約8割の人は100歳まで生きたくないと思っている!
「人生100年時代」という言葉が定着し、それを受けて「人生100年時代」をどのようにとらえているかについて調査したアンケート(2018年・アクサ生命「人生100年時代に関する意識調査」)から、長寿に関するみなさんの意識を探ってみたいと思います。「人生100年時代において、あなたは100歳まで生きたいと思いますか?」という問いに、調査対象者(20代~60代の男女1000名)は、「そう思う(14.8%)」と「とてもそう思う(6.4%)」と答えたのは、わすが21.2%でした。100歳まで生きたいのは、約2割ということですね。
一方、「あまりそう思わない(41.9%)」と「まったくそう思わない(36.9%)」と、78.8%が「100歳まで生きたいと思わない」と答えました。筆者がこの質問を受けたら、「まったくそう思わない」と答えますから、この結果には同感&納得です。
では、長生きしたくない理由は? アンケート結果のプレスリリースから、いくつかピックアップしてみます。
●健康で自分の事は自分で出来るのであれば長生きしたい(20代女性)
●長生きしても生活に余裕がないのではないかと思うから(30代男性)
●お金がない状態と医療費の増える時期と重なりそう(40代男性)
●無理して長生きするより、短くても楽しく充実した生活をしたい(50代男性)
●心身共に健康でいる自信が無い(60代男性)
どの意見にも賛同です。特に、60代男性の「心身共に健康でいる自信が無い」は、同年代だけに身に染みて共感できます。これから先、40年近く心身の健康を維持するのは、非常に難しいと切実に思うからです。
「備えること」と「生きていく意欲」には相関関係がある!
調査に参加したみなさんは、「長生きすることは、リスクになると思いますか?」の質問に、78.6%が「そう思う」と答えました。どんなことをリスクととらえているかは――。1位 身体能力の低下……71.3%
2位 収入の減少(資金不足)……70.9%
3位 年金制度の破たん……62.4%
上記3つが長生きの3大リスクでした。
年金制度の破たんが1位なのかと想像していましたが、それよりも、身体能力の低下と収入の減少(資金不足)を不安視しているのですね。こうした長生きリスクを81.1%の人が実感している一方で、充分な備えができている人は16.0%と少数派でした。
この調査では、「備えること」と「生きていく意欲」には、興味深い相関関係がみられたとしています。人生100年時代に起こりうるリスクに「備えられている」と答えた人のうち42.7%が「100歳まで生きたい」と答え、「備えられていない」と答えた人のうち83.1%が「100歳まで生きたくない」と答えています。
なるほど。備えができていれば長生きする意欲が向上するということです。
とにかく、好むと好まざるとに関わらず100歳以上、生きてしまうかもしれない時代に生きている私たちは、できる限りの備えをすることが必要ということですね。それは、お金の準備、生涯現役で働けるキャリア・スキル磨き、心身の健康のキープ、高齢期の孤立を防ぐ絆作りなどです。