一流はコンディション管理を怠らない
以前も、「お金持ちはなぜ健康に対する意識が高いのか?」「お金持ちは健康を財産と考える」でご紹介した通り、お金持ちやお金持ち予備軍は、健康を財産だと捉えて健康に投資します。病気やケガで仕事ができなくなれば、その分収入が減るし、医療費もかかるため、健康な人よりも余計にお金が減るという話はわかりやすいと思います。
典型例がプロスポーツの世界で、ケガのために試合に出られない、ケガのために引退せざるをえない、というニュースをよく耳にします。
年俸数億円稼ぐような選手でも、ケガによってその収入をフイにしてしまいます。実力不足でなく、ケガさえしなければ稼ぎ続けることができ、長期間戦線離脱や引退を避けることができます。
何かの本でプロ野球監督が「ケガをしないというのは、一流の証拠である」と書いていましたが、これは私たち一般人でも同じです。
不健康は収入ダウンにつながる
ケガや病気で入院すればもちろん、体調が悪ければ集中力が発揮できる時間が短く、生産性が下がり、気力も前向きになれなくなります。すると、やはり収入は上がりにくくなります。つまりビジネスパーソンでも、体調管理ができる人は一流の証拠であるといえるでしょう。ちなみに、「お金持ちは高度な医療を受けることができるので有利」という意見がありますが、これは特に日本では当てはまりません。
健康保険料が高額で無保険の人も多いアメリカとは違い、日本は国民皆保険制度。そのため誰でも安い金額で(70歳未満の自己負担割合は3割)病院にかかることができます。
さらに、自己負担が月に一定額を超えた場合、申請すれば超えた分が後で戻ってくる「高額療養費制度」があるので、お金持ちかそうでないかの違いは大きくないといえます。
貧しい人は、ますます不健康になる
不健康な人が貧しくなることの逆も真なりで、貧しければますます不健康になりやすいと言えるでしょう。たとえばアメリカの調査では、肥満と収入には相関関係があり、収入が低い人ほど肥満の割合が高いそうです。これはアメリカに限らず、日本でも思い当たるフシがある人もいるのではないでしょうか。そして肥満も度が過ぎれば、成人病など様々な疾病の原因になります。
やはりお金がなければ、健康への配慮はどうしても後回しになりがちです。家賃や携帯電話代を払うことのほうが優先度が高いため、食事の質を高めようという精神的な余裕はなくなり、優先度も下がります。
つまり、口の中に入れるものも無頓着となり、栄養バランスを考えるよりも安ければいい、手軽ならいい、お腹がいっぱいになればいい、という発想になりがちです。そして、値段が安い炭水化物が過剰にもなりがちです。
「健康」格差が「経済」格差を生む
日本でもたびたびニュースになっているとおり、中国国内では消費期限切れ食品だけでなく、残留農薬、発がん性物質が含まれている食品が数多く出回っているようです。
一方で、先日テレビのドキュメンタリー番組を見ていたら、わが家でも利用している「大地を守る会」という有機食品の通販会社が、中国に進出しているという話が紹介されていました。
なんでも、中国国内のスーパーで買う値段の10倍するにも関わらず、中国の富裕層は好んで購入しているというのです。
もっとも中国の場合、(一般的に)日本よりも大気や土壌の汚染がひどく、食材の安全性も劣る上、貧富の差が激しいため、「お金があるからこそ」という側面はあるとは思います。しかし長期的に見ると、これこそ健康格差、ひいてはさらなる経済格差につながるのではないか、と私は感じました。
健康投資こそお金持ちへの第一歩
お金がなければ、旅行やスポーツといった活動にお金を回すよりも、家の中でテレビや無料動画を閲覧したり、スマホゲームに興じたりするなど、お金がかからない娯楽を選ぶかもしれません。もしそうなれば、ほとんど体を動かさない上、夜型の生活にもなりやすく、深夜に「なんだか口がさびしい」と、ポテトチップスやフライドチキンなどを食べる人もいるかもしれません。
これは体力低下だけでなく肥満にもつながり、生活習慣病の温床になります。そして、治療にお金がかかったり、通院などで余計体力が奪われたりすることにも。それでは、生産的でクリエイティブな仕事など期待できないでしょう。
ちょっとこじつけっぽいですが、「お金がない」→「健康にお金は使わない」→「不健康になる」→「仕事にも悪影響が出る」→「収入が上がらない」というスパイラルに陥る可能性があると考えることもできます。
貧困から脱出するために、あるいは貧困に陥らないためにも、「健康に投資する」→「仕事や投資の生産性がアップする」→「収入が上がる」というスパイラルを獲得したいものです。
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