貯蓄

上手にお金をふやす人の3つの共通点

資産運用で成功している投資家の3つの共通点をまとめて、ご紹介させて頂きます。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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前回、「お金持ちになれる人は、遅延割引に振り回されない!」という記事を書きました。この記事では、「すぐに得られる小さな成果よりも、将来的に得られる大きな成果を重視するといいよ」といった話をしました。
 
とはいえ、この話は抽象的なところが多かったので、「長期的に考えろって言われても、なぁ…」と、イメージがつかめず、もやもやした方も多いかもしれません。そこで今回は、資産運用で成功している投資家の3つの共通点をまとめて、どどんとご紹介させて頂きます。
 
前回の内容よりは具体的なので、本記事の内容は今すぐにでも役立てていただけるかと思います。ぜひ、ご活用ください!
 

資産運用に「成功法則」は存在しない 

書店にいくと、「私はこうやって大金持ちになりました!」系の本がズラリと並んでいます。これらの本で書かれている成功法則は千差万別で、これといった共通点はありません。それもあって、「何が正しい情報で、何が間違っているのか分からない!」と混乱している方も多いことでしょう。
 
ぼく個人としては、「資産運用に決まった成功法則など存在しない!」というのが持論だったりします。資産運用などせずとも成功する人も居ますし、同じ方法を使っても、成功できる人もいるし、成功できない人もいるからです。
 
しかし、その一方で、失敗には法則があると思います。その証拠に、経済学者ブラッド・バーバーとテランス・オーディーンらの調査によれば、利益を出せない個人投資家には、共通点があることが分かっています。
 
世界的な投資アドバイザー、チャールズ・エリス氏の言葉(1)を借りると、資産運用は「敗者のゲーム」だと思います。つまり、「失敗した回数が少ない人が、多くの利益を残せるゲーム」と言い表せるのではないでしょうか。
 
それもあり、「成功する方法」を学ぶ以上に、「失敗しない方法」を学ぶことが大切だと思うのです。
 
経済学者のブラッド・バーバーとテランス・オーディーンらによれば、失敗する個人投資家には3つの共通点があるのだとか。具体的には、下記の3点が原因で、個人投資家の多くが失敗するようです。
 
  1. ひんぱんに取引し過ぎる
  2. 損得に振り回される
  3. 十分に分散投資できていない
 
よって、資産運用で成功するには、これらの3つの要素を、きれいに逆転させてあげるのが有効だと考えられます。具体的には、下記のとおりです。
 
  1. ひんぱんに取引しない
  2. 損得に振り回されない
  3. 十分に分散投資する
 

成功する投資家の共通点その1:ひんぱんに取引しない

成功する投資家の共通点1つ目は、「ひんぱんに取引しない」という点です。つまり、「1度買ったら、放ったらかしにする」ということです。
 
具体的には、コツコツ地道に投資信託を積立投資して、引退まで放ったらかしにするイメージです。
 
放ったらかしに資産を運用する場合は、「投資信託」「インデックス投資」「つみたてNISA」など、伝統的な運用手法や、手軽に使える節税制度を学ぶのがオススメです。
 
投資信託に関しては、「確実に不労所得を増やす『投資信託』の選び方」を読んでいただけると役立つと思います。少しネタバラシしてしまうと、投資信託を選ぶときは、「手数料の安いところを選ぶ!」「売買回転率の低いものを選ぶ!」といったことを重視するのがオススメです。
 
インデックス投資に関しては、「科学的に正しい投資法『インデックス投資』とは?」を読んで頂くと、役立つと思います。インデックス投資はノーベル賞を受賞した理論に基づいて作られた運用スタイルで、「投資の神様」とも呼ばれている、ウォーレン・バフェットにも認められている運用手法です。
 
つみたてNISAに関しては、「つみたてNISAで利益を最大化する投資先の選び方」をお読みいただくのがオススメです。資産運用においては、税金もコストの1つです。さいきんは節税制度が充実してきましたので、カットできるものはカットしてしまいましょう。
 
これら3点について確認した上で、「いかにして放ったらかしに資産を運用するか?」を考えていただくとよいでしょう。
 

成功する投資家の共通点その2:損得に振り回されない

成功する投資家の共通点2つ目は、「損得に振り回されない」という点です。つまり、「コロコロとプランを変えない」ということです。
 
過去にも取り上げましたが、どんなに有効な投資手法も、10年~20年という単位で、成績が芳しくない時期があります。
 
たとえば、株式投資で代表的な手法として「割安株投資」があります。この手法は、かれこれ50年近く有効性を保ってきた手法です。しかし、10年間くらいは、利益を出せずに伸び悩む時期があることも事実です。
 
会社では、1カ月ちゃんと働けば、給料を貰えます。しかし、資産運用においては、必死に働いても、10年間無給(むしろマイナスかも)となることも珍しくありません。そのような厳しい状況においても、プランを崩さず愚直に投資を続ける気性が大切です。
 
ちなみに、日本証券業協会の調査(2)によれば、「金融に関する知識が少ない人ほど短期取引に走りがち」ということが分かっています。勉強をしていない人は、ささいな損得に感情を振り回されてしまい、資産運用の方針がふらついてしまうということなのでしょう。
 
一本筋の通った運用を行うためも、日頃から金融知識を蓄えておくことが大切だと言えるでしょう。
 

成功する投資家の共通点その3:十分に分散投資する

経済学者のブラッド・バーバーとテランス・オーディーンによれば、失敗している投資家の多くは、リスク管理が不十分です。
 
リスク管理とは、すなわち、「どうやって損をするか決めること」とも言えます。
 
たとえば、株式を嫌い、現金を好む人は、景気が良くなったときに、儲けそこねる(≒相対的に損をする)ことになります。きっと、「もっと株を買っておけばよかった」と考えることになります。
 
逆に、株式を好み、現金を嫌う人は、景気が悪くなったときに、損をすることになります。きっと、「こんなに株を買わなければよかった」と考えるでしょう。
 
未来を完全に見通すことはできませんから、ぼくらはどこかしらで、必ず損をします。だからこそ、「損の仕方を決める!」ことが重要だと思うのです。
 
分散投資の詳しいやり方については、「もっとも手堅い『自分年金』の作り方」という記事に、詳しい方法をまとめてあります。本記事と併せて、ぜひご活用ください。
 

まとめ 

繰り返しとなりますが、資産運用に「成功法則」はないと思います。成功法則以上に、「いかにして失敗を避けるか?」の方が重要であることが多いでしょうから、本記事を参考に、運用プランを見直してみてはいかがでしょうか。
 
  
●参考文献
  1. 書籍:チャールズ・エリス, 2015,『"敗者のゲーム 原著第6版』, 日本経済新聞出版社
  2. 調査:日本証券業協会, 2018, "個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書"
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