出でせっかくの貯蓄を取り崩さない!
毎月給料が入ったら先取り貯蓄でコツコツ貯めていても、突然の病気やケガで医療費がかかってしまったり、家電や家具が壊れて数万円単位の支出が必要になってしまうことがあります。そして突然の支出に対応するために、せっかく貯めた貯蓄からの支出を余儀なくされてしまうことも。貯めた貯蓄が、子どもの教育費や住宅購入の頭金など、使う目的があるお金だった場合、定期預金や学資保険などを利用していると、満期前に解約したため予定していた利息が受け取れなかったり、満期前の解約で元本割れをするリスクがあります。
このように「使う目的が決まった貯蓄」と「それ以外の支出に備える貯蓄」は別々に準備するのが、いざというときにお金に困らない家計管理の鉄則といえます。それでは、使う目的が決まった貯蓄以外にどのような支出に備えるといいのでしょうか。
突発的な支出は「特別支出」と「臨時支出」がある
使う目的が決まった貯蓄を取り崩したり、家計が赤字にならないために考えておく支出として、「特別支出」と「臨時支出」の2つに分けることができます。「特別支出」とは、1年間で何度か必要になる出費のことをいいます。具体的には以下の項目が当てはまります。
・特別支出……夏休みや冬休みの旅行代や帰省費用、年払いの保険料、お中元・お歳暮代、入学金、受験料、車検代、固定資産税 など
特別支出に備えるには、あらかじめ予算取りをしておくこと。まずは過去の家計簿などから振り返り、項目別にどれぐらいのお金がかかるかを見積もります。次に、月々の収入からその支出分を分割して貯めていきます。ボーナス分で貯めることもできますが、支給額が不安定な場合は毎月の積み立てで貯めることを考えましょう。
「臨時支出」は手取り額の半分程度を目安に
次に「臨時支出」とは、いつ発生するかがわからない出費のこと。以下の項目などが当てはまります。・臨時支出……医療費、住宅や車の修理費、家電・家具の買い替え費、冠婚葬祭費 など
突発的な支出は臨時支出に分類されます。臨時支出の注意点は「いつ・いくら出ていくか予想がつかない」ということ。電化製品が突然壊れてしまったり、医療費がかかる場合は数万円~10万円単位での費用が必要になります。
臨時支出は貯める優先順位が低くなりがちですが、確保しておかないとたちまち家計がピンチに陥ってしまいます。
医療費などは保険などでまかなうことも可能なので、まずは手取り月収の半分程度を目安に、臨時支出として確保することを考えましょう。ただし、住宅や車の修理費、冠婚葬祭費など、ある程度時期と予算がわかるものは、あらかじめ特別支出に組み込んでおくといいでしょう。
「特別支出」と「臨時支出」を貯めるときは、次のような方法で行いましょう。
生活費口座とは別の口座に預ける
生活費口座に貯蓄分をプールしておくと、つい使ってしまいがちです。まずは生活口座とは別の口座を作り、こちらに預け分けします。特別支出と臨時支出も別々の口座で管理し、お金に色分けをしておけば、うっかり引き出してしまうのを防止できます。なお、臨時支出はいつ必要になるかわからないので、いつでも引き出しできる普通預金口座に預けておくと安心です。
その際には、金利が高めのネット銀行を使うことが、少しでも利息を稼ぐコツです。たとえば大手銀行の普通預金金利は0.001%程度ですが、条件を満たせばイオン銀行、楽天銀行は0.1%と高金利です。
つまり10万円預けた場合、大手銀行は利息1円ですが、楽天銀行なら100円になります(税引き前)。わずかな金利差に感じますが、預け入れ金額が大きくなるほどその差を実感できるでしょう。
特別支出は短期の定期預金も組み合わせる
数カ月~1年程度先に使う特別支出は、満期があり、引き出しにくい定期預金を利用すれば、確実に貯めることができます。ネット銀行の普通預金などで、ある程度まとまった金額を定期預金に預け替えましょう。定期預金の預入期間は、多くの銀行で1カ月・3カ月・6カ月・1年となっているので、使う時期に満期を迎える定期預金を選択しましょう。
ただし今は低金利の影響で、期間によって金利差はほぼありません。「いざという時お金が引き出せない不安」に備えるためにも、1カ月満期など短期の定期預金も組み合わせておけば安心です。
また、ボーナス時期にキャンペーン金利を実施している銀行もあるので、これらも組み合わせることで、有利に貯めることができます。
目的にあった貯蓄方法を考える
特別支出の場合は、銀行預金以外の貯蓄方法も検討してみましょう。例えばお中元・お歳暮代なら「デパート積立」を利用する方法もあります。これは、毎月一定額を1年または半年積み立てると、ボーナス分がプラスされるというしくみです。1年コースの場合は積立額の1カ月分、半年コースは積立額5000円で2000円または2500円がボーナスとして付与されます。積立金額は5000円、1万円、3万円などが一般的です。さらにデパートによっては、観劇招待や提携施設を優待価格で利用できるなど、うれしいサービス付きです。
ただし、戻ってくるのは現金ではなく、そのデパートや提携先で使える買い物カードや商品券のため、買い物でしか使えないので注意しましょう。
旅行代や帰省費用は「旅行積立」を利用して貯めてみましょう。例えば「JCBトラベル旅行積立」や「ANA旅行積立プラン」の場合、積み立て分+最大年利3%のサービス額が加算されます。
銀行に貯蓄するのでなく、使う目的にあった貯蓄方法を選択することで、おトクに資金を積み立てることもできます。
このようにあらかじめ予算取りをしておくことで、突然の出費があったときにも対応することができます。特別支出や臨時支出分は、生活費から補てんせずに別に貯めておくことが、赤字家計に陥らないコツといえます。
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